FGO×Fsn&FGO×FZeroの可能性【ネタ集】
FGO×FsnとFGO×FZeroのクロスオーバーの可能性を色々考えてみた。
どれもこれも特にシリーズ化するつもりのないネタ集です。
全部設定が違います。
色々捏造あり、時間軸が色々混ざってる、基本やりたい放題。
なんでも許せる方向け。
今月はMHWを買ったことと、個人的事情があって恐らくしばらくは更新が滞ると思われます。申し訳ありません……モンハン楽しいです……。
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【パターン1(FGO×FZero)】
ツンツン、となにかが背中を突く。
ん……、と俺は目をゆっくりと開けた。
「立香……!先生に呼ばれてるわよ……!」
「んぇ……?」
顔を上げると子供たちが俺を見ている。
あれ、どこだここ……俺は確か、カルデアの自室で仮眠をとっていたような……。
ぼーっとしていれば黒板の前にいた女の人に立香くん、と呼ばれる。
俺か、と思いガタリと勢いよく立ち上がる。
「は、はい!」
「これ、解けるかな?」
そう言った女の人は黒板を指し示す。
そこには“7×8=?”と書かれていた。
か、掛け算……?
「56、です……」
「正解。居眠りも程々にね」
「は、はい……」
周りの子供たちに笑われながら、俺は席に座った。
もう……、と呆れたような声が聞こえて振り返れば、そこには黒い髪をツインテールにしている青い瞳の自分にそっくりの女の子がいる。
さっき背中を突かれたのはこの子にか……。
でもなんで周りには子供しかいないんだろう……教室、かここ……懐かしいな……。
左を向けばすぐ傍には窓があって、そこに映る自分の姿を見て唖然とした。
こ、子供の姿になってる……!?
***
この状況の整理のために頭を抱えて俯いていたら、授業が終わるチャイムが鳴る。
途端に教室中がガヤガヤと賑やかになった。
俺の机のところには後ろの席の女の子がやってくる。
「もう!また立香は授業中に居眠りなんかして!お父様に言いつけるわよ!」
「ご、ごめん……」
――遠坂凛
「凛」
知らない子だ……知らない子のはずなんだ……。
なのに俺はこの子の名前を知っていて、家族構成も分かっていて、自分の姉だと理解している。
この不思議な感覚はなんだろうか。
俺は藤丸立香のはずで、カルデアのマスターのはずで、高校生だったはずなんだ。
でもなんだか、これが普通のように感じる。
カルデアでの出来事がまるで夢のようだ。
「俺の名前は……」
手元の教科書を裏返してそこに書かれていいる文字を確認する。
そこに書かれていたのは“とおさか りつか”。
……………………ちょっともう一回寝てもいいですか。
「あ、こらー!なにまた寝ようとしてるのよ立香!」
夢なら覚めろ……!
