中高年層で異様に「異世界モノ」観られる現象をTVデータが証明…傾向と要因を分析【26春アニメ】
TVSレグザは18日、TV視聴データをもとにアニメトレンドを分析する配信番組「アニメデータアワード」を実施。今期も中高年層における「異世界系」の圧倒的な支持が鮮明に現れた。
この調査はレグザブランドのレコーダーやテレビ機器の約62万サンプル(東京、神奈川、埼玉のみ)をもとに、4月から放送中の春アニメにおける約第3週目までの継続的な視聴データを分析。
配信サービスが主流になりつつあるなかでも、SNSやネットでは捕捉することのできない「テレビでのリアルな観られ方」を探るという企画で、ネット上で話題になる作品との違いも紹介された。
今期は『転スラ』が「全年代首位」で圧倒
結果、最もよく視聴されている作品を調べた総合ランキングは『転生したらスライムだった件 第4期』が全年代1位を独占するという圧巻の結果を示した。
次いで2位には異世界作品の『異世界のんびり農家 2』、3位には『本好きの下剋上 領主の養女』が入っており、ファンタジー・異世界系作品とシリーズ続編の強さが際立った。
ここから性年代別の視聴動向を見てみると、M1・M2・F1・F2などの〜49歳層では『夜桜さんちの大作戦』『Dr.STONE』『ただいま、おじゃまされます!』『オタクに優しいギャルはいない!?』『氷の城壁』などラブコメ作品や少年誌原作の作品が並んだ。
一方で、M3(男性50〜64歳)とF3(女性50〜64歳)においてはWEB小説やコミック原作も多い「異世界系」の圧倒的な支持が鮮明に現れた。
M3部門の1位には”元敵同士”が紡ぐ異世界婚姻譚『姫騎士は蛮族の嫁』がランクイン。同作の視聴者がほかに何を観たのかを分析した「ファン相関グラフ」においても、関連ジャンルの作品で埋め尽くされていた。
また、女性のF3部門では『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』が1位を獲得し、女性主人公の「悪役令嬢系」異世界作品などが固める構図となった。
M3・F3に「異世界」「転生」上位に入りやすい背景は…
こうした動向について、番組に出演したフリーアナウンサーの吉田尚記氏とレグザ担当者の片岡氏は背景も分析。「異世界もの・転生ものは時代劇に例えられるのではないだろうか?」といった論旨の議論も交わされた。
ヨーロッパ的な中世ファンタジー世界が舞台であることが多いものの、水戸黄門や大岡越前にあるような、見慣れた世界観の中に人情や権力、勧善懲悪を置く構造は時代劇と本質的に変わらないと指摘。
そのため「道具立てが揃っているので見やすいため間口が広く、疲れている人に優しいのではないか」として、テレビ媒体という受動的な視聴環境と、定番のフォーマットを持つ異世界ものの親和性が、中高年層のリピート視聴を支えているのではとの考察がなされた。
また、調査ではこうした傾向がSNS上の言論や盛り上がりと一部乖離しているとも分析されている。
テレビ視聴とネットの反応は「強い相関が出づらい」とも示唆
X(旧Twitter)の公式アカウントフォロワー数の増減を用いたSNS人気ランキングとの相関分析も実施したところ、最も相関が高かった年代のM1(男性20〜34歳)でも相関係数は0.5台と中程度相関にとどまった。
レグザのデータでは上位7割を異世界作品が占めるのに対し、Xのランキングではジャンプ系などのジャンルが上位に来やすく、異世界作品は比較的話題にされにくい傾向も確認され、ソーシャルメディアの反応がクール全体の動向を捉えているとは一概に限らないとも示唆された。
このように、本アワードは毎クール約70作品もある新作アニメの中でネット上で話題になりやすい作品だけが人気作品とは限らないため、視聴データを公開することで作品を応援し、視聴者に「今からでも見てみよう」と思ってもらうことを目的に企画されているという。
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