カンボジアの代理出産の今 | 弁護士カンボジア投資日記

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カンボジアの代理出産について、私、過去に記事を書いておりました。

 

こちらです。

 

私の予想通りに海外から代理母を求める需要があり、カンボジア国内においてカンボジア人を代理母とする代理出産を求める外国人利用者がタイからカンボジアに流れました。

 

これに対応する形でカンボジアの保健省は、「血液,卵子,骨髄及び細胞の管理省令」とする省令により代理出産を禁止しました。

 

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省令 「生殖補助技術を用いた子どもをもうけるための商業的代理出産業務は,これを完全に禁止する」

 

さて、上記省令が発行したのは、2016年10月24日です。それ以前は、一応、禁止もされておらず完全な合法です。それ以前に合法的に生まれた子供もたくさんいます。

 

上記省令の施行の後、オーストラリア人業者が逮捕されました。

 

英字ですが、こちらです。

http://www.khmertimeskh.com/news/32174/first-arrests-over-surrogacy/

 

調べると逮捕罪名は、

 

第 332 条 養親及び妊婦との間の仲介 

養子縁組を希望する者又は夫婦、及び子の妊娠及び出産後に子を引き渡すことを受諾した親 との間の仲介を営利目的で行ったときは、1(一)月以上 6(六)月以下の拘禁刑及び 100,000(十 万)リエル以上 1,000,000(一百万)リエル以下の罰金に処する。

 

 第 632 条 悪意による公正証書の提供の要求

 故意により、権利、許可、又は許可の供与の承認を記す文書を公吏に提供する行為は、6 (六) 月以上 2(二)年以下の拘禁刑及び 1,000,000(一百万)リエル以上 4,000,000(4,000,000) リエル以下の罰金に処する。

 

とのことです。

 

そこで、これに関連して過去に合法的に実施されたカンボジアの代理出産の問題点を明らかにしておきます。

 

 まず、代理出産は、何らの原因によって夫婦の妻が懐胎ないし出産をすることができない場合において、妻に代わり子供を出産してもらうことを意味します。多くの場合、夫の精子と妻の卵子を受精させて、この受精卵を代理母の子宮内に着床させて、妊娠、出産をさせます。

 

つまり、上記のような場合、子供は代理母から出産するものの遺伝子的には完全に夫婦の子供です。

 

では、この場合、日本の法律上、戸籍の母の記載はどうなるのか?です。

 

考え方としては、二つあるでしょう。

 

 A説 遺伝子上の母を母とする

 

 B説 出産した者を母とする。

 

日本では、最高裁判例によってB説をとるということが決定されています。つまり日本の法律では、母となるには如何に遺伝子的に母であっても出産の事実がないと法律上の母にはなれないのです。

 

なお、カンボジアの戸籍(ファミリーブック)側は、代理出産した母の名前(例えばリップ・ソックさん)と認知した父(田中一郎さん)の名前が記載されます。

 

では、代理母から生まれた子供(例えば、太郎)をどういう方法で日本の戸籍(田中一郎さんと田中花子さんの夫婦の戸籍)に入れるのか?

 

実は、この場合には特別養子縁組制度を使って遺伝子上の実子を養子として戸籍に入れるしか方法がありません。

 

違和感があると思いますが、遺伝子的には、完全に実子なのに養子として扱います

 

これが日本の公的な解釈なのです。簡単に言えば、夫が妾に産ませた子供を夫婦で特別養子縁組みするようなものです(この場合も夫の子である事には間違いがないが特別養子縁組となる)。

 

特別養子縁組とは、実母との親子関係を断絶させる特別な養子縁組です。この制度を利用するには子供の利益になるかどうか家庭裁判所が審理し、その許可がないと出来ません。

 

代理母との親子関係を断絶してもいいのかを代理母の意見も聴取されます。ただ、代理母を日本の裁判所からまで呼ぶのも大変ですから、裁判所は、「特別養子縁組を認めてもいいか代理母の署名のあるクメール語の同意書を作成し、カンボジアの公証人から代理母の署名が真性であるとの認証を得なさい。」というのです。

 

しかし、カンボジアの公証人は、合法的な出産であっても法律を正確に理解出来ませんから、「何で田中一郎は太郎の実の父なのになんで養子縁組するんだ??実の親だろう?怪しいから公証出来ない!」とかいうのです。

 

カンボジア人の言わんとすることはわからなくもないですが、日本の法解釈の問題ですから、カンボジア人がどうこう言う問題ではありません。

 

公証人に頼んだのは、特別養子縁組を承諾する旨の同意書の署名が代理母のものであるかだけの公証だけなのに代理出産への中途半端な知識と、ましてや日本国内の法律の問題なのにカンボジア人の感覚でおかしい云々を言うのは筋違いです。

 

カンボジアのように法律の学力レベルが低い国では、代理出産を巡ってこのような予想出来ないトラブルが待ち受けています。日本人夫婦は、大迷惑です。

 

さて、この問題どうなることやら??

 

この特別養子縁組をするについてカンボジア人代理母の親権放棄の意思をどのようにして確認するか、現在、日本の家庭裁判所が在カンボジア大使館の協力を得るなどの方法を含めて協議している最中です。

 

これがカンボジアの代理出産の情報の最先端です。

参考になりましたら、こちらを。

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