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「公益通報」を問う

警笛を鳴らし、組織の不正を暴く公益通報。通報者が「裏切り者」として報復されるケースが相次いでいます。その実態に迫り、制度のあり方を考えます。

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「公益通報」を問う

「この警視総監の下では働けぬ」法廷で証言の警部補、決意の退職

 
 

 警視庁公安部による冤罪(えんざい)「大川原化工機事件」について、現職警察官として法廷で異例の捜査批判をした警部補の男性がこの春、警視庁を自ら退職した。退職後、毎日新聞の取材に応じ、証言や退職に至る経緯を明かした。

 元警部補は「『警察を信じられない』と思うかもしれないが、多くの現場の警察官はきちんと仕事をしている。そこは理解してほしい」とも語った。

 この事件では3人の現職警察官が法廷で捜査を批判した。証言者が取材に応じるのは元警部補が初めて。

立件の理由を「決定権者の欲」と証言

 元警部補は、事件を手がけた公安部外事1課5係に所属し、捜査に関わったメンバー約20人の一人。公安畑を歩み、経済産業省や外務省にも出向経験がある。

 法廷に立ったのは2024年10月。大川原化工機側が違法捜査の責任を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審で、証人として出廷した。

 証人尋問で立件の理由を問われ、こう証言した。「組織としてはない。日本の安全を考えるうえでも全くない。決定権を持っている人の欲。そうとしか考えられない」

 この7カ月後、東京高裁は公安部の捜査を違法だと認定し、判決は確定した。

 冤罪の主な要因は、不正輸出事件の「エキスパート」とされた外事1課幹部たちの暴走だ。元警部補は当初から、罪をでっち上げるような今回の捜査に反対だった。捜査推進派から煙たがられる存在だったという。

定年まで17年を残して

 元警部補は法廷で証言する前にも、不適切な捜査が行われていると公益通報していた。

 公益通報も法廷での証言も、自身が知りうる「真相」を伝えたいと考えたからだ。

 しかし警視庁は公益通報に取り合わず、法廷での証言も「壮大な虚構」と切り捨てた。

 その後も警察官として働いていたが、ある出来事をきっかけに26年3月末、退職した。

 65歳の定年退職まで、あと17年もあった。警察官という職業にやりがいを感じ、最後まで勤め上げるつもりだった。

 事件に携わった捜査員のなかで、自ら職を辞した人は他にいない。それどころか、捜査推進派の捜査員らは軒並み昇進した。

 「警察組織の反省の仕方に納得できない。これが、組織に対する最後の進言です」

 元警部補はそう言い、組織への信頼が崩れ始めたという6年前の公益通報を語り出した。

 元警部補が公益通報をしたのは、ある離島の警察署からでした。通報窓口の職員の対応に、元警部補は不信感を募らせます。その内容は記事の後半で。

警…

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