東大院教授・田中東子さんと考える
アイドルやインフルエンサーらを応援する「推し活」が今、若者世代を中心にはやっています。最近では選挙にも推し活という考え方が広がり、ありとあらゆるものに「推し」という言葉が使われるようになりました。
「オールドメディア」と呼ばれる新聞社やジャーナリストも、みんなに推してもらうにはどうすればいいのか。東京大学大学院の田中東子教授(メディア文化論)と考えました。
――以前は「ファン」や「担当」という言葉で好きなモノを応援していましたが、「推し」という言葉を聞く機会が増えました。
昭和や平成時代にはなかった推し活という言葉が広まったのは、2019~20年ごろ。とくにコロナ禍から使われ始めました。グループ化したアイドルの、グループ内での「イチオシ」という表現が元です。
「好き」から「推し」という表現がよく使われるようになったのは、「押し出す」や「押し上げる」というニュアンスから。
ポップカルチャーがグローバル化する中で、自分の好きなモノを押し上げないと、他との競争には勝てない。無意識的な「推さねば日の目を見ない」という考え方が、推し活の源流です。
推し活に求められるのは、時間とお金と忠誠心。とくにSNS時代の今は、推し活が可視化され、「自己顕示の試合」のような競争が生まれます。
X(旧ツイッター)などのSNSを使って自分主体で発信する「自己愛」が、今の推し活文化に合流しました。
デジタル移行遅れ、逃したファン層
――私たち新聞社やジャーナリストが推される時代は来るんでしょうか。
どうでしょう。朝日新聞のような大手新聞社なんて、長らく殿様商売だったわけです。選ばれるための競争はなく、安定して読まれた時代が平成の途中まではありました。でも、今は完全に砕け散りました。
速報性という意味で、Xのよ…
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- 津田正太郎慶応義塾大学教授・メディアコム研究所視点
「新聞記者なんか、批判されてなんぼ」というのは、田中先生の仰る通りではあるのですが、「批判」と「罵倒」はまた別物だろうとも思います。 新聞記者になりたての若い記者の話を聞いていると、取材中に罵倒されることもあるようです。本人は「もう慣れま
2026年5月10日 18:53