ゴールドマン・サックスの内定を断り、なぜ過酷なMLBマイナーリーグへ? 慶応大の外野手が、野球部OBに語った本音「どちらを選んでも…」常松広太郎の挑戦
「かなり疲れていましたが、本当にここで打たないと明日スタメンじゃないなと思い、試合中にバットを振り込んで、何とかレフト前を打って、今日も生きながらえたなみたいな。帰りのバスでは安心して、あれ以上無いというくらい熟睡しました」 就活はシーズン中も続き、夏のインターンにも行った。3年生の間に内定を決めて、最後の4年生は1年間、野球に集中したいと思ってやっていたという。 野球と就活を両立したのは「後悔だけはしたくなかったから」。寮にいるとみんなとゲームをしてしまう。だからなるべく寮を出てカフェなどで作業をした。「寮はいろんな誘惑があるし、みんな野球をやっている場所なので」 努力を積み重ねた結果、ゴールドマン・サックスの内定を得た。この会社を志望した理由に、常松選手らしさが表れている。 「ハードワークだけど、天井が高くて夢が見られる。かつ、活躍しなければ残れないっていうプレッシャーがある方が、自分が輝けると思っていた」
もしそのまま入社していたら、何をしていたのか。 「ジョイスさんという有名な方がいて、日本株の部門のヘッドなんですけど、彼の下で日本株を機関投資家に売るような仕事をやっていたと思います」 ▽NPBドラフト会議、翌日に急転「マジか」 4年になった常松選手はリーグ戦で4本塁打を放ち、チームの主軸になった。プロ志望届を出し、ドラフトは野球部の食堂でチームメイトと食事をしながら見たという。「おそらく指名はないかなと。そこまで期待はしていなかったです」 結果、指名はなく、ドラフトは終わった。 野球は大学で引退し、ゴールドマン・サックスへ。気持ちは固まった。 「これで野球は終わるけれど、その先もいろんなことがあるだろうし、他のことを頑張ろうと思いました。これを経てどう生きていくか、その先に何があるかの方がずっと興味がありました」 ところが、事態は急転する。ドラフトの翌日、監督に呼ばれた。カブスとのオンライン面談が1週間後にあると言われた。