「20代以下の持ち家率が過去最高」という統計の裏にある「結婚できる・できない」を決定する経済階級差 #エキスパートトピ
5/23のテレビ朝日『池上彰のニュースそうだったのか!!』において、「住宅価格高騰の折、家を買うことは困難になっていると思いきや、20代の持ち家率が過去最高になった」という内容が放送された。
番組では家計調査のデータを元に、二人以上世帯の20代以下の世帯の持ち家率が、2000年19.7%から2025年40.7%と大きく伸長したグラフが提示され、現在は共働き世帯が増え、ペアローンや50年ローンの利用などにより、高額なマンションにも手が届くようになったなどとと解説していた。
しかし、それは少し違うのではないか。
ココがポイント
家を持つことがますます難しくなっているように見えるなか、実は20代の持ち家率が過去最高になっている
出典:dmenuニュース 2026/5/23(土)
今の若い世代は住宅価格が下がる時代を経験しておらず、「今を逃したら買えなくなる」という焦りから購入に踏み切る人も
出典:dmenuニュース 2026/5/23(土)
平均年収よりも住宅価格の上昇幅のほうが大きいことから、家を購入したとしても家計を圧迫する家庭が多い
出典:ファイナンシャルフィールド 2026/2/21(土)
ここ10年で起きたこととは(中略)所得上位層だけが結婚や出産ができて、中間層以下ができなくなった状況
出典:荒川和久 2025/9/26(金)
エキスパートの補足・見解
確かに、家計調査の持ち家率はその通りである。
が、これはあくまで二人以上の世帯、つまり結婚した夫婦世帯に限る。同じ家計調査において、総世帯での20代以下の持ち家率は同期間で7%台でほぼ変わってない。
要は、20代以下夫婦の持ち家率だけがあがっていることになるが、そもそも20代での婚姻数は減少している。同じ2000-2025年でいえば、20代以下の夫婦世帯は▲74%と激減している。それだけ母数が減った状態なので、持ち家率が倍増したといっても、実際の持ち家世帯数は▲46%である。割合は増えているが、実数は減っていることになる。
むしろ、これは、持ち家を買えるような経済的に余裕のある層しか20代のうちには結婚できない状況を示していて、決して「持ち家を買える20代夫婦が増加」とは言えない。
実際、減少している20代婚姻のほとんどは中間層以下の年収帯だけである。「共働きが増えている」などといわれるが、それも「共働きで夫婦ともに稼がなければ結婚に至らない」という事情も大きい。
持ち家率は倍増でも、結婚世帯数は激減という現実こそが、結婚できる者とできない者との「若者の婚姻の経済階級差」を如実に表しているのではないだろうか。