サーヴァント・藤丸立香
こんばんは、スズタニです。
タイトル通りの作品です
Fateアポクリファの世界線で、父親を亡くしたオルガマリーが、サーヴァントとしてぐだ男を召喚するっていう話のさわりだけです。
前回より誤字脱字ひといです
というかこのキャプションも半分寝ながら打っているので駄文ひどいです。
捏造等ありますのでご注意を
3月16日、修正と追加をしました
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信じられない、信じられない、信じられない!!
「ハァッハァッ、なんで、私ばっかり、こんな目に合うのよ〜!!」
森の中を少女が駆け抜けながら叫ぶ。背後には槍やら剣やらを持った、生気の感じられない人間のようなものが少女を追いかける。
「あぁ、もう、きりがないわ!」
癖のある銀髪を持った少女は追いかけてくる何かに向き直った。
「これでも食らいなさいっ!」
袖の中に隠し持っていた石を投げ、その石めがけて指を指した。指を指し、魔力を込める。一般的には行儀の悪い、と言われる行動だが、ただそれだけで成り立つ魔術というものが存在する。それは、時に竜牙兵と呼ばれるものでさえも砕く。その魔術の名は、
「ガンド!!」
少女は石にガンドを当てる。一発一発の威力は小さいものの、石に当てる精度はなかなかのものである。ガンドの当たった石たちは一瞬発光したかと思うと、四方八方へ飛び散った。
「っ!?」
「こっ、これは…」
飛び散った石は追跡者たちを取り囲んだ。表情は薄いものの、その顔には確かに困惑が見られていた。少女は差し出した手を下げることなく、得意げに笑う。
「あなたたちホムンクルスには、効き目抜群なのよ…!Gehen,EileSalveーーーーー!!」
石たちがその呪文に反応し、発行する。先ほどのような一瞬のものではなく、きらり、きらりと一瞬ごとに輝きを増し、そして、ホムンクルスと呼ばれたものたちの胸元めがけてレーザーを出した。
「ぐっ!?」
「がはっ…」
「な、なんだ…」
追跡者たちは胸にレーザーが当たると、その場に崩れ落ち、そのまま動かなくなった。少女は、追いかけてきたもの全てが動かなくなったことを確認してから、小さく呟いた。
「…あなたたちには恨みはないけれど、ここで魔術回路を破壊しておかない限り、あなたたちはどこまでも私を追いかけてくるのでしょうね。」
髪の毛を耳にかけ呟く少女は、見た目に似合わない雰囲気をまとっていた。
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少女がホムンクルスを撃退してから、時と場所が変わり、今は暗い洞窟の中で、一人きりで少女は時間が経つのを待っていた。うずくまる彼女の足元には何かの血で歪な魔法陣が描かれ、そして彼女の右手には燃えるような、赤い令呪が刻まれていた。
「…本当に、なんで私ばっかりが、こんな目に合うのよ…」
少女は名門の出だった。順調に行けば出世街道まっしぐら、というほどの。しかし、世界は残酷だった。当時幼かった少女を残して、母親が病死。とある聖杯戦争に参加した父親は、指一本になって帰ってきた。彼女は坂を下り落ちるボールのように、名門の出という坂の頂上から、大したことのない一族の末裔と成り下がって坂を下って行った。そこで少女は幸運(不幸にも、とも呼べるが)にも、父親の知り合いであった一族に引き取られる。一族の名は、ユグドミレニア。浅く、広くをモットーにしている一族の末席として少女は在籍していた。一族の長に笑われ、魔術に関して大した才能があるわけでもなかった。それでも彼女が魔術師として学んでいたわけは、一族の汚名を雪ぎたい。それだけであった。
そんな彼女だったから、少女はユグドミレニアで、聖杯大戦が起きる、と知らされた時も、サポート役に徹すると決められていた。幸い、令呪をもつ7人は決まっていて、少女のような末席には与えられるようなものではなかった。しかし、黒の陣営、赤の陣営、そしてルーラーの15人のサーヴァントが召喚された時、彼女の右手に令呪が宿った。なぜ、と問われても少女には答えられないだろう。どうやって、と問われても少女は再現することができないだろう。なぜなら、令呪の配布は聖杯の思し召しなのだから。
とにかく、彼女の手に宿った令呪を黒の陣営側は危険とみなした。当然だろう、自分たち7人の他に、自陣営にマスター権をもつ者がいる。そのことが何を意味するか、わからないほどの愚者はいなかった。こうして少女は自らの仲間と称して良かった者たちからの追っ手から逃げ続けることになったのだった。
