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高畑裕太さんが約10年前の強姦致傷事件について見解を表明したことで改めて当時の報道について考える

月刊『創』編集長
2026年当時の報道(筆者撮影)

 2026年5月16日、俳優の高畑裕太さんがSNSで約10年前の事件について長文の見解を発表し、話題になっている。全文はこの記事の後に引用したので参照いただきたいが、被害女性の「交際相手」を名乗る暴力団関係者が怒鳴り込んできたことなど当時の状況についても書いている。

 当時、私は月刊『創』(つくる)でこの事件の報道をめぐって記事を書き、発売後、このヤフーニュースにも発表したが、その記事は大きな反響を得て、その後も折に触れて閲覧されていた。さきほど見たら、検索エンジンで上位に上がっていた。配信したのは2016年9月19日で、10年前の記事をこんなふうに浮上させられるネットの力には驚くばかりだが、読み返したら改行が崩れたりしている。修正して再度公開することにした。

 当時この記事がなぜ大きな反響を得たかというと、実はこの記事は裕太さんにとても近い複数の人に取材して書いた、踏み込んだ記事だったからだ。残念ながら私がどの人に話を聞いたかについては情報源の秘匿で明記できないが、そこで語られた内容をもとに、当時の報道についてコメントしたものだ。

 今回の高畑裕太さんの見解を補うものとして、そしてまた当時の事件報道をめぐって考えてみるきっかけになればと思い再掲載する。裕太さんの今回の見解全文も記事の後に引用する。読みやすくするために途中に小見出しも新たに入れた。

〈追補〉この記事をアップした翌日、10年前にこの事件と報道について書いた複数の記事が検索エンジンで上がっていた。10年前のことなので私自身もいつどの記事を書いたかきちんと覚えていなかったのだが、以下に2つの記事を掲げておこう。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a11e5a7ae868007c0b935ad87a04b2bb8034c084

高畑裕太「強姦」報道の誤りは、事件報道の構造に関わる深刻な問題だ( 2016年10月7日配信)

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cc280f43c63be646829770119425e8e8c22e4c3b

高畑裕太“強姦”事件のその後と『週刊現代』被害女性告白の気になる点(2016年11月7日配信)

高畑裕太さん強姦致傷事件の真相は何なのか。歯ブラシ云々の事実はどうなのか

 女優・高畑淳子さんの息子・裕太さんが強姦致傷容疑で2016年8月23日に逮捕され、9月9日に不起訴で釈放された事件は、いまだに騒動が収まっていない。一時はテレビなどで連日報道がなされ大騒動になっていたのが一転して幕引きという結末に、多くの人が釈然としないのは確かだろう。この結末については今でも多くの議論がなされている。高畑さん側が金に物を言わせて示談に持ち込んだという見方をする人も多いようで、不起訴決定後も裕太さんはもちろん、淳子さんに対してもバッシングが続いている。

 釈放後、裕太さんの弁護士が異例のコメントを出し、「逮捕時報道にあるような、電話で『部屋に歯ブラシを持ってきて』と呼びつけていきなり引きずり込んだなどという事実はなかったと考えております」「違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に起訴されて裁判になっていれば。無罪主張をしたと思われた事件であります」と主張したのだが、これについてもネットだけでなく、『週刊新潮』『週刊文春』など週刊誌も批判。例えば9月15日発売の『週刊文春』9月22日号は「高畑裕太『冤罪声明』を仕掛けた親バカ女優」という辛辣な見出し。9月11日付東京スポーツも「高畑裕太サイド逆ギレ声明背景 親バカ淳子の思い込み」と報道した。

 ただ一方で、幾つか新しい情報も報じられ始めている。例えば「独走スクープ!すべての謎が解けた!」とぶちあげて「示談交渉を仕切った暴力団関係者」という記事を掲げたのは9月16日発売の『フライデー』9月30日・10月7日合併号だ。この事件の第一通報者であり、当初は示談交渉についても仕切ろうとしていた男性が、実は地元で知られた暴力団関係者だったというのだ。

