- 1二次元好きの匿名さん26/05/17 22:02:55
- 2二次元好きの匿名さん26/05/17 22:05:26
立て乙
- 3二次元好きの匿名さん26/05/17 22:05:28
消えてしまったので消えた分貼ります
side虎杖
先に電話すべきだったのかもしれない
日車の住むマンションの、部屋の前まで来ている
パーカーのポケットに手を突っ込んだまま嫌な汗をかく
この部屋
日車と、日車の恋人が住んでる
その2人の生活を垣間見ることになってしまいそうで、俺の心はじくじくと疼く
でもそんなのどうでもいい、と額をこする
だって俺の気持ち云々より、日車の心配をするほうが先だ
その時、ドアに何かがぶつかる音がした
くぐもった声がする…日車の声のような気がした
ピンポーン
俺がチャイムを押すと、ドアの向こうが静かになった
息をひそめているような気配がある
「…日車?」俺は呼んでみた
ドアの向こうで激しく呼吸する声が聞こえた
何か言いたいのに言えない、そんな切迫した息づかいだった
反射的に俺はドアを叩いた
「…日車?いる?」
そこにいるんだ。本当に体調、悪いのかもしれない
そう思うと焦った
「…あのさ。大丈夫?具合悪くしてない?……日車、いるんだろ?」
声を出そうとして何かに塞がれて、を繰り返してるような苦し気な声
もう一度ドアを叩こうとしたときに、か細いながらも待っていた声がした
「…虎杖」 - 4二次元好きの匿名さん26/05/17 22:06:39
「日車、大丈夫?もしかして具合悪いのかもしれないって思って」
「来るな!!!」
ドアが一瞬揺れたような気がするほど強く叩かれて俺は飛び跳ねた
日車の怒鳴り声を聞くのは随分ぶりだった
初めて、あの劇場で出会ったとき。戦ったとき
その時の怒鳴り声に近い、感情がバラバラになったような響きだった
「いや、来るなって言っても、俺心配で」
「だめだ!君は来るな!」
何度もドアが殴られた
「なんで来たんだ!こんな俺を!見るな!だって俺は!許されないだろうこんなことは!君が何より大事なのに!!君を汚す気なんてなかったのに!!!…俺が愚かなせいだ、俺のせい…」
語尾が小さくなって、今度は誰かと話しているようにひそめられる
「……ああ、そんな怖い顔をしないでくれ…許してくれ、君を裏切ったんじゃないんだ…君は彼とは違う…彼は手に入らない、君は俺のものだし俺は君のものだ…でも彼には見られたくない…いやだ、やめてくれ彼に聞かせないでくれ…」
「…日車?」
「君だ、君だけだ…俺には君だけ…」
布がこすれるような音と、またドアにぶつかる音
日車の小さな喘ぐような息づかい
ささやかな音量だから聞こえないが、ぼそぼそと言い訳のような会話
「ひぐ、」
「うん…好きだ…」
日車の、どこかうっとりしたような声がした
「好きだ、君だけが好きだ…違う、彼はただの…友人だ。…君とのひとときを邪魔されたくなくて…」
誰かに言っている
ああ
恋人がそこにいるのか
俺の体温が一気に冷えた
「…虎杖、帰ってくれ。今日は…頼む。俺は…彼と、いたい」
君はいらない、とはっきり言われた気がして
……俺は何も言えず踵を返すしかなかった
マンションのエントランスを抜けるときも、心臓が鼓動するたびズキズキしていた - 5二次元好きの匿名さん26/05/17 22:09:45
- 6二次元好きの匿名さん26/05/17 22:11:05
たておつ!
- 7二次元好きの匿名さん26/05/17 22:13:19
新スレ立て&再貼りおつです
どうにかなれ……どうにかなれ…… - 8二次元好きの匿名さん26/05/17 22:16:01
side 虎杖
ふらつく足取りで自室へ帰った
いやだ…いやだいやだ、日車
理性ではそんなこと俺に思う資格はない、と思うのに脳が言うことをきかない
リビングにもつれこむと柔らかな手が俺の肩に触れた
「…悠仁」
広美
やや下がった眉、尖った鼻、寂しそうな笑顔…
俺を包んでくれる
「…悠仁、どうしたの。大丈夫?」
…広美。なんで俺の部屋にいるんだっけ…?分からない、分からないけど俺は広美の体を抱き返す
「…悠仁。誰のこと考えてるの」
優しく問われて俺は罪悪感から何も言えなくなる。…でも、骨ばった指で後ろ首を撫でられて観念する
「…放っておけないと思ってた人がいてさ。…俺が、見てないとダメだ、って思ってたんだ」
「うんうん」
「……俺、その人に恋人いたのがショックで」
「うんうん……悠仁は、きっとその人が悠仁のことを好きだったって思ってたんだね」
…そうなんだろうか
…そうかも
日車は、俺に変な思い入れがあるみたいだった
俺はそれがくすぐったかった。…嫌なわけじゃない。決して
…でも、うまく応えられる気はしなかった
………だから、ずっとどうしたらいいか分からなくて。それで、放っておいた……
「…悠仁はその人のことがずっと好きだったんだね」
「……ひろみ、おれは」
「でも君は私が俺の姿だったとしても、きっと惹かれることはなかっただろう?」
急に声が全く変わった。俺は顔を上げた
そこには俺を見下ろす日車の姿をした人がいた - 9二次元好きの匿名さん26/05/17 22:17:52
呪霊だ!!!!
- 10二次元好きの匿名さん26/05/17 22:23:17
正体現したね
- 11二次元好きの匿名さん26/05/17 22:23:33
思わずゾッとしたぞ!