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同じ結末を知っているのに、毎回違う私になる——キャンディ・キャンディ

つい先月、56歳を迎えた。
そんな私はキャンディキャンディを
何年かに1回無性に読み返したくなる。
まるで定期的に行う儀式のようだ。
6歳ぐらいから読み始めたので
私の中でだいたい50周年記念だ。

そして毎回感じる事がある。
刺さる場面がいつも全然違うのだ。

幼女の頃は、
キャンディが着ていたドレスやワンピースに憧れた。
シルクという言葉自体に憧れた。多分見た事も無い美しさで触り心地が良いのだろう。と、想像した。
私の母は娘に教えてもいないシルクだの
社交界で着るドレスだの
そんな事をペラペラ話す私を
「ませた子」ってよく言ったものだった。

最大の脇役「しょうもないいじわる」
しかしない兄弟、ニールとイライザ。
キャンディが行く先々でなぜか
大抵待ち構えている。
子供の頃はあのイライザの粘着的な
キャンディいびりの意味がわからず
本当にイライラした。
しかし、大人になると
また別の解釈が出来るようになる。
そもそも悪いのは
ラガン夫人ではなかろうか。
母親が客観的に子供をみないから
キャンディが犠牲になったのではないか。
ま、もっとも
キャンディキャンディという物語の中で
あの2人はスパイスの役目で、
あの稚拙ないじわるがないと
成り立たない。
必要な調味料だった。

少し恋を知るような年頃になると
もちろん、焦点は
「王子様はアンソニーかテリィか」論争だ。
私は優しいだけの男はどうも物足りない。
絶対にテリィに一票だった。
また
テリィのツンデレ具合もツボだった。
私はテリィ派を自負していた。
しかし大人になると
「恋愛って、惚れた腫れただけじゃない」
って事を知ってしまうのだ。
すると第3の王子様が浮上した。
アルバートさんだ。
あの長きに渡り、影からずっとキャンディを支え続ける丘の上の王子様。
なんて素敵な伏線回収なんだろうか。
加えてルックスは
ワイルドな髭面で流浪の人かと
思っていたら、実は
金髪で端正な顔立ちの
ウィリアム大おじ様だった!
ではありませんか。
(経済力も計り知れず)←ここ大事。
こりゃ、もう。
完全にアルバートさんが優勝だ。

番外だが
アーチーとステアの事も語りたい。
当初コーンウェル兄弟は2人とも
キャンディに恋心を持っていた。
だからこそ
自分達にはキャンディから
矢が向けられない事は敏感だった。
しかし。
この兄弟の凄いところは
自分達の気持ちを抑えて、
キャンディを
応援し、慰め、ずっと見守り続けるのだ。
この素晴らしい兄弟は
こんなお兄ちゃんが居たらいいな
って立ち位置に間違いない。

つい、先日。
私は久しぶりに
キャンディキャンディの
ページをめくった。
今回
自分でも驚きの新たな視点が
生まれた。
キャンディが
看護師になって初めて担当をした
老人マクレガー氏との章に
心を持っていかれたのだ。
マクレガー氏は
最後はお亡くなりになられる。
彼は大事にしていたミーナ(セントバーナード級の大きな犬)に会いたい事を
キャンディに悟られる。
キャンディは
なんとか連れてくる事に成功し、
頑なに心を閉ざしていたマクレガー氏は
亡くなる間際にやっと心を開いた。

頑固なマクレガー氏の気持ちを
何年か前に大病をした私は
わかる気がした。

重い病気で入院する時ほど──。
人からの同情や慰めの言葉は
耳には入るが心には届かない。
いいようがないぐらい孤独なのだ。
対して
動物は愛する表現がストレートだ。
マクレガー氏の孤独を
ミーナの率直な愛が埋めてくれたのだ。

マクレガー氏のエピソードは
本筋には関係ないいわば番外編だ。
もちろんそこは
子供の頃から
結論を知りつつ何度も読んでいた。
しかし。
私はマクレガー氏が花が舞い散る中
亡くなってしまったシーンに
今回初めて涙が止まらなかった。

何十回も読んでるキャンディキャンディ。
だが、
年齢や経験値でいつも新しい発見がある。
50年前に
書かれたストーリーにも関わらず
キャンディの人間味溢れる人柄と
どの時代にも必要な行動力に
心が動かされるからだ。

次いつ読むかはまだわからない。
次はどの場面で
心が動かされるのだろう。
思い当たるだけで
魅力的な名脇役がたくさんいる。
そして
アラ還の私は一体いくつまで
キャンディキャンディという少女漫画に
共感出来るのだろう。
新たな発見が楽しみだ。


#キャンディキャンディ
#少女漫画
















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同じ結末を知っているのに、毎回違う私になる——キャンディ・キャンディ|うみのたね
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