JESO(地学オリンピック) 勉強法①予選編
本記事は①予選編です。
本選については②本選編
私は中高6年を通じて地学オリンピックに参加してきました。その中での失敗や、改善点などを踏まえて、勉強法の面に特化したまとめを書きました
地学は履修できる学校が少なく、勉強の情報も仕入れづらいかと思います。あくまで私個人のものですが、この記事が少しでも、今後JESOに参加される方の勉強面の一助となれば幸いです。
※傾向が変わるかもしれませんので、来年/再来年頃には消す予定です。ご了承ください
1 私の成績
おそらくあまり参考にはならないですが、信頼度評価用のデータとして一応掲載しておきます
第13回 1次:28/50、353位、2次参加資格なし
第14回 1次:40/60、283位、2次参加資格なし
第15回 1次:42/60、175位 2次:68/100
1次+2次:110/160 本選参加資格なし
第16回 1次:52/60、12位 2次:74/100
1次+2次:126/150 本選参加、 本選:(BACBCC)、銅賞
第17回 1次:57/100、7位 2次:94/100(CAAAAA)
1次+2次:151点 本選参加、 本選:(ACBAAA)、金賞、代表
2 勉強の時期
これも参考になるか非常に怪しいですが一応
中1~中2 地学基礎
中3 地学基礎、基礎なしに手を付けた程度
高1
秋~予選 予選対策 基礎なし地学までの理解、天文宇宙検定
予選通過後 本選過去問一周 鑑定対策等
高2
~夏 鉱物鑑定士試験、天文宇宙検定、気象の勉強
夏~9月 高校地学の基礎復習
9月~11月 本選過去問1周
11月~12月 予選過去問、予選対策
冬休み 気象・海洋・固体地球の勉強、東大地学
1月 2次対策、天文の勉強、本選1周
2~3月 東大地学、苦手な分野、演習など
3 対策(一次予選)
以下具体的な対策法を
ⅰ 使用した教材
ⅱ 勉強法ーインプット
ⅲ 勉強法ー演習
Ⅳ その試験について、受け方などの補足
と分けて書きました。まだ文が乱雑なところ、分かりにくいところなどがありますが適宜修正します
当たり前だと感じたら適宜読み飛ばして下さい
ⅰ特に使用したもの
地学基礎の教科書 予選過去問 センサー地学基礎 中学の地学 フューチャーアーススクール
上位を目指したい場合:
+α 浜島のニューステージ地学図表、基礎なしの啓林の教科書
ⅱ勉強内容ーインプット
・基礎の教科書を一通り読む
結局教科書が一番よくまとまっており理解しやすい。上位層を目指す場合に関しても、案外地学基礎の教科書の隅から隅までの情報は覚えられていない場合が多いうえ、そのままその表現を突かれることがあったりするので、満点を目指すなら、基礎の教科書を本当の意味で完璧にするのはかなり効果的だった。
・センサー地学基礎を解く
(私は問題を解くことで覚えられるタイプなので)初学としての地学基礎はセンサー地学基礎を2,3周くらいして固めた。それだけでかなり点数が取れるはずなので、ある程度やったら過去問に移った。
・中学の地学の復習
日食月食、星の動きなどが出るので確認しておくと良い。中学校での地学の授業の復習も役立った気がする。
・フューチャーアーススクールの講義を受ける
原理についてしっかり説明してくださるので、ぜひ申し込むとよい。
