AI

2026.04.11 18:00

アンソロピックの最新AI「Claude Mythos」とは何か、なぜ一般に公開しないのか

sauloangelo - stock.adobe.com

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セキュリティの訓練をまったく受けていないAnthropic(アンソロピック)のあるエンジニアが、Claude Mythos(クロード・ミトスやクロード・マイソス。またはクロード・ミュトス。もともとギリシア語の「μῦθος」[神話]を意味する)に、一晩でリモートコード実行の脆弱性を見つけるよう頼んだ。翌朝目を覚ますと、完全に動く攻撃手段ができあがっていた。

Anthropicが米国時間4月7日に発表したのは、そういうモデルである。Claude Mythos Previewは、公表されているあらゆるベンチマークで、これまでに作られた中で最も高性能なAIモデルである。SWE-bench Verifiedで93.9%、USAMOで97.6%、CyberGymで83.1%を記録した。主要なすべてのOSと主要なすべてのウェブブラウザーでゼロデイ脆弱性を見つけた。完全に自律的に、人の指示なしでだ。

このモデルを作ったAnthropicの対応は、公開しないことだった。その代わりに同社は、サイバー防衛の取り組みであるProject Glasswing(プロジェクト・グラスウィング)を立ち上げ、このモデルをアマゾン、アップル、グーグル、マイクロソフト、エヌビディア、CrowdStrike(クラウドストライク)、JPモルガン・チェース、シスコ、ブロードコム、Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)、Linux Foundation(リナックス財団)に提供した。さらに、重要なソフトウェア基盤を支える約40の組織にもアクセス権が与えられる。Anthropicは、利用クレジット1億ドル(約159億円。1ドル=159円換算)と、オープンソースのセキュリティ関連団体への直接寄付400万ドル(約6億3600万円)を拠出する。

主要なAI研究企業が最先端モデルを開発しながら、同時に一般には使わせないと決めたのは、これが初めてだ。

次ページ > Claude Mythosが実際に見つけたもの

翻訳=酒匂寛

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2026.03.06 16:00

トランプ政権に立ち向かうAI企業アンソロピック、信念を貫くダリオ・アモデイCEOと共同創業者たち

アンソロピックのダリオ・アモデイCEO(Photo by Chesnot/Getty Images)

アンソロピックのダリオ・アモデイCEO(Photo by Chesnot/Getty Images)

米国テック業界では今、トランプ大統領に対し膝を屈する「屈服・迎合(Kowtow)」が、ビジネス上の生存戦略となっている。ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、スンダー・ピチャイ、ティム・クックなど、有力経営者が次々と政権へ歩み寄っている状況だ。OpenAIのサム・アルトマンも大統領と公の場で同席を重ね、「非常に仕事がしやすい人物だ」と述べるなど、関係構築を強めている。

この潮流に抗っているのが、AI大手Anthropic(アンソロピック)のダリオ・アモデイCEOと、共同創業者たちである。アモデイCEOは、国防総省(トランプ政権下の呼称は「戦争省」)による「大規模な監視」や「完全自律型兵器」へのAI利用要請に対し、自社の利用規約を盾に拒絶を貫いた。これに激怒したトランプは、Anthropicを「左翼の狂信者」と罵倒し、政府機関での使用禁止を命じる報復措置を断行した。

Anthropicは、もともとAIの「安全性」を巡る理念の相違などから、OpenAIを離脱したメンバーによって設立されたという経緯がある。アモデイCEOが軍への協力を拒んだ直後、OpenAIが国防総省と独自の契約締結を発表した事実は、両社のスタンスの違いを象徴している。そして、Anthropicの権力に屈しない姿勢は、トランプの強権的な統治に反発する層から熱狂的な支持を呼び込んだ。同社オフィスの外の歩道にはファンによる応援のメッセージが刻まれ、主力AIモデル「Claude(クロード)」がApp StoreでChatGPTを抜き、初めて首位に立つという事態に発展している。

