予算の使い方を正解して間違った結果、ギリギリ救われてる飛行機サメ映画。38点。
州知事の娘とイケ好かない友人たち、祖父母と旅行中のガッキ、イケメン搭乗員らは飛行機でブーンと移動中にバードストライクからエンジンが炎上、爆発、破片により機体が損傷、次々と投げ出される乗員、そしてコントロールを失った船は海面に墜落。機体の形を保ってはいるも海底に沈んでしまった飛行機内でたまたま密閉空間に残された彼女たち。さらには悪いことが重なって……
みたいな話。
水中に沈んだ客室?を潜ってボンベとかを取りに行くシーンがあるんだけどさ。こう、なんとかして客を直接は映さないように工夫しながらも、その中でガッキの祖父というある程度重要なキャラだからしっかり映すんだけどさ。めっちゃ人形なのよ。もう一目で人形!ってわかるくらいに人形で、予算なかったんやろなぁってなっちゃう。
でもこの映画、予算のなさをカメラワークや脚本術でなんとか補いつつ、ここや!ここに全部かけるんや!とばかりに飛行機事故のシーンに全振りしている。バードストライクでエンジンが火を噴き、破片が飛び、一瞬間があって機体に突き刺さるっていうのを機内から見せるのは臨場感があっていいし、刺さった……からの気圧でバコーンって壁が抜けて阿鼻叫喚、乗客が次々と外に放り出されていくのを一人ひとりちゃんとそれに抗う形で描かれ、そして最終的に海に墜落し、水の抵抗で座席はなぎ倒されそれに挟まれて死亡する人たち。
ここは本当にちゃんと頑張って撮られていて英断やなぁと思った。このシーンだけはある程度見る価値ある。
で、まぁ、ここから海底の密室からの脱出劇になると見せかけて、みんな大好きサメさんが現れ、これサメ映画じゃねーか!となる。
ただ、これちょっと気になったんだけどさ。これ飛行機の機内の話なんよ。飛行機って通路クソ狭いじゃん。サメさんは通路を行ったり来たりしてるんだけど、いや、そんなスペースなくね?仮にスペース足りてるとしたら今度はサイズが足りてなくね?考えすぎ?
で、たぶんここでサメ映画に振ったことで密室でのパニック劇の面を切り捨てたのか、残ったのが市長の娘、いけ好かないその友人2名、搭乗員、ガッキ、その祖母に絞った結果、サバイバーの間でのイデオロギーの対立みたいな奴がほとんど起きない。つまりまぁ何て言うか、友人2人がイケ好かないのでなんかギャーギャー言うてはいるんだが本格的なギスギスは発生せずにドラマが少ない。あと人数を絞りすぎた結果、グループ内で行動方針をめぐって分断が起きて、一方が生贄になる形での脱出試行錯誤、みたいなのも起きない。
ドラマの少なさで行くと成長もない。まぁそんなもん求めてサメ映画見るなよって言われるとそうなんだけど、知事の娘っていう珍しめの人物を出したんならそこから発生する葛藤とかドラマがあってほしいけど、こいつ、最初はイライラしてガッキにきつく当たったりするんだけど秒で改心してすぐにガッキに優しくして仲良くなって沈没してからもリーダーシップを発揮しだすから、なんか物足りないなぁって感じになっちゃう。
そして最後、助けが来るもそいつらまでサメに食われて、飛行機は海底の更に谷に落ちそうってなって、わーった!もう無理や!脱出や!息止めて泳げばいけるやろ!っていう、ほんまにそうか?みたいな感じになっていく。そこで、ガッキの祖母が「3人でよく旅行したよね。おじいちゃんが前でお前がその後ろ、そして私はその後ろを歩いてた。今回もそうしよう」とガッキに後ろから行くから安心しろ、と勇気づける。
あぁんフラグすぎる。このばあちゃん、自分を犠牲にしてサメの足止めとかするんやろなぁグスンと思って見てたら、なんかババア、最初にいた、しかしどんどん水が入ってくる空間に残って、くぅ~疲れました!みたいな感じでリラックスモードに入ってしまう。
いや、なにしてんの?仮にババアのワシは水面まで体力が持たんのよ、という感じだったとしてもなんかいい感じの伏線はるとか、わかるように演出せぇ。もしくはなんかいい感じの自己犠牲を用意したれよ。単なる諦めたババアやんけ。
そしてその後、水中を行くイケ好かないズの一人が急に振り返ってきた道を戻り出す。お前、いけ好かない奴だったけどババアの不在に気付いて助けに行ったんか!?まさか、諦めたババアを冷笑系若者が助ける胸熱展開来るんか?と思って見てるが、しかし元居た場所にはドアがあって閉まってる。必死に叩くイケ好かない奴。そんなに必死にババアのことを!
水面に顔を出して「やっぱり俺には無理だ!!!できない!!」 ヘタレてただけかい!で、サメに食べられて死ぬ。乙。
で、なんか、主人公が最後、サメに正面から出くわすんだけど息殺してフリーズしてたら気付かれずに逃げおおせました終り。
飛行機墜落シーンに全予算突っ込んだんかもしれんけど、脚本家を雇うための金も残しといたほうがよかったと思う。申し訳ないけどちょっと真剣に仕事として書いた脚本とは思えない。ここにもうちょっと金をかけるべきだったと思う。サメ映画じゃんって言われたらそれはそうなんだけどさ。だったらサメのと決着は期待したかったわね。
まぁそんな感じかな。
とりあえず飛行機事故のシーンに予算を全振りした結果、映画として見るべきシーンがちゃんとあるという最低限のハードルはクリアできてはいるんだけど、そこで金を使い果たした結果、脚本はたぶんなんかその辺歩いてた人にお願いしたんだと思うんだけど映画としてちょっとこれはどうなのかなって感じの出来になっちゃってると思う。