底辺配信者3
配信してない頃は「同接1000行ってないやつはゴミ」そう思っていた。自分が配信を始めてみて分かった。自分に興味を持ち自分に時間を預けてくれる人を作るのがどれほど難しいかということを。
今なら分かる。配信って、ただゲームをしてれば人が来る世界じゃない。
面白いやつなんて山ほどいる。ゲームが上手いやつも、喋りが上手いやつも、声がいいやつも、企画力があるやつも腐るほどいる。その中で「この人を見たい」と思ってもらうのは、本当に難しい。
しかも視聴者は残酷なくらい正直だ。
つまらなければ閉じるし、他に面白い配信が始まればそっちに行く。別に悪気があるわけじゃない。ただ、それが配信サイトなんだと思う。
昔の俺は数字だけ見て笑っていた。でも今は、同接10でも20でも、人を集められること自体がすごいと分かる。
その数字の裏には、「この人の配信を開こう」と思った人間がいる。何百、何千って配信がある中で、自分を選んでもらえている。
それって本当はすごいことだった。
でも、そうやって現実を知れば知るほど、自分の小ささも分かってしまう。
自分には何もないんじゃないかって思う日もある。喋りも微妙。ゲームもそこそこ。企画も浮かばない。配信をつけても無言の時間ばかり。
「向いてないんだろうな」って、何回も思った。
それでも辞めてないのは、多分まだ配信者になりたいからだ。
有名になりたいとか、稼ぎたいとか、それだけじゃなくて。「お前の配信好きだわ」って言われる側になりたい。
昔、自分が誰かの配信に救われていたみたいに。


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