国防総省による無制限のアクセスを拒否したことがきっかけに、トランプ政権が報復

AI大手Anthropicとダリオ・アモデイCEOは現在、国防総省との激しい対立を経て、トランプから強い怒りを向けられている。大統領は米国時間2月27日、SNS「トゥルース・ソーシャル」にこう投稿した

「Anthropicの左翼の狂信者は、戦争省を力ずくで従わせようとし、憲法よりも自分たちの利用規約に従わせようとするという、壊滅的な過ちを犯した」。

Anthropicが連邦政府の怒りを買ったきっかけは、国防総省から「Claude」への無制限アクセスを求められたが拒否したことだった。とりわけ同社が「大規模な監視」や「完全自律型の兵器」に該当すると表現する用途について、利用を認めなかったことが問題視された。

ヘグセス長官が「サプライチェーン上のリスク」と認定、国防総省および関連事業者による使用を禁止

しかし、倫理的な立場を貫くことには大きな代償が伴う可能性がある。これを受け、国防総省のピート・ヘグセス長官は、Anthropicを「サプライチェーン上のリスク」と認定し、米軍と取引するあらゆる契約企業、サプライヤー、パートナーに対し、Anthropicの技術の使用を禁止した。それでもアモデイは姿勢を変えなかった。「我々は良心に照らして、彼らの要請を受け入れることはできない」と彼は、その理由を説明するブログで述べた。

トランプはその翌日、すべての連邦政府機関に対しAnthropicの技術の使用を直ちに停止するよう指示した。

「今回のケースでAnthropicは、自らの立場を貫くことで政府との重要な関係が壊れる可能性を承知の上で行動した」と、国防総省で自律型兵器の政策に携わった経験を持つ元高官ポール・シャーレは述べている。「彼らは、不利な立場に追い込まれることを分かった上で原則を守ろうとした。そこは注目すべき点だ。すべての企業が必ずしもそうするわけではない」。

次ページ > トランプ批判派からも支持を得て、ClaudeがApp Storeランキングの首位に

翻訳=上田裕資

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2026.03.24 15:00

ChatGPTからClaudeへ乗り換えるユーザーが1487%急増 仕事はどう変わる?

Algi Febri Sugita / Shutterstock.com

Algi Febri Sugita / Shutterstock.com

わずか数週間のうちに、OpenAIのChatGPTユーザーの多くがChatGPTを離れ、代替サービスへと大量移動している。その中でも最大のシェアを獲得しているのが、AnthropicのClaudeだ。

AI計測プラットフォームLarridinの最新利用データによると以下のとおりだ(Larridinは、過去8週間のAI導入動向について顧客基盤に調査を行いこのデータを取得している)。

・3月第1週、Claudeはデイリーアクティブユーザー数でChatGPTを追い抜いた

・ユーザーの週平均セッション数は、ChatGPTの18回に対し、Claudeは38回を記録

・Claudeの利用は急増しており、1月中旬の約1112セッションから3月第2週には1万7648セッションへと、実に1487%という驚異的な増加を見せた

・この影響は職場にもおよんでおり、企業環境においてClaudeはChatGPTの2倍のセッション数を記録している

・「QuitGPT(ChatGPTを解約しよう)」運動は1月に勢いを増した後、さらに拡大している

この移行のきっかけとなったのは、親会社OpenAIを取り巻く政治的・倫理的懸念に対するユーザーの幻滅が大きい。移行したユーザーの多くは、ソーシャルメディア上で、ChatGPTが担っていた機能の一部において、Claudeの方がパフォーマンスが優れていると述べている。

しかし、この状況はが単なるテックトレンドやソーシャルメディアの熱狂ではなく、この動きはさらに重要なことを示唆している。

AIツールへのロイヤルティなど存在しない。

そして、働く人がプラットフォーム間を行き来するようになると、単一のLLM(大規模言語モデル)への依存ではなく、「AIレジリエンス」とプラットフォーム横断スキルの構築がより重要な問題となってくる。

