【閲覧注意CP有】日車「懐かしい夢を見ていた気がする」

  • 1二次元好きの匿名さん26/05/22 22:32:05

    夢だ、というのが分かるまでに少し時間を要してしまった。

    重い瞼を開けると、視界に飛び込んできたのは見慣れたリビングの天井だった。俺はソファに横たわっていたらしい。
    体を起こそうとして、胸元にかけられた小豆色のブランケットに気がつく。
    ……ああ、また彼は、俺がここでうたた寝をするたびにこうして毛布をかけてくれる。いつも「風邪ひいたらどーすんの」と苦笑いしながらこうやって気遣いを向けてくれるのはありがたいことこの上ない。その温もりに彼の手の優しさを感じて、胸の奥がじんわりと満たされていく。


    ※見切り発車
    ※胸糞注意

  • 2二次元好きの匿名さん26/05/22 22:33:27

    部屋を見渡してみるが、静まり返っており、彼の姿はどこにもない。
    キッチンに目をやれば、食卓の上には彼が使っていたと思しき、飲みかけのマグカップがぽつんと置かれている。

    「悠仁……?」

    声をかけてみたが、返事はない。どこへ行ったのだろうか、と少しの間思考を巡らせる。だが、すぐに納得がいった。
    ああ、そうか。きっと急な任務が入って、高専の仲間たちに呼び出されたのだろう。あの子は昔から、頼りにされると断れない性質だからな。まあ、夕方までには「ただいま!」と元気な声を響かせて戻ってくるに違いない。そうやって、一人で容易に自己完結した。

    姿は見えなくても、この部屋に満ちている生活の痕跡のすべてが、彼と過ごす日常の温もりを雄弁に物語っていた。

    「……幸せだな」

    ぽつりと溢れた言葉は、静かな部屋に優しく溶けていった。

  • 3二次元好きの匿名さん26/05/22 22:36:42

    ソファから立ち上がり、キッチンのカウンターへと歩み寄る。今日はダージリンでも飲もうかと何気なく目をやった棚の上、そこに置かれたある一つの小道具に視線が留まった。

    それは、ガラスと金属でできた、少し特殊な形をした砂時計だった。
    ドイツの老舗紅茶ブランド、ロンネフェルトのティータイマー。

    通常の砂時計とは違い、中のカラフルな粒が重力に逆らうように、下から上へと昇っていく不思議な仕組みをしている。

    「ああ……」

    俺の口元に、自然と微かな笑みが浮かんだ。
    時間の流れさえも歪めるように、下から上へと昇っていく不思議な砂の粒。それを見つめているうちに、記憶の底から温かい濁流が押し寄せてくる。

    そうだ。彼と付き合うきっかけになったのは、これだったな――。

  • 4二次元好きの匿名さん26/05/22 22:37:46

    ワクワク
    新しい日車スレだーー(歓喜)

  • 5二次元好きの匿名さん26/05/22 22:43:30

    10まで保守したい

  • 6二次元好きの匿名さん26/05/22 22:45:51

    日虎か?虎日か?ワクワク
    関係ないけど※見切り発車ってついてる日車スレなんとなく多い気がする

  • 7二次元好きの匿名さん26/05/22 22:48:02

    悠仁呼びだし付き合ってるしがっつり【CP有】なんだな
    胸糞注意ともあるからキャラ崩壊や認識改変系もあるか?続き楽しみ

  • 8二次元好きの匿名さん26/05/22 22:53:28

    んー保守するか

  • 9二次元好きの匿名さん26/05/22 22:53:37

    CPの左右は一旦置いとくけどそれはそれとして胸糞展開大好きなので助かります!!

