外食・介護が崩壊? 日本から「外国人労働者」が逃げていく“残酷な理由”
なぜ外食・介護で重宝?「特定技能」驚きの定着率
深刻化する人手不足に対応するため、2019年から「特定技能」の受け入れが始まった。在留期間が最長で5年の特定技能1号と制限のない特定技能2号がある。外国人が特定技能1号の資格を取得するには、日本語試験および各分野の技能評価試験に合格するか、同分野の技能実習2号から昇格する必要がある。 都市部や店舗などで働いているため、技能実習生より見かける機会は多い。業種ごとに分けられており、1号の場合は介護やビルクリーニング、宿泊や外食業など、19の特定産業分野が設定されている。2025年末時点で特定技能1号は約38万2000人だ。特定技能1号の中で最も多いのは9.3万人の飲食料品製造業で、介護(6.8万人)、工業製品製造業(5.7万人)、建設(4.9万人)、外食業(4.4万人)と続く。 すかいらーくHDやゼンショーなどの外食大手では、アルバイトとして働いていた留学生が卒業後、特定技能としてホールや調理に従事する事例がある。人材会社の関係者は次のように話す。 「特定技能は特に離職率の高い外食・介護の分野で重宝されている。業種で制限されている上、本国への仕送りもあるので離職率が低い。ある介護施設では日本人の新人5人を雇ったが3カ月以内に3人が辞めてしまった。人数は少ないが固定できるのが外国人材の魅力」 3年以内の新卒離職率は高卒で38%、大卒で34%だが、特定技能の場合、3年半で15%前後というデータが出ている。大手企業の働きかけにより、「外食業5万人」という上限も引き上げられるかもしれない。
技能実習は廃止へ…新制度「育成就労」で何が変わる?
なお、2027年4月からは技能実習に代わる新たな在留資格として「育成就労」が創設される。技能実習は2027年以降の移行期間を経て2030年までに廃止となる見込みだ。育成就労は明確に「人材の育成・確保」を目的としており、曖昧な技能実習とは異なる制度だ。技能実習の職種が一部、特定産業分野と対応していないことも課題だった。特定技能への移行をスムーズにする狙いもある。 昨年末の政府による有識者会議では、2029年3月までの特定技能の受入れ見込数を現状の2倍の80万5700人とする案が出ている。育成就労は現在の技能実習と同等の42万6200人。育成就労と特定技能を合わせて約123万人だ。他の在留資格者の数が変化しないと仮定すれば、外国人労働者は300万人近くまで拡大する見込みだ。