 また9月17日発売の『週刊ポスト』9月30日号「高畑裕太 即逮捕・即釈放の謎事件を生んだ群馬県警の責任」も、その“知人男性”の動きに疑問を呈し、それに引っ張られて逮捕に踏み切った群馬県警を批判している。

 それも記事中に登場する匿名の捜査関係者が「高畑の供述に関する報道は、県警の発表によるものですが、当初から彼の供述には曖昧な部分もあった。県警は不確定情報を公表して、騒動に火をつけた可能性がある」「もう少し逮捕や発表には慎重になっても良かったのではないか」とコメントするという痛烈なものだ。

 そればかりか『フライデー』の記事には、裕太さんの知人という匿名の人物が登場し、「歯ブラシを持ってきて」と電話で呼び出し、部屋に引きずり込んだという、これまでの報道を覆し、部屋へは裕太さんと女性が一緒にエレベーターに乗って向かったのだと証言している。

 そもそも裕太さんが女性を歯ブラシの話で呼び出して部屋へ引きずり込んだということと、「女性を見て欲求を抑えられなかった」と容疑を認めているという2点は、8月24日の一般紙を含む各紙朝刊の第一報の骨子だった。ネタ元が警察であることは間違いないが、警察は通常、後で違ったことになると責任を追及されるため、公式の会見では簡単な事実しか発表せず、詳しくは懇談などと称する非公式の場で説明を行う。この事件の第一報もそうして書かれたものだろう。前述した釈放後の弁護士コメントは、その2点について否定したものだ。

いったい真相はどうだったのか

 ではいったい、真相はどうなのだろうか。もし歯ブラシ云々が事実でないとすると、この事件の印象がだいぶ違うものになってくる。

 ここで情報を提示するのは、不起訴という結果を受けて、まさにこの事件をめぐって局面が動いているからだ。9月9日の釈放後、いったい何が真実なのか議論が起きており、この事件がどういう印象で定着するかはこの局面でどれだけ情報が提示されるかにかかっているといえる。

 前述した『フライデー』には、裕太さんの知人の証言という、気になるこういう記述もある。「実は捜査段階の供述調書が作成されていて、群馬県警捜査一課の幹部や一部の関係者がそれに目を通しているそうです。その調書には『歯ブラシを持ってきてほしい』といった記述はいっさい書いてなかったというのです」。

 これが本当だとすると、8月24日の第一報の報道内容は全く間違っていたことになる。いったいどうなのか。実は、残念ながら、同誌のこの記述はどうも誤りの可能性が高い。最初の段階で歯ブラシ云々は、取調べ内容に含まれていたのは間違いなさそうなのだ。第一報の根拠となった警察の説明は、嘘ではないのだが、正確ではなかったというのが真相のようだ。

 8月21日から映画の撮影で前橋のホテルに宿泊していた裕太さんは、23日からの撮影開始を前に、22日夜にスタッフたちと飲みに出かけた。その時にフロントで被害女性に「どこかいい店ないですか」と声をかけたのが二人の最初の接点だったらしい。飲みに行った後、深夜に裕太さんは再び女性に話をし、部屋に来ないかと誘った。その時に、部屋に歯ブラシを持ってきてよ、と言ったらしい。

 そして一度、部屋に戻って女性を待ったが、来なかったのですぐに再びフロントに出向き、女性を口説いて、今度は二人でエレベーターに乗って部屋へ戻った。女性は「部屋に行って何をするの」「私は仕事中だから」と断っていたようだが、結局、一緒に部屋へ行った。エレベーター内で裕太さんは女性にキスをしたという供述もあったらしい。

 以上のような経過が警察によって報道陣に話された時に、あまり正確でない説明がなされたのだろう。それを受けての第一報は、歯ブラシを持ってきてと部屋に呼びつけたという話になっていた。さらに報道では、電話で呼びつけた女性を部屋に引きずり込み、手足を押さえつけて強姦したとされていたのだが、一部媒体が書いていたように、そのホテルの部屋は隣の物音が筒抜けになるような作りで、両隣にスタッフが宿泊している状況で、深夜2時過ぎに部屋に無理やり引きずり込んで強姦というのは、現場の状況からも無理があると言わざるをえない。

