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ただの小僧だなんていつ言いました?【非日常に慣れすぎました】/Novel by ヤミー隊長

ただの小僧だなんていつ言いました?【非日常に慣れすぎました】

7,698 character(s)15 mins

ちょっと黒いぐだ男かもしれない。
でも後悔はしてません!
読んでやるかという軽い感じで読んで下さい。

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これらの結果を頂くことが出来ました。
コメント、いいね、ブクマありがとうございます。

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日本―――立香は久しぶりの故郷に、進む足を止めた。そして周りを何気なしに見る。
サラリーマンは忙しそうに働いている。女子高生たちは楽しそうにショッピングをしている。ママさんとも呼べる女性は笑顔でおしゃべりしている。男子高生たちは部活に精を出している。前まで当たり前だった日常をようやく見ることが出来た立香は、本当に人理修復したんだなと、まるで他人事のように思った。
立香は大きいキャリーバックを引きずって、某ハンバーガー店に入る。自分が好きだったハンバーガーを注文すると、ガラス張りの窓側の席に座る。外には人だらけで、平和だなぁと立香はハンバーガーを齧る。

前まで藤丸立香は「人類最後のマスター」だった。アルバイトとしてカルデアに来たつもりが、神様のいたずらとも言うべきなのか、うっかりとマスターなんてものになった。それだけならまだ笑い話で済むのだが、あろうことかその時、人類が絶滅しかけた。魔術師が48人いたにも関わらず自分だけが無事生き残ってしまったのだ。それから藤丸立香の冒険が始まった。

大地を歩いた。砂漠を歩いた。山を登った。城へ入った。
海へ渡った。洞窟へ入った。空を飛んだ。
走って、躓いて、転んで、怪我して、立ち上がって。
笑って、泣いて、挫いて、絶望して、前を向いて。

今でも、怒涛の冒険だったと思う。だがそれと同時に奇跡のようにも思える。
まるで夏の夜にオーロラが出てくるような、雪が降る日にヒマワリ畑が一面に咲くような、そんなあり得ない素晴らしい奇跡を立香は体験した。苦楽全てをひっくるめ、立香にとっては宝物だ。
特に英霊たちと出会えた事は、今までとこれからの運を全部使い果たしたんじゃないかと思う。我が強い者たちばかりで大変ではあったがそんな彼らと過ごす毎日は楽しかった。

――そんな彼らとこんな形で別れるなんてな、と立香は自分の右手の甲を見る。
そこにいつもあったはずの令呪は今は跡形もなく綺麗さっぱり消えてしまっている。

サーヴァントたちとの別れは、本当に唐突だった。
魔術協会のお偉方が来たかと思えばもう用済みだと言われ日本に帰された。その場にいた英霊たちは何故か強制送還されてしまった。あの時は頭が混乱していたから何も考えられなかったが、もしかしたら魔術協会も魔術協会で何か秘密兵器があったのかもしれないなと今さらながら思う。
でなければ、いくら名誉ある魔術家が自分の支配下でやっていたとしても、サーヴァントと一緒に行動できると言う時点で安心は出来まい。

そこまで考えてから立香はため息を吐いた。
今さらあーだこーだと考えても立香は魔術界から追放されてしまった身。
一応動けなくなった英霊たちには「絶対に戻ってくるから待ってて」と言ったものの、どうやって再会するか。少なくとも今の自分にはツテが無い。

立香はハンバーガーを食べ終わって、ドリンクを飲む。
日本に帰ってから一応家族に会ったものの、独り身だった母にはいつの間にか男と出来ていた。母はいつも自分にかかりきりだったから、女としての幸せをなかなかつかめなかった。ようやく自分の人生を歩めたのかと思うと、乱入するわけにはいかなかった。つまり立香は事実独りになった。
幸いにも魔術協会は金だけは多く支援してくれたので、今の所お金について困る事は無いが、それでもいずれは限界が来る。今まで旅して来た分、野外で寝るなど慣れているが、それだとこの日本では警察が介入してくる。海外に行く手も考えたが、お金を一気に使う事は控えたい。
さてどうしようかと考えている間に、ドリンクも飲み終えてしまう。

まずは生き延びる事だ。
どこかアルバイトとして雇ってもらうか?
いや、まずは住む場所を探さなければ。
でも高校生の分際で住む部屋を貸してくれるか?
境遇が境遇だ。偽る事も出来るが、うまくできる自信もない。

立香はまたため息を吐いた。

・・・・・・それにしても変だな、と立香は思う。
さっきから自分に視線が集中している気がしてならないのだ。自意識過剰なだけかと考えていたが、どうもそうではないらしい。男性からも女性からも向けられるとは、自分が何かしたのだろうか。
大きめのキャリーバックを持っているが、それだけで注目を浴びるとは思えない。
まだ居座りたかったが、こうも注目を浴びてしまうんじゃ仕方ない。出て行こうと立香が荷物を手に取った時だった。


「ね、ねぇ君!! ちょっとお話したいんだけどいいかな!?」


なにやら眼鏡を掛けた、いかにも新米社員ですとでもいった男が、何故か興奮状態で話しかけてきた。
悪いがやることがあるからと先に店を出ようとするも、その新米社員ぽそうな男は待って待ってと止めてくる。なんなんだと思っていると、男は名刺を出してきた。その名刺を立香は手に取って読む。すると誰もが知っている会社の名前が印刷されているのを見つけた立香は、思わずその男と名刺を交互に見る。
それに男は良かったと安堵する。


「うちの会社、知ってるんだね。嬉しいよ」
「・・・・・・なんでこんな大手が、俺に。誘うなら別の良い人がいますよ」
「君、気づいてないのかい!!?」


男は嘘だろと言わんばかりに目を丸くする。
そこでやっと立香はその視線の意味を知る。
あの英霊たちと一緒にいた影響がこんな形に出る事なんてあるのだろうか。
そんなことを悶々と考えていると、男はキャリーバックに目を向けた。


「も、もしかして・・・旅行者だった?」
「いえ、ちょっと訳アリで・・・・・・行く当てがなかったもので。良かったら、詳しく話を聞かせてもらえませんか?」


立香の言葉に、男はパッと顔を明るくする。
立香の二度目の人生がスタートした瞬間だった。

Comments

  • たき
    August 10, 2024
  • こ ね
    January 18, 2024
  • you

    これ後に「自分を追放した協会に資金援助するRIN様マジで神」とかSNSに書きこむ奴出て大騒ぎになりそうww

    June 18, 2022
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