  • 10二次元好きの匿名さん26/05/22 22:54:55

    既にガッツリ付き合ってるなら伏せても描写から左右滲み出そう
    楽しみ

  • 11二次元好きの匿名さん26/05/22 23:14:18

    「あのさ、日車。アフタヌーンティーとか興味ねえ?」

    高専の敷地内で、少し決まり悪そうに頭を掻きながら言われた言葉に、俺は思わず瞬きを繰り返した。三十路を過ぎた男の人生において、最も縁遠い単語の一つだったからだ。

    「……アフタヌーンティー。それは、その、あのアフタヌーンティーか」
    「え、他にあんの? アフタヌーンティー」
    「ないな」
    「だろうな~……」

    詳しく話を聞けば、事の顛末はこうだった。

    もともとは釘崎に「どうしても行きたい店がある」と拝み倒され、彼女が執念で引き当てた超有名ホテルの限定アフタヌーンティーだったらしい。完全予約制で、数ヶ月待ち。虎杖も「美味いスイーツがいっぱい食える」と唆されて楽しみにしていたそうだ。
    しかし、あろうことか当日の朝になって釘崎に急遽、一級案件の任務が舞い込んだ。

  • 12二次元好きの匿名さん26/05/22 23:16:06

    「釘崎のやつ、『呪霊祓ったら秒で戻る』ってキレながら引きずられてったんだけど、どう考えても間に合わねえんだよ。超予約制だから直前キャンセルとかできないし、何よりキャンセル料がバカ高くてさ……もったいねえじゃん!」

    必死に身振り手振りを交えて語る彼が健気で、俺は少し笑ってしまった。重い呪術の宿命を背負わされているはずの彼が、今はキャンセル料という極めて俗世的で、年相応な問題に頭を抱えている。そのギャップが、どこか愛おしい。
    なら、もう一人の同級生はどうしたんだ、という疑問が当然浮かぶ。

    「いや、同級生がいるだろう。伏黒はどうしたんだ?」
    「伏黒もさっき伊地知さんに拉致られた。十種で対処したほうがいい呪霊が出たとかで、今頃どっかの山の中。だからマジで誰も捕まらなくて……」

    本当に困り果てた顔で、彼は俺の顔を覗き込んできた。
    行き場をなくした琥珀色の瞳が、救いを求めるように俺を捉える。

    「だから……その、日車。もし今日、予定空いてるなら、俺と一緒に来てくんね?」

  • 13二次元好きの匿名さん26/05/22 23:19:56

    超有名ホテルのアフタヌーンティー――その単語を聞いた瞬間、忘れたと思っていた記憶が不意に脳裏を掠めた。
    まだ弁護士になって間もない頃、付き合っていた女に半ば強引に連れて行かれた高級ホテルのラウンジ。
    当時は法廷の書類仕事に追われ、心の余裕など一欠片もなかった。場違いな空間、繊細すぎる調度品、男一人では到底お腹がいっぱいになりそうにない三段のティースタンド。居心地の悪さを隠せない俺の横で、彼女は楽しそうに紅茶の種類やスコーンの食べ方を説明していた。

    『せっかくなんだから楽しみなさいよ、寛見』

    呆れたように笑う声まで、妙に鮮明に思い出せる。あの頃の俺は、そんなささやかな贅沢や、彼女が提供してくれようとした「丁寧な日常」を、どこか冷めた目で見ていたのかもしれなかった。正義だ、社会的責任だと、頭の固い理想ばかりを追い求めて。

  • 14二次元好きの匿名さん26/05/22 23:21:34

    その、かつて切り捨てたはずの「まっとうな幸福の象徴」のような場所に、今、呪いの渦中にいるこの少年と行くことになる。その奇妙な因果に、胸の奥が少しだけ揺れた。
    記憶に引きずられるように、俺は目の前の青年へ視線を戻した。虎杖は、断られることを半分覚悟しているような顔でこちらを見ている。気まずそうに、けれど微かな期待を捨てきれない目で。

    「もちろん、急にこんなの変だよな!いやでもマジでキャンセル料高くてさ……」
    「君はさっきからそればかりだな」

    思わずそう返すと、虎杖は「だってもったいねえだろ!」と眉を下げた。
    あまりにも真っ直ぐで、打算がなくて、だからこそ調子が狂う。普通なら、三十路を過ぎた男と十代の少年が連れだって行くような場所ではない。自分の人生にはあまりに不釣り合いだ、とブレーキを踏む理性が働く。
    だが、困ったようにこちらを覗き込むその目を見ていると、どうにも突き放せなかった。この少年が、呪いの一級任務だの人の生き死にがなんだのという重荷から解放され、ただの「食いしん坊な17歳」として過ごせる時間を、俺の都合で潰してしまうのは、酷く勿体ないことのように思えたのだ。

