キッセイ薬品、血管炎治療薬の投与後20人死亡 新規投与中止呼びかけ
キッセイ薬品工業は15日、国内販売する血管炎治療薬「タブネオス」について、投与後に死亡した患者が国内で約20人報告されたと発表した。因果関係が不明なものも含まれる。肝機能障害も報告されており、医療機関に新規投与を中止するよう呼びかけた。
タブネオスは4月27日時点までで国内で約8500人に使用されたと推定される。市販後の調査で、肝臓内の胆管が消失する「胆管消失症候群」が死亡13例を含み計22例報告されたという。
現時点では日本での薬の承認は継続している。その上で当面の間は新規患者への使用を控えることと、継続投与中の患者にはリスクを伝えた上で継続投与の是非を慎重に判断するよう医療従事者に情報提供を実施しているとした。
タブネオスは米アムジェン傘下の米ケモセントリクスが開発した。キッセイ薬品は2017年にスイス企業から日本での独占的開発・販売権を取得し、ケモセントリクスが主導した国際臨床試験(治験)に参画した。治験で良好な結果を得たとして国内で承認申請し、22年6月に発売した。
タブネオスについて、米食品医薬品局(FDA)の医薬品評価研究センター(CDER)が米国市場からの承認撤回を提案していると明らかになっていた。CDERが4月末に公表した資料によると、米国開発元が治験段階で「データ操作」や「隠蔽」を行った疑義があるという。
欧州医薬品庁(EMA)も調査を始めている。最終段階の臨床試験(治験)においてデータの整合性に疑義が生じたとして、1月から専門の委員会で見直しを始めたと公表している。
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(更新)- 花村遼アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナーひとこと解説
今回の結果は副作用報告以上に、承認根拠となった治験データの信頼性そのものが問われている点が重大だと思います。FDAの資料を見ると、もともと統計的に有意でなかった結果を、統計的優位に見えるよう、いくつかの症例を再判定に変えた恣意的な操作が行われた可能性があるということです。これが事実であれば違反に該当しますが、この治験データ操作疑義は有効性に対する疑義であり、20例前後の死亡報告とは直接の因果関係がないように見えます。既に承認された多数に投与されている点から、どちらの論点も事実解明が急務だと思います。
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