 9月15日発売の『女性セブン』9月29日・10月6日合併号もそのことに言及し、「本誌記者もホテルに宿泊したが、壁は決して厚いとはいえず、隣の部屋のテレビの音が聞こえるほどだった」と書いている。そして「隣の部屋に宿泊した撮影スタッフは、『裕太の部屋から争う物音はまったくしなかった』と話している」と指摘している。

 ただそこで行われた行為についての認識が、裕太さんと女性とでは違っていたわけだ。女性は戻った直後に第一通報者となった男性に連絡してその話を打ち明けた。これが『フライデー』が記事にした人物だ。その後、ホテルへ駆けつけたその男性によって3時半過ぎに警察に通報がなされ、女性が事情聴取を受けるのだが、その時点では医師の診断書も取られていたという。そして4時過ぎに裕太さんの寝ていたところへ警察が踏み込んだ。

 裕太さんは身柄を警察に移され、そこで任意の事情聴取を受けた。そしてその結果、容疑を認めたとして23日の13時40分、強姦致傷の容疑で逮捕された。最初に弁護士が裕太さんに接見したのは23日の昼過ぎだったという。そこでの説明で初めて裕太さんは自分が置かれた状況や、容疑の認否について理解を深めるのだが、前述したような警察発表はもうその時点では決まっていたわけだ。

警察の取り調べはどのように行われたのか

 警察の調書がどんなふうに作られるか知らない人が多いと思うが、調書の内容を作文するのはあくまでも警察官だ。以前は手書き、最近はワープロ打ちだが、警察が事前に下地となる文章を作っておくことも多い。それをもとに被疑者と話をしながら文章を修正し、最後に読み聞かせて押印させるわけだ。

 で、最初の調書をとられるまでどんなやりとりがなされたかというと、裕太さんは自分が強姦したという認識はなかったのだが、取調官から「女性が強姦されたと言っているのだから、自分はそんなつもりはなかったと言っても強姦罪は成立するのだ」と言われたらしい。動転していたうえに、相手の女性が被害を受けたと言っていると告げられ、それならばと警察の説明を受け入れたらしい。

 強姦致傷は被害者の親告がなくても起訴できるから、この事件は裁判にまで至る可能性が少なくなかったのだが、裁判になった場合、供述調書の信用性と任意性は重大な意味を持つ。ただ裕太さんはそこまで事態が大きくなっていくとは認識しておらず、謝って許してもらおうと考えたらしい。ただ弁護士との接見の後は、供述の法律的意味も理解し、以後、強姦はしていないという主張を一貫して行っているという。その後、24日に裕太さんは送検され、前橋地検の調べを受けた。母親の淳子さんが最初に接見したのは25日。母親の会見が行われたのは26日だ。

 淳子さんの会見でも、裕太さんが容疑を認めているかなど事件に関わる事柄については話していないのだが、世間を騒がせたことや大勢の人に迷惑をかけたことなどを謝罪した内容で、第一報が否定されなかったため、マスコミでは強姦の事実は間違いないとして報道が続けられた。それと今回の騒動の特徴は、事件が主に芸能スキャンダルとして扱われたことだ。週刊誌などの報道は主に、淳子さんの私生活、裕太さんの父親は誰かといった話になり、事件の骨子というべき事実関係についての検証はある時期までほとんどなされていない。無罪推定の原則どころか、第一報からこの事件は、甘やかされた二世タレントの犯罪としてバッシングの対象となっていった。

 そもそも逮捕直後の警察発表というのは、まだ十分な捜査がなされない段階のもので、その後裕太さんは強姦について否認したようだから、続報によって修正されるべきものだった。それがないまま騒動が独り歩きしたのが今回の事件の大きな特徴だ。