あなたの仕事にとっての意味

求人票では、単一ツールへの依存や知識ではなく、AIネイティブスキルと幅広いAIツールへの習熟がますます求められるようになっている。最近の求人票を分析したところ、以下のようなスキルが記載されているのを目にした・

・バイブコーディング
・AIワークフロー最適化
・AIネイティブソフトウェア開発

これらのスキルが求人票に記載される際、雇用主は複数のツールを例示することが多く、時には具体的なツール名を一切挙げないこともある。つまり、採用される可能性を高めるには、現在の業務で複数のLLMやツールを活用し、専門性と経験の幅を広げれば広げるほど有利になるのだ。

次ページ > あなた、そして雇用主にとっての意味

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2026.02.24 09:30

IBM株が13%急落、2000年以来最悪の1日──アンソロピックがプログラミングAIツールを発表

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IBMの株価は米国時間2月23日、ドットコムバブル崩壊後で最大となる1日当たりの下落を記録した。アマゾンとグーグルが支援するAnthropic(アンソロピック)が、数十年来の業務用ソフトウェアの更新を効率化するとするAIツールを発表したことを受けたもので、ここ数週間のアンソロピックの動きが株式売りを加速させた最新例となった。

IBMの株価は2月23日の取引終了時点で13.1%下落し、223.39ドルとなった。これは2000年10月(15.5%下落)以来最大の1日当たり下落幅である。

アンソロピックは2月23日のブログで、Claude Code向けにCOBOLコードのモダナイゼーションを支援するツールを発表した。COBOLは1960年代に開発されたプログラミング言語で、米国のATM取引の約95%を処理し、社会保障給付の支払いのほか、金融会社や航空会社などが利用する各種システムも担っている。

IBMはCOBOLの普及に貢献し、現在も同言語で稼働するシステムを提供している。一方、アンソロピックは、この言語を教える大学は「ごくわずか」しかなく、COBOLを読めるエンジニアを見つけることは「四半期ごとにますます難しくなっている」と主張した。

アンソロピックによると、毎日「数千億行」のCOBOLコードが本番環境で実行されているにもかかわらず、COBOLを理解できる人材は「毎年減少している」とし、AIによってレガシーコードを迅速にモダナイズできると主張した。

これは2月23日の株価下落によってIBMの時価総額から310億ドル(約4兆7900億円)円が失われたことになる。米国時間2月23日の時価総額は約2087億ドル(約32兆2750億円)となっている。

アンソロピックは今月、AIツールの更新を相次いで公開し、複数の業界で売りを誘発してきた。

グーグルとアマゾンが支援する同社は、Claude Cowork AIエージェント向けのプラグインを発表し、顧客対応、プロダクトマネジメント、マーケティング、法務、データ分析などの業務を自動化できるとした。さらに、財務諸表の作成、営業見込み客の調査、商談準備の支援も可能だと主張した。これにより、AIが近く一般的なビジネスプロセスを脅かすとの懸念が広がり、世界のソフトウェア株も下落した。

先週アンソロピックが公開した別のツールは、ソフトウェアコードをスキャンして脆弱性を検出できると同社が述べたことを受け、サイバーセキュリティ株の売りを誘発した。CrowdStrikeとZscalerは2月23日にそれぞれ約9%下落している。

複数のエコノミストは、投資家がAIの最近の動向に過剰反応している可能性があると警告している。LPLファイナンシャルのアナリスト、アダム・ターンクイストは先週、ソフトウェアおよびAI関連業界全体のボラティリティは、売上や利益の減少ではなく、投資家の「市場のナラティブ」の変化を反映していると述べた。

JPモルガンは今月初め、AI企業がソフトウェア業界を破壊的に変えるという見方は「論理の破綻」であり、投資家の懸念は過大だと指摘した。また、ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブスはCNBCに対し、ソフトウェア株全体の売りは「ウォール街でのキャリアの中で見た中で最も乖離した取引だ」と語った。アイブスは、AIの進展はむしろ企業を後押しすると主張している。

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47兆円が蒸発、「SaaSの大崩壊」が始まった

forbes.com 原文

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