***
カルデアではバタバタと職員が忙しなく走り回っている。
サーヴァントたちも一様に冴えない表情だ。
職員たちが出入りしているのは、このカルデアで唯一のマスターの私室だった。
「マスター藤丸立香のバイタル低下!呼吸、脈拍も次第に弱くなっていっています!」
「駄目だ!絶対に死なせるな!生命維持装置を付けるんだ!」
「は、はい!」
「先輩!先輩!聞こえますか!?お願いです、目を覚ましてください!」
「レオナルド!解析の結果はどうだ!?」
「なんだいこれは……!?リツカくんの精神に何重にも魔術がかけられている……これじゃぁまるで……!」
「――悪夢の七日間の再来、か」
職員以外の声が部屋に響き、ドクター・ロマニとマシュ、ダ・ヴィンチは振り返った。
そこには深緑色のローブを着るサーヴァント、アヴェンジャーの巌窟王がいる。
コツリ、と靴を鳴らして彼は自分のマスターの傍に寄った。
青白い表情、呼吸も浅く、このまま静かに息を引き取ってしまいそうな、そんなマスターの額に振れる。
「じゃぁやっぱりリツカくんのこの状態は魔術王の仕業なのか!?」
「そうだろうな。さて、我が共犯者は此度は一体どこに連れていかれたんだろうな」
「呑気なことを言っている場合じゃないよ!このままだと生命力がどんどん弱まって本当に死んでしまう!」
「少しは落ち着くことだ、ドクター。身体はこのままなんとしてでも生き永らえさせ、俺たちサーヴァントは別にやることがあるだろう」
「……っ!レオナルド!至急リツカくんの精神体をカルデアスで探すんだ!発見した後チームを編成してレイシフトをする!マシュ!君はチームの編成を頼む!」
「なるほど、そういうことか!この天才に任せてくれたまえ!」
ダッ、とダ・ヴィンチは走って部屋をでていく。
ロマニはそのままマスターの命を繋ぐ作業に取り掛かった。
マシュはまだ困惑したように立ち尽くしている。
「待ってくださいドクター!何故カルデアスで……!?」
「リツカくんは以前のように夢を見ている状態とは少し違うんだ!それとアヴェンジャーの言葉を踏まえても、恐らくこの子は精神だけをどこかへ飛ばされたと仮定したんだよ!」
「でも夢じゃないなんて保障はどこにも……」
「いいや、ある。何故なら魔術王は以前リツカくんを夢に連れ込んで、この子を殺すことに失敗しているからね」
ふっ、とロマニがマシュに笑いかける。
「さぁマシュ!君はリツカくんが見つかったら彼を探しにいってもらうという重大な仕事がある!その準備をしておくんだ!」
「っ!はい!」
***
「人が話している途中で寝るなんて!本当にお父様に言いつけるからね!」
「ごめんてー」
ぷりぷり怒る凛のあとをついて歩く。
今は学校からの帰り道。
俺は“遠坂立香”で、小学二年生で、凛の双子の弟で、魔術師の家系の子で、俺はなんの魔術の才能を持たなかった子。
けど本当の俺は“藤丸立香”で、高校生で、カルデアのマスターをしていて、世界の未来を取り戻す戦いの真っ最中だった……よね?
なにがどうなっているんだろう……。
さっき凛に叩かれた頭はちゃんと痛いし、でも右手に令呪はない。
カルデアとの連絡手段もないし、どう考えても緊急事態だ。
でも全然状況が理解できない。
「立香、聞いてるの?」
「えっ、あ、ごめん……」
「もう、なんだか今日はずっとぼーっとしてるわね。なにかあった?」
「……そういうわけじゃないんだ、大丈夫」
「そう……あんまりぼーっとしてると転んじゃうわよ」
はい、と言って凛に手を差し出される。
首を傾げて凛を見れば、どこか彼女は誇らし気だ。
「立香が転ばないように私がちゃんと見ててあげるわ!だって私はお姉ちゃんなんだから!」
そう言って胸を張る凛に、俺は目を見開いたあとふっ、と笑った。
「あ、なに笑ってるのよ!」
「ははは、なんでもない。ありがとう、凛」
「も、もう……!」
笑いながら凛の手を取る。
気が強いけど、とても優しい子だなと思った。
そして俺は今幼女と手を繋いでいるという罪悪感と、身体と心のアンバランスさに軽く吐きそう。
あー、黒髭に見つかったらあいつ悔し泣きとかしそうだなぁ……。
帰り道は凛と他愛もない話をしながら家についた。
でっかい家だなぁ、と一瞬呆けたが、できるだけ不自然にならないように振舞う。