 前述した『週刊ポスト』9月30日号の記事は、第一通報者の存在が事件の展開に大きな影を落としていると指摘し、その男性について捜査関係者が「事態を把握してから通報するまでの彼の行動はあまりに迅速だった。通報した時点で詳細まで押さえていて、周到ささえ感じられた」とコメントしている。事件を大きくすると同時に、早い段階から慰謝料を含む示談の話を持ち出したのもこの男性だという。

 もちろん性犯罪は許されないし、裕太さんの、自分がテレビに出て公的な存在となっていることへの自覚のなさが事件の大きな要因であることは明らかだ。裕太さんが軽率だったことは間違いないのだが、しかし、そうした彼に対するバッシングも、事実に基づいてなされるべきだという原則は忘れてならない。

 警察も検察も、加害者被害者双方に事情を聞き、裏付けをとるなど捜査を進めるうちに、検察としては起訴して公判に持ち込むのは難しいという判断に傾いていったのだろう。ホテルで部屋に入ってから裕太さんと女性の間で何があったかについては、もちろん双方の認識は違っているのだが、双方が供述を行っているから、外形的事実については捜査側はある程度把握したはずだ。

 示談に伴って高額の慰謝料が払われたことは言うまでもない。9月14日付東京スポーツは「慰謝料8000万円情報」と一面にぶち上げたが、関係者に確認したら、これは間違い。母子ともに有名な芸能人だから千万単位であることは間違いないのだが、億に近い数字ではないらしい。また前出の『女性セブン』が「高畑裕太『49才といわれる被害女性』あの夜の因縁」という見出しを掲げているが、49歳というのは事実と違う。記事をよく読むと、実際は違うとも書いてあるのだが、それをなぜ見出しに掲げるのか。週刊誌や夕刊紙は見出しだけを見る人が多く、見出しが独り歩きするのがわかりながらなぜそうするのか理解に苦しむ。

この騒動、結果的に失態となった群馬県警もそうだが、マスコミ界にも大きな問題を投げかけたように思える。    以上

2026年5月16日に公表された高畑裕太さんの見解

 この度は、本書に目を通していただき、ありがとうございます。

 本書は、私、高畑裕太が約9年前に起こした不祥事について、事実関係の説明と、これまで公にしてこなかった経緯、そして現在の自分の考えを、自らの言葉で整理し、公表するものです。

 長文となりますが、ご一読いただけますと幸いです。

 すでにご存知の方も多いかと思いますが、私、高畑裕太は今から9年前にとある出来事(以下において「本件」とします)により逮捕されて、世間から大きな注目を浴びた過去がございます。

 本件の内容は、当時地方での撮影期間中に滞在していたホテルにおいて、私がホテル従業員の女性に対し「性的暴行を加えた」とする容疑がかけられたというもので、連日TVなどのマスメディアで報道されました。

 その後およそ二週間の勾留期間を経て、検察官による最終的な判断として、私は不起訴処分となり、釈放されました。

 以下は、私自身の認識および関係者が把握している範囲の事実に基づく説明です。

 まず、ホテル従業員の女性と関係を持ったこと自体は事実です。

 しかしながら、報道されたような「性的暴行」に該当する行為は行っておりません。また、怪我を伴うような暴力行為も行っておりません。

 当時、「歯ブラシを持ってきてほしいとフロントに電話をかけ、来た女性を無理やり部屋に引きずり込んだ」といった報道がなされましたが、このような事実はありません。

 当日の詳細な事実経過については、プライバシーの観点から、この場での説明は控えさせていただきます。

 ただし少なくとも、報道にあったような一方的に電話で呼び出し、無理やり室内に連れ込むといった事実はなく、事実と報道には大きな齟齬がありました。

 加えて、私が警察署で取り調べを受けている最中、当時所属していた事務所および撮影関係者が警察署内で待機しているところに、ホテル従業員の女性の「交際相手」を名乗る人物が怒鳴り込んできました。

 この人物については、その後、暴力団関係者であることが判明しました。この人物から、当時所属していた事務所および関係者に対して、高額な金銭要求が行われていたことも確認されています。

