インタビュー

第7回届いたかではなく「頭に入っているか」 元朝日記者に聞く新聞の活路

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聞き手・東京社会部 堅島敢太郎
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オールドメディアが響かない Z世代のリアル⑦=完

 スマホを通じてSNSや動画に日々触れながら育った若い世代にとって、文章と写真で伝える従来の新聞記事は遠い存在だ。元朝日新聞記者で、TBSテレビ特任執行役員の竹下隆一郎さん(46)は、時代や読者の変化に合わせて立ち位置を変え、情報をどう届けるかを考え続けてきた。新聞はこのまま廃れていくのか、竹下さんに聞いた。

 ――まずお聞きしたいのは……。

 インタビューの前に、今回の取材のゴールを決めてもいいですか。朝日新聞の社員をはじめとしたメディア関係者向けでしょうか。情報収集やキャリアに興味がある一般的なビジネスパーソン向けでしょうか。この記事を読む人の時間を奪うことになるので、何らかの価値を提供できるようにしたいです。

 ――一番の課題として、テキストの限界を感じています。

 それは、新聞社の課題ですよね。

 ――同様にnoteやX(旧ツイッター)を使って文章で発信されている人にも役立つ可能性がある。

 たしかにそうですね。最近はビジネスパーソンも発信力が求められるし、メディアの構造の話や、映像や文章の伝わり方をテーマにする、というのは良いですね。

記事のポイント

・新聞とSNSが存在する情報空間の違い
・読者の頭に届く情報のスタイルとは
・読者に「ベネフィット」を届けるという視点
・メディアは「情報のエージェント」に

 ――基本は、文章と写真で伝える新聞の情報は20代に届いていますか?

 100%届いていないのではないでしょうか。新聞やテレビなどのマスメディアが「情報空間A」にいて、ソーシャルメディアが「情報空間B」、生成AI(人工知能)の回答が「情報空間C」だとしたら、新聞記事はAを中心に流通しているだけです。

 日頃からSNSを見て買い物をしたり、エンターテインメントを見たりする人には、全然違う世界です。たまに炎上したらBで目立つぐらいで、A全体の情報を100としたら0.1ぐらいしかBに届いていないと思います。

「bornデジタル」の意識が大事

 ――朝日新聞はデジタル版もありますが、それでも届いていませんか。

 発想として紙の新聞記事を電子にしただけで、本当の意味でデジタルではないと思います。インフォグラフィックやタイムラインのビジュアル化など、ニューヨーク・タイムズのような魅力的なコンテンツもあるのは確かです。ただ、SNSの文化や、SNSの疑問から生まれたコンテンツやアジェンダを十分に載せられていない。デジタルがファーストかセカンドかより、デジタルから生まれている「bornデジタル」の意識が大事です。

 ――真にデジタル化できていないとすれば、なぜですか。

 自由な発想で情報を伝えていないからです。そもそも、新聞記者に本気で情報を伝える気持ちがあるのか、私は疑問です。情報空間Bに届けたいなら、記事の書き方の文法が違う。

 たとえば、ニュースのポイントを箇条書きしてもいい。図や写真から入るとか、初心者・中級者・上級者向けに分けて記事を書くこともできるはずです。「どうしても伝えたい」という強い気持ちがあったら、記事を書くと同時にYouTubeに出て、パッと話す熱意があってもいいかもしれません。

記事後半の見どころ

記事後半では「1億総記者時代」に意識すべき情報発信のポイントを竹下さんが解説します。また、なぜフィールドを新聞から映像メディアに移したのか、古巣の朝日新聞に期待することについても聞きました。

 アメリカの新興メディア「AXIOS」は、ニュースのポイントを箇条書きにしたり、もっと深く知りたい項目ごとに記事を書いたりしています。会社の上司が部下からブリーフィングを受ける際のリポートのようで、私も愛読しています。

 ――デジタルの常識から、新聞はどこがずれていますか。

 重要なのは「新規性」「当事…

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この記事を書いた人
堅島敢太郎
東京社会部
専門・関心分野
事件、事故、災害、戦争、人口減少

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