  • 15二次元好きの匿名さん26/05/22 23:22:48

    「……まあ、今日は特に予定もない」
    「え、マジ!?」
    「ただし、俺はそういう店の作法には期待するな」
    「あ、安心して。俺も全然わかってねえから!」

    それでいいのか、と呆れ半分で息を吐く。だが、彼の顔にぱあっと花が咲くように笑みが広がったのを見て、俺の胸の奥の、重く凝り固まっていた何かがすとんと落ちた。
    虎杖は一瞬だけ目を輝かせ、それから慌てたようにスマートフォンを操作し始めた。

    「じゃ、決まり!えっと、店ここだから……あ、服とかってやっぱちゃんとした方がいいのかな」
    「ホテルなら最低限は整えて行け」
    「うわ〜〜〜伏黒連れてくればよかった……」
    「任務中なんだろう」
    「あ、そっか」

    虎杖はけらけら笑うと、スマートフォンの画面をこちらへ向けた。画面には、洗練されたフォントで書かれたホテルのロゴと、集合場所の地図、そして2時間後の時刻が表示されている。

    「じゃあ、あとでここ集合な!遅刻すんなよ、日車!」

    そう言って、まるでこれから遊びに行く中学生のような軽やかさで駆け去っていく背中を見送りながら、俺は小さく息を吐いた。
    彼が去った後の、少し静かになった高専の廊下で、俺は自分のクローゼットにある一番仕立ての良いスーツのシワを伸ばしに行こうと考えながら、踵を返した。

  • 16二次元好きの匿名さん26/05/22 23:54:51

    アフヌンまで時間ギリギリすぎぃ〜もっと早く誘え小僧
    それはそうと付き合うきっかけになった記念?でお土産買ってきたの浮かれててカワイイ
    胸糞注意の落差が今から恐ろしいな…

  • 17二次元好きの匿名さん26/05/23 00:24:26

    日車さん新スレ嬉しい!!
    スレ主は他にもスレ立てされてるのかな?
    文章が丁寧で読みやすい
    続きが楽しみ!

  • 18二次元好きの匿名さん26/05/23 09:30:22

    保守

  • 19二次元好きの匿名さん26/05/23 18:03:04

    ここからどう動くのか楽しみ保守

  • 20二次元好きの匿名さん26/05/23 19:57:35

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん26/05/23 20:36:54

    ホテルのロビーは、高い天井から豪奢なシャンデリアが吊り下がり、足元には毛足の長い絨毯が敷き詰められていた。行き交う人々は皆、洗練された衣服を身に纏い、穏やかな声音で談笑している。
    弁護士時代、嫌というほど足を運んだはずの空間だ。それなのに、今の俺の胸中には、当時とは全く異なる質の緊張が走っていた。

    待ち合わせの柱の陰、約束の5分前。
    そこに、明らかに周囲の空気から浮いている少年が立っていた。

    「……虎杖」

    声をかけると、彼は弾かれたようにこちらを振り向いた。
    その姿を見て、俺は思わず口元を押さえる。

    「あ、日車!早……じゃなくて、良かった、ちゃんと会えて!」

    彼は、彼なりに「最低限は整えて行け」という俺の言葉を忠実に守ったのだろう。普段のパーカーではなく、どこかサイズが合っていない、借り物のようなジャケットを羽織っていた。ネクタイは微妙に歪んでおり、首元が苦しいのか、何度も指で襟ぐりを引っ張っている。
    髪だけはいつもより丁寧にセットされているのが妙に初々しく、この場に懸命に馴染もうとしているのが伝わってきた。

