奈良県上牧町は、町立中学校の統廃合に伴い、3月に閉校した上牧第2中学校の跡地に「災害トイレ」を整備した。地震などの災害時に近隣住民らの避難所になるためで、令和6年の能登半島地震を教訓に下水道が機能しなくなる有事に備える。
導入したのは、浄化槽の維持管理事業などを行う四国浄管(高知市)の防災向け製品「災害トイレ2Ways大地くん」で、500人が30日間使える。
同製品は、水洗機能がある洋式トイレ10基分(うち2基分は車椅子対応)の備品や、便器設置場所のマンホール、屎尿(しにょう)をためる目的の地下タンクなどで構成。平時は地下タンクに備品を備蓄し、有事になれば地上にトイレを組み立てて使う。
便器の洗浄に使う水は定期的に補充する必要がある一方、トイレ使用時や夜間時はセンサー付きのLED照明で明るくなる工夫が施されている。屎尿がたまれば、バキューム車で回収する。
4月27日に災害トイレのお披露目式が行われ、阪本正人町長は、「(能登地震で派遣した町職員から)避難民がトイレに困っているという報告があった。全国各地で地震が起こる中、住民の安心・安全につながる備えを進めたい」と意義を強調。防災訓練で災害トイレを組み立てる訓練も行うとした。
四国浄管の担当者は「下水道が破断した場合でも、2時間あればその場で組み立て、30日間トイレを使い続けることができるように考えた」と説明した。