けどおかえり、と言ってくれたお父様を見て思わず吹き出してしまった。
俺、この人見たことある……礼装の優雅なおじさんだ……。
「どうかしたのか、立香」
「な、なんでもないです……」
「立香ったら、なんだか今日一日変なんですよ、お父様」
不自然がないようにとか土台無理な話だった。
にしてもやっぱりこの状況はどう考えてもおかしい。
なんで俺はこの人たちの家族なんだろうか……。
いや、確かに似てるのは似てるんだけど……でもこれが現実とはどうしても思えないんだよな。
これと似たような出来事といえば、巌窟王と乗り越えた監獄塔のとき。
また魔術王の工作、ってことになるのか。
あのときは巌窟王が導いてくれたからなんとかなったけど、今回はそういうサーヴァントもいない。
「……はっ、もしかして凛が……?」
「なにが?」
「……なんでもない」
そんなわけないよな。
もし本当に導き手が凛だったら、俺は魔術王のことを軽蔑の意味でロリコンと呼ぼう。
なんてダラダラと考えていたその日の夜、俺と凛、お母さんらしき人は優雅なおじさんに呼びだされた。
優雅なおじさん……父さんの仕事部屋のソファに俺らは並んで座り、彼と向かい合う。
父さんの後ろにはなんか神父っぽい恰好をした人が佇んでいた。
えーと…………あ、彼は言峰綺礼という人らしい。
この頭に知らないはずの情報が流れてくるのもよく分からないな……。
父さんの話の内容は俺たちにこの家をでて、母方の実家に避難してほしい、というものだった。
その話を聞いて、凛は頬を膨らませる。
「……やっぱり、禅城のお家へいかなければ駄目ですか?」
「聖杯戦争が始まったら、ここ冬木市は安全とは言えなくなる」
そうか、聖杯戦争が始まるのか。
ならしょうがない……って、え?
「聖杯戦争……?」
「そうだ。お前たちには以前にも話しただろう」
「あ……はい……」
チラリ、と父さんの組まれている手を見れば、その甲には令呪が刻まれている。
ちょっと待って聖杯戦争!?
「私、お父様が聖杯戦争に勝つのを手伝いたい……」
「お、俺も!」
凛の言葉に続いて俺はばっと手を上げる。
どう考えてもこんな魔術もまともに使えない子供が手伝いなんて、足手まとい以外のなにものでもないんだが……。
でもこの聖杯戦争、というのは確実になにか関係がある。
俺がカルデアに戻るための、なにかが。
「凛、立香……お父様を困らせては駄目よ」
「私たちは、邪魔なの……?」
「そうではない。今回はいつも以上に、万全を期した状態で戦う。それには、凛たちの身の安全を確保すると言うことも含まれている。そのために凛たちは、冬木市でないところにいた方がいい」
まさかここで聖杯戦争が行われているなんて思ってもみなかった。
でもこの感じは確実に駄目だろうな……。
どうにかならないかな、と俺は目を伏せる。
結局俺たちがこの家に残るのは断固反対され、明日には母方の実家へ移ることが決まった。
俺と凛の2人部屋で、凛は怒ってベッドの枕を投げる。
「私たちにだって手伝えることはきっとあるわ!」
子供が近くにいる方が戦いづらいんじゃないだろうか、とは思ったけど言わないでおく。
「立香!お父様のお手伝いをするために、探しにいくわよ!」
「探すって、なにを?」
「まだちゃんと魔術を習ってないだけだもの!だから自分で調べにいくの!」
「んー……」
「なによ、立香だって手伝いたいって言ってたじゃない!」
「そうだけど……俺たちはやっぱり母さんと一緒に禅城の家にいった方がいいよ」
そのあと俺一人だけでもまたここ冬木に戻ってこよう。
凛や母さんを巻き込むわけにはいかないし、俺一人ならなんとかなると思うし。
そう考えてながら夜空を見上げていると、なんか異様に静かだと思って凛を振り返ると彼女はそこにはいなかった。
え、あれ、どこいった!?
いつの間に……と唖然としていれば、右手の甲になにか刺すような痛みが走る。
「いっ……!」
けれど手を見てみても、なにもない。
なんだろう……今少しだけ令呪の反応を感じた気がする……。
するり、と自分の手を撫でると、凛の悲鳴が聞こえた。
「っ!凛!」
俺は慌てて部屋からでる。
――その日の夜に、狼の遠吠えが聞こえたと翌日町は騒然とした。