「通勤手当が実費に見合わず赤字に」 ガソリン価格高騰で増える悲鳴 マイカー通勤の交通費、見直してもらえる? 社労士が解説
ガソリン価格の高騰が続いており、マイカー通勤者から「会社から支給される通勤手当が実費に見合わず、赤字になっている」という切実な声が聞かれるようになっています。ガソリン代だけでなく、車の維持費や点検費用など、会社負担になるのか疑問に思っている人もいるでしょう。そこで今回は、マイカー通勤における交通費の考え方や、会社へ見直しを相談する際のポイントについて、社労士の山城宣之さんにお話を伺いました。 【写真】「原油高で通勤交通費が赤字…」と感じたら、まずやるべきことの写真 ◇ ◇ ◇
交通費の支給基準に法律上の決まりはない?
会社ごとに支給額が違うマイカー通勤の交通費。「同じくらいの距離を走っているのに、友人の会社よりかなり少ない」「この計算方法って普通なの?」と疑問に感じたことがある人もいるかもしれません。 マイカー通勤の交通費には、法律で定められた全国共通の基準はありません。そもそも通勤手当の支給自体に法的義務がないため、支給方法や「1kmあたりの単価」の決め方は各企業にゆだねられています。実際には、「1kmあたりの単価制」方式や、「距離帯別定額制」など、さまざまな方法が採用されています。 とはいえ、実際にかかるガソリン代と支給額に大きな差があると、従業員にとって負担は小さくありません。山城さんは、「資源エネルギー庁が公表している最新のガソリン価格を参考にしながら、3か月ごとなど定期的に見直す運用が実務上は望ましい」と話します。
直線距離での算出は不公平ではない?
「実際の通勤距離より、交通費が少なく感じる……」。そんなケースでは、会社側の“距離の測り方”が関係している可能性があります。 交通費の算出では、実際の通勤経路ではなく、地図上の「直線距離」を採用している企業も少なくありません。現実の通勤経路は道路や線路の形状に沿うため、直線通りに移動できないので不公平に感じることもあるでしょう。 山城さんによると、直線距離を基準にすること自体に違法性はないため、会社の規程として定められている以上、基本的にはそれに従う必要があります。 ただし、実際の走行距離との差が大きすぎる場合には、不合理とみなされる可能性もあるといいます。近年は、従業員の納得感を高めるため、Googleマップなどを使った「実際の走行ルート」で距離を算出する企業も増えているそうです。