看護学科の学生募集を停止する富山医療福祉専門学校=滑川市柳原

 ●大幅な定員割れ続き

 富山医療福祉専門学校(滑川市)は来年度以降に入学する、看護学科の学生募集を停止することを決めた。近年、大幅な定員割れが続いているためで、現在の1年生が2028年度末に卒業すれば、富山市より東側の看護師学校養成所は姿を消すことになる。長距離通学を理由にした進路変更や、地元就職の減少で看護師不足の問題に拍車がかかる懸念が高まっており、新たな対策が課題となっている。

 富山県によると、准看護学校を含む県内の養成所は富山市5校のほか、滑川市、高岡市、射水市、砺波市に各1校ある。1学年当たりの看護師の定員を比較すると、県立大と県高岡看護専門学校の各120人が最も多い。

 県のまとめでは、就業地別の看護師数は2024年12月末時点で1万3712人。富山や滑川など5市町村の富山医療圏7186人、高岡医療圏3684人、砺波医療圏1558人に対し、魚津市~朝日町の新川医療圏は1284人と最も少ない。

 1996年に開校した富山医療福祉専門学校は2006年に3年制の看護学科を開設した。1学年の定員40人のうち、今春の入学生は10人で、昨年度の13人を下回った。

 一昨年度の入学生が8人にとどまったため、同校はPR活動を強化するなど学生確保の取り組みを進めたが、少子化などの影響で顕著な改善につながらず、募集を停止する苦渋の決断に至った。一方、理学療法学科の今年度入学生は34人で、昨年度の19人を大きく上回っており、新設のスポーツウエルネス学科とともに、来年度の学生募集は引き続き行われる。

 同校への支援を巡っては、滑川市が今年度、同校に通学する市外出身者を対象に、同校近くの定住促進住宅2カ所の家賃を半額補助する制度を始めた。市外、県外者の経済的負担を抑え、入学しやすい環境を整備する狙いがあるが、現時点で利用はないという。

 魚津市は今年度、看護師など医療・福祉に従事する人材の確保に向け、最大210万円を支給する新しい移住支援制度を創設した。子育て中の新婚世帯を対象にした最大40万円の制度と比較して5倍以上に増やし、今年度当初予算に事業費780万円を計上したものの、まだ支給対象者は出ていない。

無断転載・複製を禁じます