    「どうかな……これ、伏黒のジャケット借りてきたんだけど。やっぱり変か?」

    不安そうに眉を下げて己の袖口を見つめる17歳を前に、俺は小さく息を吐き、彼の前に一歩踏み出した。

    「いや、悪くない。だが、ネクタイが少し曲がっているな。じっとしていろ」
    「え?あ、ごめん……」

  • 22二次元好きの匿名さん26/05/23 20:38:15

    素直に顎を上げる彼の前に立ち、歪んだ結び目に手をかける。
    至近距離。彼の髪から、高専で共用の石鹸の匂いが微かに香った。俺の手が触れる距離に、何の疑いもなくその喉元を晒している少年の無防備さに、ほんの一瞬だけ指先が躊躇う。
    これほどまでに若く、まだ何者にも染まりきっていない命が、呪いという悍ましい世界に身を置いている。その歪さを、彼の体温がダイレクトに伝えてくるようだった。

    「……よし、これでいい」
    「サンキュー、日車!すげえな、一瞬で直った」

    ネクタイを整え終えると、彼は嬉しそうに白い歯を見せて笑った。その屈託のない笑顔が、ホテルの重厚な空気さえも一瞬で軽やかに変えていく。

    「さあ、行こう。予約の時間だろう?」
    「うん!」

    案内されたのは、庭園の緑が一望できる特等席だった。
    運ばれてきた三段のティースタンドには、宝石のように繊細なケーキやスコーン、芸術的なセイボリーが並んでいる。虎杖は「うわ、すげえ!」と目を輝かせ、スマートフォンのカメラを何度も向けていた。

    「日車、これ何から食えばいいんだ?釘崎がなんか『下から食え』とか言ってた気がするんだけど」
    「ああ、基本的には下の段の塩気のあるものから順に食べるのが作法とされているな。だが、あまり気にする必要はない。君の好きなように食べるといい」

    俺がそう言って紅茶に口をつけようとした、その時だった。
    ホテルのスタッフが、俺たちのテーブルの中央に、小さな道具をそっと置いた。

    「紅茶の蒸らし時間を計るためのタイマーでございます。砂が上に昇りきりましたら、飲み頃でございますので」

    スタッフが恭しく一礼して去った後、俺たちは同時にその道具を見つめた。

  • 23二次元好きの匿名さん26/05/23 20:39:25

    テーブルに置かれたのは、透明な樹脂製の小さなタイマーだった。
    砂時計に似ているが、中で動いているのは砂ではない。青い粒子が、気泡のように下から上へとゆっくり浮かび上がっていく。

    「……へえ」

    虎杖が、ティースタンドから目を離し、その不思議なタイマーをじっと覗き込んだ。
    上へ、上へと昇っていく粒子が、彼の琥珀色の瞳に反転して映り込んでいる。

    「面白いな、これ。時間が逆に進んでるみたいだ」

    虎杖はテーブルに肘をつき、下から上へと昇っていく青い粒を、まるでおもちゃを見つけた子供のような瞳で凝視している。その無邪気な横顔を見て、俺の胸の奥の、張り詰めていた何かが小さく緩んだ。

    「逆行、か。……いや、これは比重の軽い粒子が液体の中を浮上しているだけだ。物理的な時間の流れ自体は、我々と同じように進んでいる」
    「うわ、出た。日車のインテリ節」

    虎杖は顔を上げ、からかうようにけらけらと笑った。

    「でもさ、こういうのってなんかワクワクするじゃん?普通は下に落ちるもんだろ?なのに上に行くんだぜ。なんか、法律とか常識とか、そういうのぶっ壊してるみたいでさ」

  • 24二次元好きの匿名さん26/05/23 20:41:03

    「ぶっ壊す、か」

    思わず苦笑が漏れる。法という「絶対のルール」を遵守し、縛られて生きてきた俺の前に、時折こういう規格外の感性を持つ少年の言葉が立ちはだかる。ルールを壊すのではない、初めからその枠組みの外側に立っているような、そんな圧倒的な生命力。

    「……確かに、常識を疑うという意味では、面白いアプローチの道具だな。ロンネフェルトという、ドイツの古い紅茶メーカーのタイマーだ。パラドックスタイマーとも呼ばれている」
    「へえ、パラドックス!名前もなんかかっけえな」

