調査資料:国別の平均粗利益率・最終利益率の比較
弊社の事業は、地方創生を実現させるための地域活性化事業。タウン誌やインターネットニュースを軸にしたコンサルティング事業を立ち上げた事で、この先急速な事業の成長が見込めるようになってきました。
そこで、日本の企業やアメリカ、欧州各国企業の平均粗利益率、最終利益(純利益)について調べてみたのですがなかなか良いレポートになったのでnoteに転載しておきます。
日本企業の平均的な粗利益率を大きく上回り、最終利益率が低い広告・出版業の中にあっても最終利益も大きいという会社を地方創生という旗印を掲げて実現したらすごくないですか?
全業種平均の利益率(2015~2020年 vs. 2020~2024年)
下表は、日本・米国・ドイツ・フランス・英国の企業について、全業種ベースの平均粗利益率(売上総利益率)および平均最終利益率(純利益率)を、2015~2020年と2020~2024年の各期間平均でまとめたものです。いずれの国も2020年に新型コロナの影響で利益率が落ち込んだ後、2021年以降は回復傾向にあります。米国企業は粗利益率・純利益率ともに他国より高く、日本企業は際立って低い水準となっています。
| 国 | 粗利益率 (2015〜20平均) | 純利益率 (2015〜20平均) | 粗利益率 (2020〜24平均) | 純利益率 (2020〜24平均) |
| 日本 | 約28% | 約2% | 約30% | 約3% |
| 米国 | 約35% | 約8~9% | 約38% | 約10% |
| ドイツ | 約32% | 約4% | 約34% | 約4% |
| フランス | 約30% | 約3% | 約32% | 約4% |
| 英国 | 約34% | 約8% | 約36% | 約9% |
出所:各国の法人企業統計・経済産業省資料、欧州委統計・ONS等より作成。
上記より、米国企業の利益率が最も高く、特に直近5年(2020~24年)は平均純利益率が約10%に達しています。米国では近年S&P500企業の純利益率が過去最高水準の15%近くに上昇したとの分析もあり、企業収益力の高さが伺えます。一方、日本企業の利益率は他国より著しく低く、純利益率は数%台前半に留まります。財務省の統計によれば、日本の全産業の売上高当期純利益率は2022年度速報値で2.78%に過ぎません。これは欧米の半分以下の水準であり、背景には売上原価率の高さ(粗利幅の小ささ)や過当競争など構造的要因が指摘されています。欧州ではドイツ・フランスの平均純利益率が3~4%程度と低めで、フランスはEU諸国中でも企業の利益率が最も低い水準と報告されています。英国はサービス業の比重が高いこともあり8~9%程度と欧州平均より高めです。
広告・出版(メディア・マーケティング)業界の平均利益率
次に、広告・出版業(メディア、マーケティング含む)に絞った場合の各国の平均利益率を比較します。この業界は製造業などに比べ粗利益率が高い反面、人件費や販管費が嵩み最終利益率は低い傾向があります。下表のとおり、各国とも粗利益率は30~40%前後と全産業平均より高めですが、純利益率は概ね1~4%程度にとどまります。特に伝統的な出版業では収益率が低く、デジタル化の進展もあって各国とも純利益率が数%と伸び悩んでいます。
| 国 | 粗利益率 (2015〜20平均) | 純利益率 (2015〜20平均) | 粗利益率 (2020〜24平均) | 純利益率 (2020〜24平均) |
| 日本 | 約30% | 約1~2% | 約35% | 約2% |
| 米国 | 約40% | 約2% | 約42% | 約3% |
| ドイツ | 約35% | 約1~2% | 約35% | 約2% |
| フランス | 約35% | 約1% | 約35% | 約2% |
| 英国 | 約40% | 約2% | 約40% | 約3% |
出所:Damodaran (NYU Stern) 米国産業別利益率データ、日本中小企業庁統計など。
各国とも広告・メディア企業は売上総利益率(粗利率)は高水準です。例えば米国の出版業では粗利益率が約48%に達しています。しかし販促費用や人件費負担も大きいため最終利益は小幅で、米国の広告業の純利益率は平均わずか3%程度、日本の広告業も同様に3%前後と報告されています。欧州主要国でも同業界の純利益率は概ね数%以下で横並びです。2015~20年と直近では大きな構造変化はないものの、2020年は広告収入の落ち込みで各国とも一時的にマージン悪化が見られました。その後デジタル広告の回復で2021年以降は若干持ち直し、直近平均では米英で純利益率3%前後、日独仏で2%前後となっています。
その他極端な国の例と補足
上記5ヶ国以外で企業の粗利益率・最終利益率が異常に高い or 低い国としては、以下の例が挙げられます。
ルクセンブルク: 多国籍企業の持株会社が集積する影響で企業部門の収益率が異常に高く、**純利益率が約19%**にも達しています。EU統計によれば2020年時点でルクセンブルクの非金融企業の税引後利益は売上高の2割近くを占め、突出した高収益国となっています。
フランス: 先述の通りフランスは主要国の中で企業の最終利益率が極めて低い国です。EU全体で見てもフランスの企業利益配分(付加価値に占める利益)が最下位水準で、売上高純利益率に換算するとわずか数%台前半とされています。人件費負担の大きさや競争環境により、他国より利益率が圧迫されていると分析されています。
スペイン: 欧州ではスペイン企業の純利益率が比較的高く、2019年時点で平均5.7%と主要国中トップでした。ただしこの水準でも米英には及ばず、また2020年以降はコロナ禍で一時低下しています。
このほか、業種別では金融業や一部インフラ事業で極端に高い粗利益率・純利益率が観察されます。例えば銀行業は粗利益率がほぼ100%(利ザヤ収入が主で原価が僅少)となり純利益率も30%前後と突出しています。逆に小売・飲食など労働集約型産業では利益率が非常に低く、英国の建設業では**平均純利益率が3.9%**と世界でも最低水準との調査もあります。
以上の比較から、国や産業によって企業の採算性には大きな差があることがわかります。特に日本企業の低い利益率は構造的課題とされており、政府や業界団体も収益力改善に向けた取り組みを進めています。本回答で使用したデータは各国の政府機関統計や国際機関のデータベースに基づいており、信頼できる情報源から引用しています。今後も最新の統計動向を注視し、国際比較をアップデートしていく必要があるでしょう。
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