茨城・常陸大宮市汚職 元職員、起訴内容認める 水戸地裁初公判 懲役1年求刑
茨城県常陸大宮市が進めるJR常陸大宮駅周辺整備事業を巡る汚職事件で、収賄の罪に問われた元市職員、大森優被告(46)の初公判が12日、水戸地裁(高岡寛実裁判官)で開かれ、大森被告は起訴内容について「間違いありません」と認めた。公判は即日結審し、検察側は懲役1年、追徴金14万円を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は26日。
起訴状によると、被告は市の駅周辺整備推進課主査だった当時、用地取得対象の土地にある建物の解体・伐採工事を受注できるよう所有者に紹介するなどの便宜を図った見返りに、23年12月に解体業者からクオカード3万円分、24年2~4月ごろに造園業者から商品券11万円分を受け取ったとされる。
冒頭陳述で検察側は、被告は所有者から「適当な業者を紹介してほしい」と頼まれ、以前から付き合いのあった業者に工事を依頼するなどして下見にも立ち会ったと説明。別の業者からの見積書作成も依頼して3社見積もりの体裁を取り、所有者に計3通を提示して最も安価だった贈賄業者が選ばれたとした。
贈賄業者2社については「これまでの慣行に従い謝礼の支払いを決意した」と言及し、被告も謝礼の趣旨を認識していたため一度は拒んだが、重ねて差し出されたため「いや、悪いね」などと言って受け取ったと主張した。
論告では、動機について「『あれだけ苦労したんだし、これくらいもらってもいいだろう』という考えから犯行に及んだ」と指摘。公務員として「公正性や透明性に関する信用信頼を大きく失墜させる行為で悪質」と非難した。
弁護側は、被告が自ら賄賂を要求した事実はなく「業者側から賄賂の提供を受け、出来心から受け取ってしまった」などと主張。事件後に懲戒免職処分となったことなどを踏まえ、情状酌量を求めた。
■賄賂「断り切れず」
常陸大宮市の事業を巡る汚職事件で、収賄の罪に問われた大森被告は12日、水戸地裁での初公判に黒のスーツに白っぽいネクタイ姿で出廷し、関係者の座る傍聴席に深く頭を下げてから証言台に立った。被告人質問で賄賂を受け取った理由を問われると、「どうしても断り切れなかった」と当時の胸中を語った。
事件当時、市道整備の対象となった用地の取得交渉を担当していた被告。公判では、賄賂を得る目的で特定業者を紹介したわけではないとし、一度は拒んだ賄賂に関し「どうしても断り切れず、仕事が大変だったので受け取ってしまった」と話した。
事件後、賄賂と同額の14万円を弁護士会に「贖罪(しょくざい)寄付」したといい「公務員として悪いことをした。罪を償いたいと思った」と意図を説明した。弁護人から、受け取った賄賂と事件の代償が釣り合うか聞かれると、ややかすれた声で「釣り合いません」と答えた。
最終意見陳述では「市民や職場の皆さん、家族に迷惑をかけてしまった」と涙ながらに謝罪し、去り際に目頭を拭った。