    ひとしきりタイマーを眺めて満足したのか、虎杖は「よし!」と小さく拳を握り、目の前の三段スタンドへ視線を戻した。

    「じゃ、釘崎の教えに従って、一番下からいただくわ!日車も食おうぜ。これ、美味そう」

    彼が最初に手を伸ばしたのは、小さなクロワッサンにサーモンが挟まれたセイボリーだった。口いっぱいに頬張り、美味そうに目を細める姿は、高級ホテルのラウンジという空間にはこれ以上ないほど不釣り合いで、同時に、これ以上ないほど幸福な絵面に見えた。

    「んー! 美味い!日車、これマジで美味いよ!」
    「そうか。それは良かった」
    「日車も早く食いなよ。ほら、そのスコーンってやつとか?固くなる前にさ」

    促されるまま、俺も手近にあったサンドイッチを手に取る。

  • 25二次元好きの匿名さん26/05/23 20:44:04

    弁護士時代、あの女性とここへ来た時は、書類の山や明日の弁論のことばかりが頭を巡り、紅茶の味も、食事の味も、ほとんど記憶に残らなかった。

    だが、今は違う。
    目の前で美味そうに、実に見事に次々と皿を空けていく少年の姿を眺めているだけで、ただの紅茶が、ただの軽食が、妙に鮮やかな味を持って俺の五感に染み渡っていくのが分かった。

    「……美味いな」
    「だろ!あー、マジで来て良かったわ。最初は日車を誘うの、ちょっと緊張したんだけどさ」

    紅茶を飲み干した虎杖が、ふと、そんなことを呟いた。

    「緊張?」
    「だってさ、日車っていつも難しそうな顔して本読んでるし。俺みたいなガキと飯食っても、つまんねえかなって」

    彼は少し照れくさそうに頭を掻きながら、けれど真っ直ぐに俺の目を見つめてくる。

    「でも、付き合ってくれて嬉しかった。ありがとな、日車」

    打算のない、純粋な感謝の言葉。
    その言葉が、俺の胸の砂時計をひっくり返したかのように、ドク、と激しい鼓動を刻ませた。三十路を過ぎて、今さら十代の少年の言葉ひとつに、これほど心が揺さぶられるなど思いもしなかった。

    「……いや。俺の方こそ、良い気分転換になった。誘ってくれて感謝している」

    俺は、自分の声がわずかに上擦らないよう、細心の注意を払ってカップを口元へ運んだ。

  • 26二次元好きの匿名さん26/05/24 00:40:24

    パラドックスタイマー確かに不思議な感じだもんな
    これきっかけってなんだろ。何日もループするとか?

  • 27二次元好きの匿名さん26/05/24 00:46:50

    時系列が気になるな…
    「呪いの渦中」ってことはまだ宿儺が虎杖の中にいる?
    それとも単に高専生だということを示しているだけで、今は本編終了後なのか?

  • 28二次元好きの匿名さん26/05/24 01:53:59

    ※本当に注意ですがこのスレのテーマは「一緒に年を取ること」です
    ※途中から「え?」 ってなります
    ※胸糞展開注意に偽りなし読後感保証なしです
    ※レスを見て展開を変えることもありますが大筋は変わりません
    ※考察感想大歓迎なのでお願いします

  • 29二次元好きの匿名さん26/05/24 02:02:59

    動画化禁止を明言してほしい

  • 30二次元好きの匿名さん26/05/24 11:07:16

    早めの保守

  • 31二次元好きの匿名さん26/05/24 17:38:12

    >>29

    これ

    スレ主本当に頼む今からでも遅くない

    頼む…

  • 32二次元好きの匿名さん26/05/24 18:05:27

    いちいち明言されなくてもこういうSSは基本NGっしょ
    飛び抜けたアホはどこにでもいるもんだから明言するのもいいかもしれないけど

  • 33二次元好きの匿名さん26/05/24 20:01:28

    あにまんのスレは無条件で動画化転載されても仕方ないって認識の人らもいる
    言わなくてもわかるでしょは通じない

  • 34二次元好きの匿名さん26/05/24 22:26:43

    【!】人を選ぶ内容のため当スレの動画化は禁止させて頂きます【!】

  • 35二次元好きの匿名さん26/05/24 22:39:14

    贅沢な時間は瞬く間に過ぎ、ホテルの外に出ると、午後特有の少しぬるい風が俺たちの頬を撫でた。
    虎杖は慣れないネクタイとシャツの首元をパタパタと仰ぎながら、駅へと続く並木道を俺と並んで歩いている。

