何を目指す政党なのかを明確に示さなければ、失った支持は取り戻せない。
中道改革連合が2月の衆院選の敗因を総括した。衆院の立憲民主党と公明党が合流して野党第1党として臨んだが、惨敗に終わった。参院議員や地方議員の合流にめどが立たず、離党者も相次ぐ。
両党の支持基盤と得票実績を合わせれば、一定の議席を確保できると見込んだことが最大の誤算だった。現実には立憲を支持してきた無党派層が離れ、マイナスの結果をもたらしたと分析した。
とりわけ、安全保障法制を「合憲」とし、条件付きながら原発再稼働を容認した影響は大きかった。リベラル層に抵抗感があったのは確かだ。
立憲と公明は外交・内政ともに比較的穏健な路線を取り、元々親和性があった。だが、長年与野党に分かれていた両党がにわかに新党を結成したことは、選挙目当ての互助会と映った。
一方、「中道」という理念の方向性は間違っていないと総括した。右派・左派を問わず極端な主張が台頭し、社会の分断が深まっているとの認識を踏まえ、合意形成を積み重ねて生活者第一の政策を進めることが基本理念だという。
そうであるならば、給付と負担のバランスを踏まえた格差是正策や持続可能な社会保障のあり方を打ち出すべきだった。
だが、実際は減税を訴える他党に追従し、衆院選公約に恒久的な食料品の消費税ゼロを掲げた。立憲、公明の従来の政策になく、財政ポピュリズムというほかない方針転換だった。高市早苗政権による積極財政の下、長期金利が上昇し円安が進んでいるからこそ、将来に責任ある政策が求められる。
野党の存在意義は、政権を監視するとともに、与党だけではくみ取れない民意の受け皿となり、対案を示すことにある。巨大与党の下ではなおさら重要性が増しているが、大敗に萎縮して役割を果たし切れていない。
総括はSNSの発信を強化する必要性も指摘した。だが、小手先に走る前に、党の軸となる具体的なビジョンを作り上げる必要がある。人口減少など日本が直面する問題と向き合い、地に足を着けた議論から始めなければならない。