医療機器メーカー大手のフクダ電子(東京)の福田孝太郎会長に、社費の不正な私的利用の話が持ち上がった。同社はこの10年間に約1億5000万円の私的利用があったとの内部調査をまとめた。だが、同社の株主である米運用会社はこの報告内容を「不十分」「過少」だとして第三者委員会の設置と再調査を会社側に求めた。
フクダ電子は14日、福田会長が過去約5年間、会社の駐車場を私用車28台分の駐車スペースとして使っていたほか、少なくとも10年間にわたり、会社が業務委託している社用車の運転手を私的に使用したり、業務との関係性に疑義のある「交際費」を会社の経費に計上していたことを明らかにした。総額1億5449万円7155円に相当する額が不適切に使われていたという。
この公表内容に、米運用会社カナメ・キャピタルが不満をあらわにした。18日、フクダ電子が認定した福田会長による不正の総額が「過少」だなどと指摘し、再調査を求めた。
カナメ社によると、駐車場の不正利用については「最大28台」とした会社側に対し、「30~40台の私用車が駐車」されていたと指摘した。そのうえで、「福田会長と一部の秘書以外立ち入れない構造だった」「そもそも福田会長個人の私用車を保管するために設計された蓋然性が高い」との見解を示した。また、「利益供与額は7億2000万円に達し、(フクダ電子側の)認定額は約1割にとどまる」と試算した。
交際費については「1回の会食で400万円超(約380万円のロマネコンティを含む高級ワインを伴う私的会食)(の会計があった)」「百万円単位の虚偽計上は年数回、40万円以上の虚偽計上は月に数十回」といった具体例を挙げながら、フクダ電子側の認定額と大きな開きがあるとも指摘した。
フクダ電子側「今後対応を検討」
カナメ社からの要求についてフクダ電子側は19日、産経新聞の取材に対し「要求が来たばかりであり、対応は今後、検討していく」(社長室経営企画部担当者)と説明した。