    「あー食った食った!釘崎にお土産の写真送ったら、めちゃくちゃ呪詛のスタンプ返ってきたわ」
    「それは災難だったな」

    笑い合いながら歩いていると、虎杖がふと思い出したように、ぽつりと言った。

    「そういや、あの青い砂時計。あれ、どっかで売ってないのかな」
    「……パラドックスタイマーか?なんでだ?」
    「いや、なんかさ。見ててすげえ綺麗だったから」

    ただ綺麗だったから、という極めてシンプルな理由だった。けれど、あの子がそれを気に入ったという事実が、俺の心のどこかを妙に刺激する。

    「……あれは公式ではほぼソールドアウト状態で、今から買いたいなら転売されるのを待つしかないだろうな」
    「マジ!?あんなちっちゃいのにレア物なのかよ」

    本当に残念そうに、虎杖が眉を下げた。その顔を見ていたら、口を突いて出る言葉を止めることができなかった。

  • 36二次元好きの匿名さん26/05/24 22:40:35

    「……だが、俺はあれを持っている。やろうか?」
    「え?!なんで持ってんの?!」

    虎杖が驚愕したように目を丸くして俺を凝視する。

    「過去の遺産というやつだ」

    元彼女に連れて行かれた際、半ば義務のように買わされたものが、今も自宅の棚の隅で埃を被っている。まさかこんなところで、その存在意義を見出すことになるとは思いもしなかった。

    「いや、貰うのは申し訳ないって!俺、たまに眺めたいなーって思っただけだし」

    遠慮する虎杖に、俺はほんの少しだけ意地悪く、けれど本心を隠すように声を低くした。

    「なら、俺の部屋で紅茶を淹れよう。今日出た紅茶とは違うものになるが」
    「え、紅茶ってなんか種類あんの?」
    「……そこからか」

    呆れたように息を吐きながらも、俺の胸の内には、彼を自分の空間へ招き入れるという新たな口実への、ささやかな高鳴りが生じていた。

    「よし、じゃあ次は日車の部屋で紅茶な!約束だぞ」

    虎杖が嬉しそうに笑う。
    並んで歩く俺たちの影が、夕暮れの街路樹に長く伸びていた。

  • 37二次元好きの匿名さん26/05/24 23:52:12

    ほっこりした期待で二人を眺めてるけど、予告された「胸糞」が脳裏をかすめてしまう…
    どうなっちゃうんだ

  • 38二次元好きの匿名さん26/05/25 03:17:12

    なるほどここでパラドックスタイマー出てくるのかって思いながらも>>1から既に怪しいしどう転んだら胸糞展開になるのか分からなすぎてドキドキする

  • 39二次元好きの匿名さん26/05/25 09:36:15

    カチャリ、と微かな音がして、俺の意識は現実へと引き戻された。
    ダージリンを淹れるために計っていたが、下から上へと昇りきった青い粒子は、いつの間にか動きを止め、タイマーの最上部を静かに満たしている。

    「……そういえば」

    ポットを押さえたまま、俺はふと思考を巡らせた。
    悠仁に紅茶を、最近淹れていないな。
    なぜだろう。あんなに毎日のように「日車、今日もあの美味いお茶淹れてよ」とねだっていたはずなのに。最近の記憶を探っても、彼と向かい合って温かいカップを傾けた光景が、どうにも朧げで思い出せない。
    何故淹れていないんだ?
    ……ああ、そうか。お互いに任務が立て込んでいて、忙しかったんだったか。
    高専の術師というものは、常に何かしらの案件に追われている。彼ほどの駒となればなおさらだ。すれ違いが続くのも、仕方のないこと。
    そう自分を納得させ、俺は新しく沸いた湯をポットへと注ぎ入れた。
    湯気の向こうで、白葡萄に似た繊細な香りが静かにほどけていく。

    「……そういえば、最初に彼に飲ませたのも、このダージリンだったな」

    立ち上る湯気の向こう側、あの約束の日、本当に俺の部屋のドアを叩いた少年の笑顔が、鮮やかによみがえってきた。

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