詐欺グループ・郵便局・買い取り業者の利害一致、レターパックで「錬金術」…カギは高い換金率
県警は、大量購入が可能な点も理由の一つとみる。切手も換金率は80%前後だが、古物営業法上の金券に該当し、日本郵便はクレジットカードでの購入は1回10万円を上限としている。一方、レターパックには制限がない。詐欺グループは一度に100万円分を購入したこともあったという。県警幹部は「クレジットカードとレターパックを使った錬金術だ」と語る。
県警は4月、レターパックの不正購入を黙認し犯罪収益の受け取りを手助けしたとして、局長ら2人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)ほう助の疑いで福岡地検に書類送検した。起訴を求める厳重処分の意見を付けた。2人は容疑をおおむね認めている。県警は、局長らが職場での評価を上げるために不正購入を黙認したとみている。
「厳格な運用を」
詐欺グループの摘発を受け、業者とフランチャイズ契約を結んでいた会社は昨年5月、業者の営業を停止し、契約を解除した。また、日本郵便九州支社は「再発防止策は講じているが、防犯上の観点から詳細は差し控える」としている。
読売新聞は同支社を通じて局長に取材を申し込んだが、「捜査中であり、取材はお断りする」との回答があった。店長からは15日までに返答がなかった。
郵政問題に詳しい熊本学園大の坂本正・名誉教授は「レターパックは利便性や公益性があり、高い換金率から見ても金券に準じて考えるべき商品だ。重要な通信手段が犯罪の温床とならないよう、日本郵便には厳格な運用や管理が求められる」としている。
事件の概要
投資名目で若者らからクレジットカードなどをだまし取ったとして、福岡県警は昨年3月、高阪被告らを詐欺容疑で逮捕した。その後の捜査で、被告らが詐取したカードで福岡城西郵便局から購入したレターパックや切手を買い取り業者に売っていた疑いが浮上。業者の当時の店長は組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で今年2月に逮捕され、罰金100万円の略式命令を受けた。