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GemMed塾診療報酬改定セミナー2026

共通言語なしに経営改善は進まない、病院の「壁」乗り越える特効薬はデータ

2026.5.20.(水)

病院経営の改善に取り組んでいるものの、なかなか現場が変わらない――。このように感じている病院の経営幹部の方は少なくないのではないでしょうか。多くの病院で共通するこの課題には、実は構造的な理由があります。病院には経営改善を推進する上でのさまざまな「壁」があり、これを乗り越えない限り経営改善は進みません。この壁を乗り越える特効薬は、院内の「壁」を乗り越える共通言語になり得るデータです(本記事はGHC主催ミニウェビナー「病院経営改善を促進させるための基本と考え方 ~年度初めの今、新任者も先任者も足並みを揃えよう~」の内容から一部抜粋して構成されています)。

病院経営が難しい本当の理由

病院はそもそも、(1)役職の壁(2)職種の壁(3)専門職の集まり――という構造を持っています。一般企業以上に「共通言語を持ちにくい組織」であるからこそ、データを共通言語として活用できるかどうかが、経営改善の成否を分けるポイントになります。

現場が変わらないもう一つの理由は、議論の前提がそろっていないことです。例えば、▼評価が曖昧(良いのか悪いのか分からない) ▼課題が主観的(なんとなく忙しい)▼対策が抽象的(頑張る、意識する)――このような状態では、改善は進みません。

重要なことは、

  • 評価を明確に
  • 課題を客観的に
  • 改善策を具体的に

することです。

利益構造を分解して考えられているか

当然のことながら、病院の利益は、「利益=収益−費用」の式で成り立っています。しかし実務では、この分解が曖昧なまま議論されがちです。さらに分解すると、

  • 症例数
  • 在院日数
  • 単価(係数・出来高)
  • コスト(薬剤・材料・人件費)

といった複数の要素で構成されています。つまり、「どこを動かすと利益が変わるのか」を理解していなければ、的確な改善はできません。

例えば在院日数。在院日数はとにかく短縮すれば良いと考えがちですが、

  • 日数短縮+空床放置 → ×
  • 日数短縮+新規入院 → 〇

であり、結果は全く異なります。これは、「部分最適」ではなく「全体最適」で考える必要があるという典型例です。

病院経営課題はシンプルに4つ

多くの分析を行っても、結局のところ課題は(1)稼働が低い(2)単価が低い(3)コストが高い(4)マンパワーが足りない ――に集約されます。いわば「経営課題の四天王」です。重要なことは、「自院がどこに該当するのかを見極めること」です。

こうした経営課題を解決するために当社が強調しているのがベンチマークです。ただし、単に比較するだけでは不十分です。見るべきポイントは、▼分布の形(山型・えぐれ型など) ▼自院の位置(上位・中央値・下位)▼空白(未実施領域)――といった「構造」です。ここから初めて、「なぜ差があるのか」「何をすべきか」などの示唆が得られます。

多くの病院で課題となる加算算定。その原因は、実はシンプルです。つまり、「実施(対象患者の見落とし)→入力(入力漏れ)→請求(請求されない)」というフローのどこかに必ずボトルネックがあります。そしてこれもまた、「誰が・いつ・どこで・何を・どうするか」が設計されていないことが原因です。

改善は「段階を分ける」ことが重要

業務改善において重要なのは、いきなり変えようとしないことです。まずは次の2つのステップに分けましょう。

STEP1:現状の可視化

  • 誰が
  • 何を
  • どのタイミングで
  • どれくらい

STEP2:改善検討

  • 無くせるか
  • 減らせるか
  • 効率化できるか
  • 他に任せられるか

そして最後に重要なことはバランスです。「医療の価値」は、「価値=質÷コスト」
で決まります。コストだけ下げても意味はないし、質だけ上げても持続しません。求められるのは、「質を維持・向上しながらコストを最適化すること」です。

経営改善は“構造”で決まる

経営改善が進まない理由は、現場の努力不足ではありません。

  • 共通言語がない
  • 構造が見えていない
  • 設計がされていない

この3点にあります。だからこそ、データを共通言語にし、構造を理解し、設計する。これが、経営改善の出発点です。

本記事のベースであるミニウェビナー「病院経営改善を促進させるための基本と考え方 ~年度初めの今、新任者も先任者も足並みを揃えよう~」は599施設995人が参加。講師は当社コンサルタントでMulti Disciplinary マネジャーの太田衛が務めました。

GHCでは今後も、データに基づく「実行できる経営改善」を支援してまいります。

Multi Disciplinary マネジャー。診療放射線技師。大阪大学大学院医学系研究科機能診断科学修士課程修了。大阪大学医学部発バイオベンチャー企業、クリニック事務長兼放射線・臨床検査部長を経て、GHC入社。多数の医療機関のコンサルティングを行うほか、「病院ダッシュボードχ」の開発を統括する。マーケティング活動にも従事。新聞や雑誌の取材・執筆多数。

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