男系男子継承は「側室がなければ無理」。いや、そうではなくて、皇族同士の婚姻がなければ「女帝・女系継承は無理」なのである
「週刊文春」最新号(5月28日号)が「女性・女系天皇」緊急アンケートの結果を発表している。回答者は2.5万人という。
狂喜する女系継承容認派
で、「男系の男子」に限定する現行の皇位継承法について、「皇紀2686年の正統性がある」「側室なければ無理」という意見があることを伝えているのだが、気の早い女系派は、Xなどで、「88.9%が女系天皇賛成。93%が女性天皇賛成。日本人の民意は、陛下と共にある!」と鬼の首を取ったかのように、はしゃいでいる。
しかし冷静な国民というのがいるもので、「このアンケートは、無作為に選ばれた人が回答しているわけではないから、民意をあらわせるものではないことは分かってて、言ってますよね」とたしなめている。
記事は、「憲法は、天皇の地位を『日本国民の総意に基く』と規定するが、果たして、『男系男子に限る』のは今の国民の総意なのか?」と問いかける。だが、無作為抽出ではないアンケート結果で、「国民の総意」は正確に示されるのかどうか。「国民の総意」の解釈はそれほど単純ではない。
いずれまた詳しく書こうと思うが、女系・双系派は古代に双系継承が一般的だったかのように主張している。少なくとも私には、あまり科学的とも思えない。当時の「双系継承」は皇族同士の婚姻が前提だったことが軽視されているように思われてならない。
たとえば元正天皇はその典型だろう。父・草壁皇子も母・元明天皇もそもそも皇族であった。しかし皇位を継いだ元正天皇は、生涯、独身を貫かれた。次代への継承を可能とする継承とはいえない。これでは「王朝の支配」は成り立たない。
「男系男子継承」を規定したのは、明治22年の皇室典範である。その前提として、終身在位制の採用があったことを指摘する必要があると思う。西欧の王室に学んだ結果であろう。もし終身在位制のもとで女帝の継承を認め、女帝が独身を貫かれたなら、「側室なければ無理」どころではない。女子の継承が否認される道理である。
つまり、女帝否認と終身在位制はセットなのである。もしどうしても女帝を容認するのなら、終身在位制を廃止し、譲位が公認されなければならない。すでに先帝陛下の前例がある。
大和言葉が意味する「ち」
それにしてもである。週刊文春が大々的なアンケートを実施するほど、皇位継承問題に深い関心を抱くのはさすがであるが、であれば、なぜ皇位は男系主義なのか、学問的に、国民に分かりやすく掘り下げてほしい。少なくとも私は、whyの説明を読んだことがない。whyを説明しないから混乱が続くのである。
最後に蛇足ながら、「血のつながり」についての豆知識を披瀝したい。英語圏の「father」「mother」は、赤ん坊が発する喃語が元になっている。日本語の場合も、「母」の場合は喃語が語源という。しかし「父」は違う。「パパ」「ママ」は世界共通なのに、「父」だけは異なる。
以前、雑誌「正論」に書いたが、大和言葉の「チ」は「相互につなぐもの」を意味すると説明される。「血=チ」は親から子に続き、「父=チチ」は血統が続いていく。道は二つの土地を地理的につなぎ、血は親と子の生命を世代的に結んでいる。
日本語の「父」が全国共通であることは、方言学からも裏付けられる。つまり、日本人は古来、父系継承をもって「血のつながり」と理解してきたのである。いまさらなぜそれを変更しなければならないのか、2000年以上も紡がれてきた皇室の男系継承は世界の奇跡だろうに。


コメント