法定通貨に価値が連動するステーブルコインに対する期待感が日増しに高まっている。日本でも3メガバンクが連携し、ステーブルコインの共同発行に向けた検討が始まった。ステーブルコインは決済を中心に、既存の金融インフラを塗り替える可能性を秘める。
既存金融を再設計することが可能になる――。SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝会長兼社長は、ステーブルコインの潜在力をこう表現する。
今、国内外でステーブルコイン関連の取り組みが雨後のたけのこのように生まれている。メインフレームなどを使った旧来型のシステムではなく、ブロックチェーンを基盤にしたステーブルコインを活用することで、決済を瞬時に終えられる世界を描けるからだ。ドルや円といった法定通貨と価値が連動し、現預金や国債などを担保として持つため、安定性にも特徴がある。
「ジーニアス法は案外まっとう」
ステーブルコインの潜在力は数字が物語っている。米Citigroup(シティグループ)の推計によると、世界のステーブルコインの市場規模は2025年に2820億ドル(約45兆円)。2030年には標準シナリオで1兆9000億ドル(約300兆円)、強気シナリオで見ると4兆ドル(約640兆円)に達すると予測する。
ステーブルコインを巡る環境整備も着々と進んでいる。その象徴が、米国で2025年7月に成立した「ジーニアス法」だ。ステーブルコインを包括的に規制する初の連邦法であり、裏付け資産の保有や管理を明確にしたことなどが特徴だ。トランプ米大統領が暗号資産(仮想通貨)に前向きな姿勢であることから、ジーニアス法もその意向を反映したものと見られているが、「規制すべきところは規制しており、案外まっとう」(業界関係者)という見方も少なくない。
米国では、幅広いデジタル資産に関する規制上の分類を明確にする「クラリティー法」の審議も上院で進むが、議論は停滞している。ジーニアス法とクラリティー法は互いを補完する関係にあり、SBIHDの北尾会長兼社長は「クラリティー法が通るかどうかで、決定的な違いがある」と指摘する。
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