同志社国際高が政治的中立違反なら森友学園も違反では?記者が追及 文科大臣「同志社からは多様な意見を扱った証拠として沖縄県のHPしか出てこなかった」
26日の松本洋平文部科学大臣の記者会見で、辺野古沖でのボート転覆事故をめぐり、文部科学省が同志社国際高校の平和学習の内容を「政治的中立性」を定めた教育基本法に違反すると認定したことについての質問が相次いだ。 【映像】森友学園は?記者が追及した瞬間(実際の様子) まず記者が「一部の野党や沖縄県知事、平和学習に関係する方々から、今後の学習への影響を懸念する声などがあがっています。こうした意見について考えをお聞かせください。また、過去には文科省所管ではないものの、大阪府内の(森友学園が運営する)幼稚園で教育勅語を暗唱させたり、首相頑張れと園児に言わせたりという教育が行われていたことが話題になったが、それについては教育基本法違反と思われるか?」と質問。 松本大臣は「まず今回の同志社国際高校への指導につきましては、生徒が亡くなるという重大な事案であったこと、学校法人同志社の所轄庁が国であり、設置者としての管理・運営の在り方と安全管理・教育活動等の在り方を一体的に確認する必要があったことを踏まえ、高校の所轄庁であります京都府とも認識を共有しながら行ったものです」と前置き。 そのうえで「教育基本法第14条第2項(政治的中立性)に反するものであったと示したことについては、抗議船による見学のプログラムを組み実施していたこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて牧師から複数年にわたって法令に反するものを含め抗議活動に関する説明が行われていたこと、研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座り込みをお願いする文章を掲載していたこと、これらと並行して生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示していなかったことなどを総合的に勘案をした慎重な判断の結果です」と説明した。 森友学園の幼稚園については「大阪のことをおっしゃられましたけれども、本事案におきましては、所轄庁であります大阪府の指導により適正化がなされたものと承知をしている」とだけ答えた。 これに対し別の記者が「今回、辺野古への基地移設に関する研修旅行とその教育内容に関して教育基本法14条2項違反という判断を文科省としてしたが、ここでテーマになっている基地移設自体について国が当事者という立場かと思う。国が当事者にあることをめぐる教育内容の中立性について、国の一機関である文科省が判断し得るのか、中立的に判断し得るのかという問題も含まれているかと思うが」と質問。 松本大臣は「多様な見方や考え方のできる事柄を取り上げる場合には、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより、生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう、政治的中立性を確保した上で教育を行うことが重要であると考えています。今回の事案につきましては、現地調査などを通じ、研修旅行の状況を詳細に確認していく中で、現時点で我々が把握をした範囲では、これらの通知などで示してきた政治的中立性が確保できていなかったことが明らかとなったことから、教育基本法を所管する文部科学省として、所轄庁である京都府と認識を共有しながら、慎重に事実を積み上げて見解をまとめたものであり、問題のあるものではない」と答えた。 続けて「なお、ここで申し上げている政治的中立性を確保するということの趣旨ですが、政府の立場のみを中立とするというようなものではないということは付言をさせていただきたい」と述べた。 ここで別の記者が再び森友学園に言及、「安倍政権時代に籠池理事長がやっていた森友学園の小学校の建設をめぐって、幼稚園で教育勅語を斉唱させるなどの行為がありました。当時野党が、これが政治的中立性(違反)に当たらないのかとして、文科省が調査するということで、その後教育基本法違反ということにはなりませんでした。森友学園のような問題も政治的中立性という意味では様々な批判がありましたが、当時文科省は踏み込まなかった」と説明。 そのうえで、「今回のことも、同志社国際が年間を含めて、どのような形で政府の立場、県の立場を説明していたかという、長期間にわたるロングスパンでの検討というのは必要だと思うので、この当日のこと、短期間のことをもってのみ政治的中立性に問題があると踏み込むのは、まさに16条にある、教育は不当な支配に服することなく、ということとも整合性が取れないんじゃないか?」と質問した。 これに対し松本大臣は森友学園について「大阪の事例に関しましては、所轄庁は大阪府でありまして、そちらによって適正な形で対応がされたと承知をしているところであり、文科省として、大阪府の指導についての見解をお示しすることは差し控えさせていただきたい」と答えた。 