・基礎なし範囲の勉強:教科書、ニューステージ地学図表
上位を目指す場合、この時点で基礎なしもある程度済ませておく方が良いと感じた。
委員会の開催しているフューチャーアーススクールでは浜島の図表をベースに講義が行われており、筋金入りなので、網羅するにはこの図表が最適。
具体的には、
①教科書で一通り理解する
②図表を丁寧に読みこみ、疑問をたくさん探し、わからない所を炙り出す
③その都度先生や先輩に質問したり、インターネットで調べたりした。
読み込む際、ちょっとした数値、下の豆知識も覚えるようにしていた。②〜③にはかなり時間を費やした。高1本選までの時点での基礎なしの勉強はほぼこればかりだった気がする。
また、図表の最後にある目次で単語の一覧を見ていき、わからない単語、自分が説明できない単語はないかを確認した。
2次の時も復習と記憶定着として同じことをしていた。図表は全体で10周はした
わからない点があれば付箋に書き留め、後日質問し、書き込んでチェックをつける
・総合分野の対策:基礎の教科書か地学図表の環境系のページを読む
ここに載っていることだけで大体対応できる。IPCCや京都議定書などの話はよくあるので、総合対策こそ直前に叩き込むのが賢そう(常識ではある)
・総合分野の対策をガチる
①インターネットで自分なりにSDGs関連の情報を片っ端から集める
②地理の資料集で関係しそうなものを見ておく
③自分なりの総合問題対策用資料集をwordで作成
どうしても満点を取りたかったので、重箱の隅対策。
社会でやるような、ラムサール、世界遺産、世界と日本の、地形・資源上位3つシリーズなども含めまとめていた。
総合に関しては、自分はやりすぎた気がする。あまり気にしすぎない方が良い。その場で考えてみることを大切にしておけば大抵問題ない
ⅲ 勉強内容ー演習
・予選の過去問
問われるのは大抵いつも同じようなところなので、傾向を掴むのにはやはり過去問が最適。またこのタイミングで、「なんかこれ怪しいな」と思った表現、初めて見るような記述等があればすぐに印をつけておくことで、直しの時に確認しやすかった。一次対策としては優先度は低いが、550満点時代の過去問もできるだけ解いた方が良い。
(・2次予選の過去問:基本2次前に解く用に取っていました)
・共テ基礎、基礎なし過去問
JESO対策をしていればすらすら解ける気がする。時間をあまり割かずに解く練習になる。基礎は毎回、基礎なしも基本的に満点を目指していた(実際は基礎なしは90台をうろつくことが多かった)
・過去問の間違え直し、付随の調べ物
フズリナとカヘイ石の断面が見分けができなかったようです
写真のような過去問ノートを作成していた。
解いて点数を確認して終わることはせず、なぜ間違えたか・なぜ正答がそれになるかを確認するようにした。
例えば正誤問題系では、勿論自分の間違えた理由を追求するだけでなく、自分が正解していても、正答以外の選択肢のどこが間違いなのかまで吟味し、答えられるようにする。
インターネットや図表を活用して調べて、(JAMSTEC、気象庁等々、インターネットのサイトに飛んだりして) 発展的な内容まで掘り下げると、そうしているうちに地学的な議論をするにあたっての感覚も身についた。(個人的には、この探究時間が一番楽しい!!!!)
