大手チェーンが「町中華」に続々参入。日高屋とは違う、新業態が増える理由 #エキスパートトピ
近年、大手外食チェーンの間で「町中華」を掲げた新業態が目立ち始めています。イートアンドの「新御茶ノ水 萬龍」や、物語コーポレーションの「町中華 丸福飯店」、コロワイドの「甘太郎食堂」などがその代表例です。
ここで重要なのは、日高屋や福しんのような既存の大衆中華チェーンとは、狙っている市場や出店の意味合いが異なる点です。コスト高、人手不足、出店余地の縮小、集客難といった課題に対し、町中華という業態が一つの解決策になり得るからこそ、いま大手チェーンから注目されているのです。その背景にある5つの理由を解説します。
ココがポイント
物語コーポ、低価格・町中華「丸福飯店」を投入 節約志向層を狙う
出典:フードリンクニュース 2026/2/26(木)
横浜・馬車道に30日「甘太郎食堂」オープン 新業態の中華料理店
出典:カナロコ by 神奈川新聞 2026/3/26(木)
老舗の「町中華」ブームなどもあり、近年の倒産件数は他業種と比べて低水準だったものの、今年は一転して増加傾向にある
出典:AERA DIGITAL(アエラデジタル) 2025/11/19(水)
テックマジック、大阪王将に炒めロボ納入 職人レベルで20種調理
出典:日刊工業新聞電子版 2023/10/3(火)
エキスパートの補足・見解
一つ目は、立地の自由度です。大型ロードサイド物件や都市部の物件獲得競争が激しく、家賃も上がる中、町中華は必ずしも一等地や大型物件に頼らなくても成立しやすい業態です。住宅地や生活動線など、駅から少し外れた場所でも日常利用を取り込むことができます。
二つ目は、客層の広さです。多彩なメニューで一人客から家族連れ、高齢者、会社員まで幅広く集客でき、老若男女に愛される点は外食チェーンにとって大きな魅力です。
三つ目は、昼夜を問わず売上を作りやすい点です。昼のランチだけでなく、夜は一品料理での軽い飲み需要にも対応でき、一つの箱で食事と酒場の両方を担えます。
四つ目は、厨房テックとの相性です。かつては職人技への依存が高くチェーン化が難しかったですが、調理ロボットの進化で品質の再現や少人数での省人化運営が可能になりました。
五つ目は、店で食べる理由になるライブ感です。油の音や湯気、カウンター越しの臨場感は、飲食店ならではの体験価値になります。
個人経営の町中華が高齢化で減る一方、そこに大きな需要は残っています。その受け皿を大手チェーンが取り込み始めている今回の動きは、外食企業の出店・収益戦略と深く結びついた潮流といえるでしょう。