フランス新型原発、日本メディアに公開 出力100%で初 安全性高めた設計、コスト増も

フラマンビル原発3号機の原子炉(中央左寄りの楕円形の建物)とタービン建屋(右奥の細長い建物)=フランス北西部フラマンビル(桑島浩任撮影)

【フラマンビル=桑島浩任】フランス電力公社(EDF)は11日、フランス北西部のフラマンビル原発3号機(マンシュ県フラマンビル)を日本メディアに公開した。安全性などを向上させた新型炉「欧州加圧水型炉(EPR)」で、昨年12月に出力100%に到達して以降、日本メディアに公開するのは初めて。

フラマンビル3号機は出力160万キロワット級。EDFはEPRの設計上の特徴として、従来の130万キロワット級炉に比べ、同じ発電量当たりの燃料消費量を17%、放射性廃棄物の発生量を30%抑えられるとしている。

新規原発としてはフランスで25年ぶりに送電網へ接続され、EDFの国内原子炉として57基目にあたる。当初予定から12年遅れた2024年に建設が完了し、建設費も想定の4倍の132億ユーロに膨らんだ。

重大事故への備えを厚くし、安全性を高めたのが特徴。核燃料を収める「原子炉圧力容器」などを覆う「原子炉格納容器」の防護壁を二重にして、航空機衝突などのテロ攻撃に備えた構造を採用した。事故で燃料を冷却できなくなる「炉心溶融」が発生した場合、圧力容器から溶け落ちた燃料を「コアキャッチャー」で受け止め、水で冷やす機能を備える。

EDFのグザヴィエ・アルディ技術部長は「EPRは設計段階からチョルノービリ(チェルノブイリ)や福島の事故の教訓を取り込んだ。安全装置は4系統に増やし、火災や洪水など外的要因があっても個別に動く」と強調した。非常用ディーゼル発電機は7日間自動運転できるという。

フラマンビル3号機のタービン建屋内部

この日は、タービン建屋や中央制御室を再現した訓練用シミュレーターなどが公開された。アルディ氏は「100%出力に到達した後も試験を続けていたが、現在は完了した。約200万世帯に電力を供給している」と話した。

日本では関西電力が美浜原発(福井県美浜町)の後継機として、現在運用する加圧水型軽水炉を発展させ、EPRの設計を取り入れて安全性を高めた「革新軽水炉」の建設を視野に調査を進めている。フラマンビルの経験が安全対策とコスト管理の両面で教訓となることが期待される。

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