続けて「あと今回、学校法人同志社に対して様々な聞き取り等を行って、京都府とともに確認を行っていく中で、事務方からは『多様な意見を扱った証拠を出してくれ』と学校側に何度も尋ねております。学校からは、沖縄県のホームページしか出てこなかったということであります。そして、学校もそうした対応が不十分であったことを認め『厳粛かつ真摯に受け止めて対応する』と述べていると承知している」と説明した。 さらに別の記者が「生徒が亡くなる重大事案であったということが1つ理由になっているが、仮に生徒が亡くならないケースでも、ほかの学校の研修、学習において違反がないか調べるのか?」と質問。続けて「あと、偏っている、政治的中立性が保たれていないということが、誰がどう線引きをするのか、その線引きが正しいのかということが判然としていないので大臣のお考えを教えてください。最後に、政治的中立性とか政治的な活動って、例えば広島・長崎に原爆が落ちたとか、福島で原発事故が起きたとか、学習で教えたほうがいい重要な問題は多面的でセンシティブなものが多いと思うが、こういう学習に対して萎縮効果みたいなものが今回の違反認定によってあるのか?」と質問した。 松本大臣は「ご指摘のような事柄も含め、多様な見方や考え方のできる事柄を取り上げる場合には、特定の見方や考え方に偏った取り扱いにより生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう、政治的中立性を確保した上で教育を行うことが重要であることについては、これまでも繰り返し周知をしてきたところです。今後とも各学校では、関係法令や通知などを踏まえながら創意工夫をして、政治的中立性を確保した上で、政治的教育や平和に関する学習に取り組んでいただきたい」と述べた。 そして「当然、平和学習の大切さ等々に関して、また戦争がもたらした惨禍等々に関して、これらに関しましては、学習指導要領等においてもきちんと子どもたちに教えてもらいたいということは当然書いてあるわけですので、こうした学習指導要領に沿った形で判断がされていくんだろうと、私自身は思っている。ぜひそうした点、ご理解をいただいて、今後の教育の充実に努めていただきたい」とし、「今申し上げたような観点から申し上げれば、特に萎縮効果を生むということは、私は全くないと考えております」と答えた。 これに対し記者が「萎縮を生むことは無いと大臣言ってますが、沖縄県に対してだけでなく全国の平和学習に取り組む学校側、指導者側、先生の側を萎縮させると。今沖縄というのは平和学習が広島同様大変充実しており、いろんな様々な体験場所を見に行ったりと、戦争の悲惨さを伝えてきたけれど、今回偏ったというのが、政府の文科省の側としての判断ではないのか。森友問題、大変政治的中立が問題になりましたが、それは当時の大阪が判断したことと言っておりますが、教育基本法に踏み込むことはありませんでした。やはり今回のことはやり過ぎなのではないか」と主張。 続けて「一部情報では、他の学校が在日米国基地の中で、ショットガンの練習をした、研修をしたという話も出ております。こういったところは問題にならないのかなど、現場からは、これは平和学習、特に沖縄や広島などを中心にした平和学習をやっている側を萎縮させる意図があるんだと思うという批判の声が上がっているのですが、これにどうお答えになるのか」と再び問いただした。 松本大臣は「平和学習の萎縮の話でありますけれども、我々としては、平和学習に関しては、学習指導要領上においてもしっかりと位置づけられているものでもあり、これに則ってやっていただく分においては何ら問題がないというか、むしろ我々としてはしっかりと進めていただきたいと考えている。そういう意味において特に萎縮をされることはないと、私自身は考えている」と答えた。 記者は納得せず「萎縮させることはないと言いつつ、現場のほうが萎縮をさせられているという声が出ているということ、それから他の、事故には至っていないけれどショットガンをやったとか、他の学校の中で政治的な偏りということに関しても、今後文科省として調査をしていくということなのか。それから大臣が判断を踏み込みましたけれども、総理官邸に最終判断については、判断を仰いだのか」と質問。 松本大臣は「先ほど申し上げましたように、平和教育について我々としては明確に位置づけを行っているところですので、ぜひそれに従って萎縮することなく進めていただきたい。また、個別の事例に関しまして、それぞれにおいても事情が違いますし、また総合的に判断されることですので、私の方からのコメントは差し控えさせていただきたい。また、今回のこの判断に至るにあたって、何か官邸から指示であったりとか、全くそういうものは一切ございません」と答えた。(ABEMA NEWS)
ABEMA TIMES編集部