野球における「二刀流」とは?
大谷の選択
ただアマチュアレベルでは「投手で4番」という選手は存在した。特に日本の高校野球では数多く見られた。花巻東高の大谷翔平もその一人だった。 多くの選手は大学、プロに進むうちに「投打」いずれかに専念するのだが、大谷は日本ハム球団の提案もあって「投打二刀流」を選択。 2015年には最多勝、防御率1位、2016年には10勝を挙げるとともに22本塁打67打点、打率.322でMVPを受賞している。ただしNPB時代の大谷は規定投球回数は2度クリアしたが規定打席に到達したことはなかった。
TWPの誕生
2018年、エンゼルスに移籍後も大谷は投手、打者での出場を続け、この年は打者として22本塁打、61打点、打率.285、投手として10試合4勝2敗、新人王を獲得している。 翌2019年は右ひじのトミー・ジョン手術を受け全休、20年は投打ともに不振だったが21年、打者として46本塁打100打点、打率.257、投手としても9勝2敗で初めてMVPを獲得、翌2022年には、120年を超すMLBの歴史で初めて「規定打席」「規定投球回数」を同時にクリアした。2024年にはドジャースに移籍したが、23年から25年まで3年連続でMVPを受賞。 MLB機構は、大谷翔平の活躍を受けて「TWP(Two Way Player=二刀流選手)」の新たな登録枠を導入。「投手としてシーズン20イニング以上に登板」「打者でシーズン20試合以上に出場、または60打席以上」のの両方を満たした選手がいるチームは、13人の登録枠に「TWP」の選手一人を加えることができる。また2022年には「先発投手兼DHの場合、投手で降板後もDHとして打席に立てる」とルールを変更した。 これらは「大谷ルール」と言われるが、MLBとしては「大谷翔平だけのために設けたルール」ではない。 100年前にベーブ・ルースがさく越えのホームランを連発し、ホームランブームが巻き起こった時には、同時代にルー・ゲーリッグ、ジミー・フォックスなど本塁打を量産する強打者が多数出現した。 同様に、今回も大活躍する大谷翔平の後から、二刀流=TWPになる選手が続々誕生するという期待感があったのだが、数年たった今も大谷翔平だけが「TWP」だ。 これは大谷翔平という野球選手がいかに「破格」で、他に類を見ないかを物語っているといえよう。