Ⅳ その他
・1次予選の問題は必ず一分縛りのタイマーで解く
インターネットにあった「繰り返しタイマー」を使用していた。六十分以内で自由に解いてしまうとかなり良い点が出てしまう。緊張しいなのでいかに緊張しないかの対策としてもこれは大事だった。
・問題を声に出しながら、自分で解説を喋ったりしながら解く
1次は家からのオンラインなので、私はこれをすることで勿体無いミスや勘違いを防げた。
「間違ったもの、を選べですね!よく注意しましょうね」「この写真はこれでこういうしくみでしたよね」「この問題はこれを求めていますね」「こんなのに1分も要らないでしょ!!気象に回してくださいよ!!」「これは楽勝ですね」等、どうでも良いことを永久に喋りながら解いていた(←緊張せずに済んだが、効果は保証しない)
4 対策(二次予選)
ⅰ使用したもの
一次予選の教材、センサー地学、もういちど読む数研の高校地学
ⅱ実際の勉強ーインプット
・センサーを解く
提示されている範囲としては地学基礎のみだが、本選に行きたいのなら基礎なしもほぼマストかなと感じる。実際、重力異常の問題が2次でも出た。とにかく何よりも、過去問を解くことを優先した上で、基礎なしに関してはセンサー地学を解けていれば大抵のことは頭に入っていると思う。1次よりは考える問題が多いので、原理理解を完璧にしておく。
・もういちど読む数研の高校地学 を周回する
この「もう一度読む」は「n度」と呼ばれるだけあって、定期的に読み返すと、知識整理、繋がりの確認として非常に有能。
ⅲ 実際の勉強ー演習
・過去問(2次予選含め)を解く
一次よりも考える能力が問われる。
・自分で解説を作る
中3~高2の2次までで、すべての予選に関して、6周ほどしたと思う。2次の直前期、最後のラウンドで、自分なりのミニ解説を作った。わからない問題は全て、極限まで解消してから臨んだ。先生方、過去の代表の先輩や同輩にたくさん質問した。(疑問があれば、ぜひ私のことも活用して下さい!)
Ⅳ その他
・どの試験でもいえることだが、解き始めにざっと全体で何が出てるか、大体どのくらいどこに時間を割くかをチェックするのがおすすめ。
・自分は緊張しないが鍵だったので、運動をしたり。
・ラムネのinゼリーを飲む:(効果不明)
・マークなのでマークミスだけは徹底して気をつける。問題は適宜印を入れながら解く。「間違っているモノを」「単位はこれで」などの要注意事項には特に激しくチェックなど。正誤の見直しは、すべてやると時間がないので、「正しい」と思った選択肢が本当に正しいかを観察するとミスは減った。
●主観コーナー※完全なる主観なので読み飛ばしていただいて構いません。
「なぜそうなるのか」「その分野においてどのパラメータが重要か」など、原理の追求に重きを置くと、現象の理解もしやすくなり、また地学がもっと好きになると思う。
簡単な例でいえば、気象や海洋分野において、風や海流の流れの向きを考える際、南半球になったり、違う惑星での議論になった途端に分からなくなったり、条件を変えられた際に悩んでしまうことが多いように感じる(自分が中1、中2の時期は、そのような応用が苦手でした)。
この場合、流れの方向が、圧力傾度力と転向力(遠心力、摩擦力)に依存し、つり合いを維持するように成立するという認識に加えて、それぞれの力がどういうシステムで生じる力なのか理解していれば、簡単に考えられるようになる。このような原理理解の点に関してわからないことがあれば、学校の先生に聞いたり、人を頼ると思考が整理されて理解がスムーズになることが多いのでお薦めする。
また、「オーロラと流星の発光高度はどちらが上空か」など、一見「そんなの知らない!」となるようなところを問われるときがあるが、こういうものこそ、先ほど述べたように「どういう原理で起こる現象か」を考えれば解けることが多い。オーロラは太陽風由来のプラズマ粒子と気体分子の衝突による励起、流星は塵が大気に突入する際に大気分子と衝突して高温になること を理由に発光するとわかっていれば、大気分子の多いより下層が流星かな、と、なんとなく推測がつく。
ほかにも、12回予選、大問4-問7 でも、活火山を所有するか否かではなく、火山フロントの位置を考えれば、火山フロントから外れた場所を選べば良いだけの問題になる。
●参考資料一覧
挙げた本やサイト、資料の一覧を作成しておきます(未)
4 まとめ、これからJESOに参加される方へ
今回はあくまで「JESOの試験」の対策について書きました。ですが、JESOをはじめとした競技科学の参加を通じて得られるものは、単に得点としての力の向上以上に、同じ学問が好きな仲間や尊敬するたくさんの人との出会い、自分の興味の幅を広げるきっかけ等、数えきれないほどあると感じています。勉強を通じて、地学を通じて、なによりも、そういった魅力を全力で堪能できますように!


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