「…もうすぐ、2時になるわね。」
少女は尻についた汚れをはたきながら立ち上がった。瞳に浮かんだ雫を拭い、毅然とした態度で立つ。緊張を押し込めるかのように、一息、息を吐いた。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。」
少女が始めたものは、英霊召喚の詠唱だった。通常、聖杯によって呼び出される英霊は7騎。しかし、今回の大戦においては、もはや英霊の数というものは聖杯は気にしていないかのようだった。そして、召喚される英霊が、どのような英霊であるのかも。
詠唱は続く。魔法陣は淡く輝き、その役目がなんたるかを理解しようとしている。少女は、召喚に際して、触媒を用意していなかった。そのためか、魔法陣はその光を強めたり、弱めたりと安定させなかった。
少女は少し語気を強め、詠唱する。
「ーーーーー告げる
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うならば応えよ。」
詠唱は佳境に入った。少女は苦しげな顔を隠そうともせず、荒れ狂う髪をそのままにし、光を強める魔法陣へ、令呪の存在する右手を伸ばす。
「誓いを此処に
我は常世全ての善となるもの、
我は常世全ての悪を敷くもの。
汝、三大の言霊を纏う7天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーーーーーーーー!!」
注ぎ込まれた魔力が一点に集まり、人を形作る。全ての魔力を注いだであろう少女は、魔法陣へと倒れ込んだ。
「ーーーーーッハァ、これで、大丈夫なのかしら…?」
「ーいや、まだだ。最後の儀式が済んでいない。」
少女は頭上から聞こえた声に、弾かれたように顔を上げる。その声は優しく、少女に尋ねた。
召喚の余波によって生じた煙が晴れる。少女は今、彼女の召喚したものと相対する。
「サーヴァント、クラス・エクストラ。
召喚に応じ参上した。…君が、俺のマスターか?」
少女は目を見開いて答えた。
「っえぇ、えぇ、そうよ!私があなたのマスター、オルガマリー・アニムスフィアよ!」
少女は歓喜した。サーヴァントを正しく召喚できていて、なおかつ自分をマスターと認めたのだ。
しかし、少女のサーヴァントは驚いたように目を見開いて、呟いた。
「…驚いた、まさか所長に召喚されるなんて。」
「?何か言ったかしら?それよりも、あなたの真名はなに?私は触媒を用意しないで召喚したのですが。」
少女は、自分の召喚したサーヴァントをまじまじと見る。短く切られた黒髪に、湖の底を映したような瞳、服は簡素で動きやすそうな白いものを着ていた。武器のようなものは、手に持っている黒い十字架のような盾と、腰に下がっているシンプルな本だけだった。
「あぁ、そっか、俺の真名か。
…俺の名前は藤丸立香。俺は、この聖杯大戦から、人類を守るために呼ばれたんだ。でも、マスターに望みがあるなら、そのために戦うよ。それが、救えなかった俺の望みでもあるから。」
そう言って、サーヴァントは笑った。少女その笑みをなんだか懐かしく感じたけれど、その記憶がどこなのかは思い出せなかった。
少女はサーヴァントに手を出す。サーヴァントは一瞬あっけにとられたような顔をして、すぐに顔を綻ばせた。
「これからよろしくね、マスター。」
「ええ、フジマル。私のサーヴァントとして、私に勝利を!」
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場所は違うけれども、同じ時刻に少年は呟く。
「おや、これは…」
「どうしたのだ、マスターよ」
少年の呟きに反応するように、虚空から女が現れる。
「いえ、トゥリファスの森でサーヴァントが召喚されたようです。クラスは…」
少年はそこで言葉を切り、目を閉じる。数秒、そのままでいたが、目を開けて驚いたように呟く。
「…クラスは、存在しないようです。」
「は?それは一体…」
「つまり、例外中の例外、エクストラといったところでしょう。」
「聖杯は随分お主の望みを遂げさせたくないようじゃな。」
少年は女の言葉に苦笑する。そして表情を一変させた。
「…それでも、あの聖杯は俺のものだ。誰が相手だろうと、立ち塞がるのなら倒すのみだ。」
そして、夜は明けていく。長い、聖杯大戦の始まりだった。
続きをお恵み下さい‼