Matrix公開ルームの運営を振り返りつつFediverseの学術コミュニティに思いを馳せる

こちらは、Fediverse (3) Advent Calendar 2024 12月17日の記事です。

はじめまして、こんにちは。はこべと申します。

Fediverseアドベントカレンダー、毎年沢山の記事を読むことを楽しみにしています。今年は思い立って、初めて記事を載せてみることにしました。

Fediverseに最初にアカウントを作ったのは2018年8月、そこから小規模鯖を転々としつつ、今は主にMastodonのおひとりさま鯖にこもっています。
古巣で仲良くしていただいてきたみなさま、お変わりありませんか。私は病んだり元気だったりですが、ぼちぼちです。そちらにもたまには遊びに行きますね。

Matrix、今でも使ってますか?

2021年初頭、Fediverse界隈でMatrix / Element が流行しました。
雑に説明してしまうと分散型のDiscordのようなもので、Matrixはその通信プロトコル(FediverseでいうところのActivityPub)、ElementはMatrixに準拠したソフトウェア(FediverseでいうところのMastodon、Misskey、etc…)を指します。

今でも当時のまとめwikiが保存されていて閲覧可能なので、興味のある方はぜひ試してみていただきたいです。

時は流れ2024年、私の観測範囲内の各Matrixルームでは2021年当時のような活気はなくなりました。結局みんなDiscordに戻ってしまったのでしょうかね。
しかしアクティブなルームでは、ゆったりとした掲示板のような雰囲気のもと、今でも参加者同士の交流が続いています。
私自身は、Matrixをもう一度流行らせたい、もっとたくさんの人に入ってきてほしいという気持ちよりも、より落ち着いて対話ができる円熟した場として、これからも見守っていきたいと思っています。

公開ルームを開設してみた話

2021年春、怒濤のMatrixブームのさなかに、学術系の公開ルームを作ってみては、と声をかけていただく機会がありました。
そうして生まれたのが、公開ルーム「アカデミアナッツ」です。
マカダミアナッツとアカデミアをもじった安直なネーミング……

また、この公開ルームはmatrix.fedibirdサーバーに設置させていただいています。2021年から変わらずサーバーを管理していただいているのえるさんに、この場を借りてお礼申し上げます。

そうして生まれた「アカデミアナッツ」ですが、いざ人を受け入れてみても、話題を広げるのが実際とても難しい。
そもそも各々の専門や知識の多寡が異なる中で、どうすれば盛り上がる話題が生まれるのか。4年弱運用したけど未だにわからずじまいです。
それでも開設して最初の頃は、論文紹介などを皆さんが積極的に投稿くださいました。こんなに様々なバックボーンを持つ方がFediverseにいらっしゃるのかと驚いたものです。

今は最初よりもかなり遅い流速になりましたが、たまーにゆっくりゆっくり、科学に関する話題・質問や回答が流れ続けています。関心のある方はぜひルームを覗いてみてくださいね。

そんなこんなで4年弱が早くも経ちましたが、ルーム管理者として、大きく2つの難しさを長年抱えてきました。

運営の難しさ1: 発言の自由とは

一点目が、「発言の自由を担保すること」です。
ルームの「気をつけていただきたいこと」でも、このようにルールを設けました。

ここは学術を扱うルームであるため、発言の自由を守るために最大限の努力を払って、管理人の権限として”追放”(キック)機能は使わない方針です。ただし、注意喚起をしてもなおルーム運営に支障をきたす場合(他のルームへ間接的に悪影響を与えた場合も含みます)、事前に本人へ改めて注意喚起したのちに、最終手段としてキックをすることもありえます。なお、ここで言う迷惑行為の判断は管理人の一存で決定し、基準は明言しません(2023/10/02 修正)。

https://gist.github.com/hakobera-ss/6e5de3cd66af61ff9812972ccd904be7

このルールは、自分なりに学術を扱うルームであるわけですから相当にこだわりを持って決めました。でも、「発言の自由=何を言っても許される」ではありません(差別的発言とか)。
1回だけ、詳しい内容は述べませんが、数回警告をしたのち改善がみられなかったのでこの規定に則ってキック(追放処分)にした方も過去にはいらっしゃいました。

運営の難しさ2: Matrix / Fediは学術コミュニティ形成の場になりえるか?

結論から言って、既存コミュニティの交流の場として使うのでない限り、Matrix公開ルームは、コミュニティ形成にはいささか不向きではないかというのが現段階での私見です。
なぜなら学術縛りのルームの中だけでは雑談が生まれにくいし、ふとした雑談の交絡が新しく面白い議論を生み出すと考えるからです。
現状をみる限り、Matrixルームは、知恵袋や掲示板的な使い方が最も適しているのかなと考えています。

ではMatrixの世界では学術(でも何でもいいけど)コミュニティを作ることは難しいのか? となるとFediverseではどうなのだろう…ですね。

約1年前、科学好きな日本語話者向けのFediverseサーバーとして、Aurora PlanetがWindowsリンボクさんの手により誕生しました(姉妹鯖としてOcean Planetも存在します)。

私はFediverseでは自鯖メインではありますが、こちらにもアカウントを作らせていただいてたまに科学関係の投稿をしています。

サーバーを建てられた志に敬意を表しつつ、こちらのサーバーを通じて、自分がMatrixルームで果たせなかった部分が実現されることを祈念しています(そして、いつも鯖メンテありがとうございます)。

2024年のFediverse振り返り: アドベントカレンダーを通じた共鳴

こうしてMatrixルームでの学術コミュニティというものに半ば諦観を抱いていたこの頃だったのですが、先月ふと某アニメの感想を記事にしたことを機に、Fediverse上で「学術とは?」「研究者が社会に果たす役割とは?」などについて深く議論をすることができました。

私の元記事はこちら

この記事へのアンサーとしてうえのさんが投稿された記事

上記の2記事をふまえて、ノキさんの視点から投稿された記事
(こちらはFediverse Advent Calendar 2024 12月14日の記事です)

今回、同じ関心を持ちつつ、でも違う分野だからこそ議論を深めることができたのは、Fediverseのゆるいつながり=ふとした雑談の交絡が下地にあったからではないでしょうか。

とはいえもちろん、いつもいつも真面目な話ばかりしていたら、周りも自分も疲れてしまいます。
軽率ににゃにゃ〜んと言いながらも、ときには琴線に触れた言葉があったら、落ち着いて文章にするのも悪いものではありませんね。


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Matrix公開ルームの運営を振り返りつつFediverseの学術コミュニティに思いを馳せる|繁縷(はこべ)
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