袴姿の安達慎哉容疑者(20・知人提供)。栃木県内で酪農関係の仕事に就いていた
「基本は朝夕のシフトで、牛の搾乳を担当しています。朝5時から9時半まで働き、その後は16時から21時まで勤務。仕事を当日休むとか、バックれるようなことはありませんでした。タイムカードを確認したところ、新宿で事件があった日も、遅刻せず朝夕いつもどおり働いていました」
犯行現場の新宿区とは離れた場所で過ごしていた容疑者だが、最近は都内を訪れる機会もあったようだ。
「今年に入り、友達から『宇都宮でガールズバーをやらないか』と誘いを受けていたようなんです。なにやらバーを運営するのに必要な資格の研修が東京でしか受けられないとのことで、5月に8万円ほど給料の“前借り”をさせました。3月にも同じ“研修”を理由に、交通費として2万円ほど貸しています。貸すと言ってもあくまで給料天引きなので、私からしたら借金という認識はないですけど。入り用なのだなとしか思いませんでした」(同前)
ガールズバー経営に携わる話については、男の両親も耳にしていたという。
「宇都宮のあたりで今月末にオープンするガールズバーの責任者をやると聞きました。慎哉と仲のいい友達の上役に当たる『会長さん』が、面倒を見てくれることになっていました。よほど会長から気に入られているのか、その友人がうちへ遊びに来たとき『(会長が)一度、ご両親に挨拶したいと言っている』と話していました」(母親)
新天地で仕事を始める目前に、容疑者は逮捕されてしまった。前出の牧場のオーナーは、容疑者の逮捕を信じられない様子でこう漏らした。
「牧場の牛を“あの子は”と呼べるような子でした。私の母が転びそうになったとき、そっと手を貸しているのを見て、優しい心を持っている子なのだと思ったこともあります。動物好きで、虫も殺せないような人なのに、なぜこのような事件に……」
牛を大切にする男が、どのようにしてトクリュウ犯罪に飲み込まれたのか。捜査の進展が待たれるところだ。