<主張>ナフサの供給 政府は不安解消に全力を

社説

ナフサの不足を受け、白と黒の2色に変更されたカルビー「ポテトチップス」の包装(右)と従来の商品=5月14日、東京都内

ホルムズ海峡の封鎖が長期化していることで、ナフサの供給に不安が広がっている。

ナフサは、プラスチックや印刷用インキなど、さまざまな素材の原料になる。供給が不安定になっていることで、幅広い製品に影響が出始めている。

高市早苗首相は、ナフサ由来の化学製品の供給について「年を越えて供給を継続できる」と繰り返し表明している。それでも供給不安が生じている理由について、政府は企業が必要量以上に発注したり、原料は足りているのに出荷量を減らしたりして流通段階の目詰まりが生じているためだとみている。

企業からの相談を受け、政府はその解消に努めているが、影響は続いている。供給不安の解消には、業界団体と連携するなどして、より正確に実態を把握することが重要になる。

政府は27日に食品メーカーや小売り、外食の業界団体と食品包装容器に関する意見交換の会合を開くが、こうした機会を通じて、官民間で状況認識のギャップを埋め、不安解消に全力を挙げてもらいたい。

ナフサは国内消費量の4割が国内で原油から精製される一方、中東からも4割超が輸入されていた。ナフサを精製するための原油も中東からの輸入が多くを占める。ホルムズ海峡の封鎖で中東産の原油、ナフサの輸入が急減したことが供給不安の要因となっている。

全国の建設塗装業者でつくる日本塗装工業会が先月行ったアンケートでは、塗料の希釈に使うシンナーについて「手に入らない」「数量制限がある」と回答した会員企業が計97.3%に上った。建築資材の供給不安から、新築マンションの引き渡しが遅れる懸念も生じている。

包装デザインの簡素化に乗り出す食品大手が相次いでいるほか、自治体指定のごみ袋など生活に身近な製品でも品薄になっているものが出てきている。政府は生活不安が生じないよう、これまで以上の危機感をもって対策を講じる必要がある。

ホルムズ海峡の安全な航行がいつになるかは見通すことができず、化学メーカーはナフサの調達先を中東以外に広げて確保に努めている。供給不安の解消には、何よりナフサの確保が重要となる。資源国との交渉など調達に関しても最大限の政府支援が求められる。

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