年間予算2兆円超、人員2万人超──。世界で圧倒的な規模を誇る諜報(ちょうほう)機関、米中央情報局(CIA)は、日本にも情報網を張り巡らせている。テレビでよく見るあの人もCIAの協力者だ。防諜(ぼうちょう)を担う警視庁公安部外事課の元捜査員、勝丸円覚氏は先ごろ、『諜・無法地帯 暗躍するスパイたち』を上梓(じょうし)した。中国やロシア、北朝鮮など非友好国にとどまらず、米国をはじめとする友好国のスパイ活動についても、実体験に基づき赤裸々に描く。日本における、知られざるCIAの活動実態を勝丸氏に聞いた。
日本にいるCIAの情報機関員たちはどのように情報収集しているのですか。
勝丸円覚氏(以下、勝丸氏):日本で顔が広く、情報をたくさん持っている人物や、記者のように様々な人に会える立場の人物などを協力者として獲得しています。CIAが関心を抱いている分野の情報を提供してくれる人が、協力者の定義となります。その範囲は広く、私も警視庁外事課の捜査員としてCIAの機関員とは情報交換をしていたので、彼らから見れば私も協力者となるかもしれません。
日本のテレビで活躍している米国出身のあるタレントは、CIAの協力者です。CIAの機関員とレストランで食事したり、パーティーで親しげに話したりしている姿を確認しています。タレント本人に「自分はCIAの協力者である」という自覚はないかもしれませんけどね。
テレビ業界には諜報機関の協力者が多くいるのでしょうか。
勝丸氏:ちょっと前まで日本のテレビ番組に出演していたロシア国籍の俳優が、ロシアスパイの協力者でした。バラエティー番組などで、エピソードを短くまとめた再現ドラマが流れるときがあると思います。そこによく出演していました。
このロシア人俳優は東京都内のレストランでロシア対外情報局(SVR)のスパイとよく会食していましたね。在日ロシア人コミュニティーの中にいる反プーチン派や親ウクライナ派など、プーチン政権にとって好ましからざる人々の情報を提供していたのではないかとにらんでいます。
最近、この人物をテレビで見かけません。ロシアに帰ったのかもしれませんし、体調を崩したのかもしれません。
CIAは日本でどのような体制を敷いていますか。
勝丸氏:米国大使館にCIAの東京支局長がおり、その下で機関員らが政治、官僚、法執行機関というように、それぞれ担当に分かれて活動しています。何の担当なのかよく分からない人もいました。
現場に出る機関員たちは、日本語がペラペラです。CIAに所属していることは明かさずに、米国大使館の職員として日本人に接触してきます。
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