移民受け入れ促進、「誤情報」なのかは要検証 JICA「ホームタウン構想」白紙撤回へ

国際協力機構 JICA ホームタウン 本部 建物 外観
国際協力機構(JICA)の本部が入るビル=東京都千代田区二番町(渡辺浩撮影)

国際協力機構(JICA)が白紙撤回する方向で調整に入ったアフリカ諸国との人的交流事業「ホームタウン構想」を巡っては、移民受け入れの促進につながると懸念の声が上がり、東京都内のJICA本部ビル前で抗議デモが行われた。JICAや政府は「移民促進は誤情報」としているが、地方には少子高齢化に伴う課題の解決策として期待を寄せる自治体もあり、なお議論がありそうだ。

JICAの構想では、山形県長井市がタンザニア、千葉県木更津市がナイジェリア、新潟県三条市がガーナ、愛媛県今治市がモザンビークのホームタウンとされてきた。4市の市長に対し、JICAの宮崎桂副理事長は第9回アフリカ開発会議(TICAD)に合わせて横浜市で開かれた8月21日の会合で、認定状を交付していた。

これを受けて、ナイジェリア政府は「日本が特別なビザ(査証)を創設する」と発表。一部の現地メディアが、日本のホームタウンが移住先であるかのように伝え、後に訂正する騒動となった。

林芳正官房長官は今月16日の閣議後会見で、ホームタウン構想について「JICA研修事業などを通じたインターン生の受け入れを想定しているが、この研修は期限付きで、研修終了後は出身国への帰国を前提としており、移民の受け入れ促進ではない」と説明した。

ただ、日本の外国人受け入れを巡っては、技能実習生が相次いで行方不明になったり、難民申請を繰り返して長期滞在する就労者が事実上の移民となったりして、問題視されている。

また、モザンビークのホームタウンと認定されている今治市は、プレスリリースに「今治市においても、人口減少と高齢化が進む地域課題の解決に向けて、若い労働人口の雇用確保といったモザンビークが抱える課題との相互解決を目指して」と記し、将来的に人口減少対策につなげる趣旨の説明をしている。受け入れ自治体や相手国の思惑と、JICAや政府の説明には隔たりがあるともいえる状況で、検証が求められる。(渡辺浩)

アフリカの「ホームタウン」に長井、木更津、三条、今治の4市 「移住先では」懸念の声

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