 このような経緯が存在していたことは、本件の全体像を理解する上で無視できない要素であると考えます。

 また、本件については、先にも記載した通り、約二週間の勾留期間を経た後、最終的に検察の判断により不起訴処分となっておりますが、重要な点を補足させてください。

 当時私にかけられていた容疑は「強姦致傷罪」というものであり、これはいわゆる刑事事件の中でも重大な犯罪類型に該当します。

 そして本罪は、当時においても「親告罪」ではありませんでした。親告罪とは、被害者が「処罰してほしい」と告訴しなければ、起訴できない種類の犯罪を指します。

 一方で本件は、被害者の意思の有無にかかわらず、検察が証拠や事実関係に基づいて、起訴・不起訴を判断する「非親告罪」に分類されていました。

 すなわち、仮に当事者間で示談が成立していたとしても、それのみをもって当然に検察官が不起訴と判断する性質の事件ではありませんでした。したがって、「示談をしたから不起訴になった」という単純な構図で本件を理解することは、刑事手続の実態とは一致しないものと考えており、本件においては、そうした前提のもと、検察が最終的に不起訴という判断を下したと受け止めています。

 なお、私自身は示談に応じておりますが、それはあくまで当時の状況下において、長期間不安定な立場に置かれるリスクを考慮したうえでの判断によるものであり、仮に起訴されていれば、無罪主張を行っていたことに変わりはありません。

 以上が、本件の刑事事件としての結果及びその法的な位置づけについての私の認識です。

 本件の経緯は、過去に一部週刊誌で報じられたことを除き、私の身近な範囲でのみ共有されており、当時大々的に報じていたマスメディアなどの報道媒体で報じられることはありませんでした。

 そのため、世間に報道された内容と事実の間にあるギャップを埋める機会はほとんどなく、時間だけが経過していきました。

 今日に至るまで、私は本件についての弁明を公にすることはせず、必要に応じて言頼関係のある方や公演で関わる方にのみお話ししてきました。その理由は単純に、「怖かった」という気持ちに加え、自分が言葉を投じることによって、家族や、周囲の方々にまた迷惑をかけてしまうのではないかという想いが拭えなかったためです。

 しかし、これまで多くの方々にご迷惑をおかけした事実を胸に抱えつつ、長い時間をかけて自身の気持ちと向き合ってきた過程で、いつかは自らの言葉で整理し、説明すべき時が来るのではないかという想いが少しずつ強くなっていきました。

 本件における私自身の軽率な行動により、多くの方々に多大なご迷惑をおかけしたことは紛れもない事実であり、弁解の余地はございません。皆様の期待を裏切ったこと、多くの方々を傷つけてしまったことを、ただただ深く反省しています。また今後も一生をかけて背負い続けていくべきものだと考えています。

 しかし一方で、当時の報道によって形成された私の印象が、そのまま現在まで固定化されている状況については、今後の人生や活動を行っていく上で、大きな制約となっていることも事実です。

 また、今年 2026年は本件から10年という月日を迎える年となります。

 この9年間、私は本件を胸に抱えながらも、一方で劇団を主宰し、表現活動を通して、自分なりに人生を積み重ねてきました。

 それは、両親や家族、友人、そして関わってくださった多くの方々の支えがあってこそ成り立っているものだと感じています。

 そして、当時の報道による悪影響が私個人にとどまらず、関係者の方々にまで及ぶことが未だにあることから、今後も活動を続けていくにあたり、過去の出来事について自らの言葉で正式に説明することが、関わってくださる方々に対する誠実さであると考えるようになりました。  その想いと、10年という歳月を踏まえ、本書の作成に至りました。

 本書の公表は、現在の環境に対する感謝と、これからの人生および活動に向き合っていくために行うものです。  したがって、本書は、過去の出来事に対する法的な主張や、何らかの請求を行うことを目的としたものではございません。

 今後についてですが、私は一人の表現者として、また一つの団体を率いる立場として、これまで以上に責任と自覚を持って、誠実に取り組んで参ります。

 本書を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 令和8年5月16日 高畑裕太。

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ありがとうございます。
月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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