ゴールドマン・サックスの内定を断り、なぜ過酷なMLBマイナーリーグへ? 慶応大の外野手が、野球部OBに語った本音「どちらを選んでも…」常松広太郎の挑戦
よく分からないまま臨んだ面談。カブス側から言われたのは「マイナーのオファーを出したい」 「マジか、とびっくりしました」 気持ちはすぐに、マイナー挑戦で決まったという。 「こんな機会を得られる人は、ほとんどいないかなと思うので。それを経験した人材としても、替えがきかない存在になれるかなと思いました。主観的に見ても面白いし、客観的に打算的に考えても、これ以上の選択はないなと思いました」 ▽内定辞退を伝えたら… オファーの翌日、常松選手はゴールドマン・サックスに足を運んだ。内定を辞退することを説明し、納得してもらうためだった。 ただ、険悪になることはなかった。それどころか「そっち(マイナーリーグに)行くよね」という反応だったという。 「背中を押してもらって、今後も連絡を取ろうと。今週も社員の方と飲みに行ったり。本当にありがたい話ですけど、良い関係で、応援していただいて、こんな会社なかなかないだろうなと思っています」
▽「地位が保証されているとモチベーションが湧かない」 記者会見で、私が特に印象に残ったのが次の発言だ。 「カブスとゴールドマン・サックス、どちらの道を選んでも安定はない。競争に負ければ別のキャリアを選ぶことに変わりはない」 そういう環境が昔から好きなのかと聞くと、「地位が保証されている時に、モチベーションが湧かない。危機感を察知して頑張る力があるんだと思います」。 最後に、今回の選択の意味を語ってもらった。 「この決断があったことで縁が出来た人も多くいました。ゴールドマン・サックスもすごく良いと思いますし、楽しい生活もあったと思います。それでも、やっぱり『あの時アメリカに渡って挑戦したから今この仕事があるんだ』とか、こういう立場にいるんだと言えるようなものにしたいです。 行って何を得るかっていうのが一番大事だと思います。胸を張って言えるような取り組みをして、何か見て分かるような結果が出せれば良いですし、分からない結果でも、自分が得た経験を違うフィールドでいかせるような挑戦になれば、本当に大成功と言えると思っています。そういう意味で、目先の結果だけじゃなく、本質的に自分がどう変われるかというところに興味があります」