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適応障害から学んだ。しんどい時ほど見落としてはいけないこと
「さっ!切り替えよう」 しんどい時の僕は、この言葉で自分を立て直そうとしていた。
落ち込んでいても、引きずるのはよくない。 早く動かなきゃ。 前向きにならなきゃ。
そうやって、自分の背中を押していた。
でも今ならわかる。 あの頃の僕は、しんどい時ほど一番見落としてはいけないものを見失っていた。
それは、今の自分がどんな状態なのかということだ。
前を向く言葉は、ときに自分を追い詰める言葉にもなる。

しんどい時ほど、早く元に戻ろうとしていた

当時の僕は、しんどいこと自体はわかっていた。 疲れている。 余裕がない。 気持ちが沈む。 うまくいかない。 そういう感覚は、もちろんあった。
でも僕は、その自分を見ようとする前に、早く元に戻そうとしていた。
落ち込んでいるなら、切り替えればいい。 動けないなら、気合いを入れればいい。 考えすぎるなら、前を向けばいい。
そんなふうに、しんどい自分を理解する前に、しんどくない自分に戻そうとしていた。
今振り返ると、それが苦しさを長引かせていたんだと思う。
しんどい時に必要だったのは、切り替えの速さじゃなかった。 今の自分を見失わないことだった。
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苦しい時ほど、自分のことが見えなくなる

しんどい時って、ただでさえ余裕が減っている。 考える力も、感じる力も、整える力も落ちやすい。
なのに、その状態のまま「早く戻らなきゃ」と自分を急かすと、さらに自分の声が聞こえなくなる。
たとえば、夜。 本当はもう疲れているのに、机に向かっている。 やることリストを開いて、手は止まっているのに、頭の中だけはずっと動いている。 「今日も進まなかった」 「このままじゃダメだ」 「さっさと切り替えないと」 そんな言葉ばかりが増えていく。
あるいは、朝。 起きた瞬間から重い。 でも、「疲れてる場合じゃない」と気持ちを押し込めて、いつも通り動こうとする。 笑おうとする。 ちゃんとしようとする。 だけど、心の中ではもうかなり無理をしている。
他にも、他の人の仕事ぶりを見て、必要以上に落ち込む日があった。 焦っているだけなのに、「自分は遅れている」と感じてしまう。 疲れているだけなのに、「努力が足りない」と思ってしまう。
しんどい時ほど、人は自分を見失いやすい。
しかも厄介なのは、追い詰められている時ほど、その自覚が持ちにくいことだ。
余裕がある時は、 「ちょっと疲れてるな」 「今、焦ってるな」 「少し休んだ方がよさそうだな」 と気づけることがある。
でも、余裕がなくなると、その一歩引いた視点が持ちにくくなる。 焦っている時ほど、自分は冷静だと思いやすい。 無理している時ほど、まだ頑張りが足りないように感じやすい。 限界に近い時ほど、「もっとちゃんとしなきゃ」と思いやすい。
人は追い詰められると、弱っている自分に気づく前に、 足りない自分を責めやすくなる。

見落としていたのは、気合いじゃなく「今の自分」だった

僕自身、その時の自分がちゃんと見えていなかった。 見えているつもりで、実際には思考や感情に入り込みすぎていた。
落ち込んでいる自分。 焦っている自分。 自分を責めている自分。 それを「状態」として見るんじゃなくて、「正しい現実」として受け取っていた
だから、さらに自分を押した。 さらに切り替えようとした。 もっとちゃんとしようとした。
でも、そこで必要だったのは、気合いじゃなかった。
必要だったのは、今の自分を一段外から見ることだった。

メタ認知は、立て直しより先に「予防」の力になる

いわゆる、メタ認知だ。
メタ認知というと難しく聞こえるけれど、僕は 「今の自分の状態に気づける力」 だと思っている。
「今、自分はかなり焦っているな」 「今、自分を責める言葉が強くなっているな」 「今の不安は、現実そのものというより、自分で大きくしているのかもしれないな」
そんなふうに、今の自分を少し外から見る力。
これがあると、しんどさが一瞬で消えるわけではない。 でも少なくとも、しんどい時にさらに自分を追い込んでしまう流れには気づきやすくなる。
だから僕は、メタ認知は立て直しの技術である前に、悪化を防ぐための予防の力だと思っている。
人は、いきなり限界になるわけじゃない。 少しずつ無理がたまって、少しずつ余裕が削られて、少しずつ自分の声が聞こえなくなっていく。
その途中で、
「今の自分、ちょっと危ないかもしれない」 「これは怠けじゃなくて、余裕が減っているサインかもしれない」 「今は進むより、整える方が先かもしれない」
そう気づけるだけで、流れはかなり変わる。
メタ認知は、しんどくなってから使う技術じゃない。 しんどくなりすぎないために育てておく力だ。

本当にしんどい時ほど、メタ認知は使いにくい

ただ、ここで大事なのは、メタ認知は本当にしんどくなってから急に使えるようになるものではないということだ。
追い詰められている時ほど、自分を見る余裕はなくなる。 だからこそ、元気な時、少し余裕がある時、普段から育てておく必要がある。
これは筋トレみたいなものだと思う。 本番で急に使おうとしても難しい。 でも、普段から少しずつやっておくと、しんどい時に踏みとどまる力になる。
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最後に

適応障害を通して学んだのは、しんどい時ほど、自分を前に押し出すことが正解とは限らないということだった。
むしろ、しんどい時ほど必要なのは、 早く戻ることでも、無理に前向きになることでもなく、 今の自分がどうなっているのかを見失わないことだった。
「さっ!切り替えよう」 昔の僕は、その言葉で自分を助けようとしていた。
でも本当に必要だったのは、切り替えることより先に、 今の自分の苦しさや無理や焦りに気づくことだった。

まとめ

しんどい時ほど、人は自分を急かしたくなる。 でも、その時に見落としてはいけないのは、自分の状態だ。
そしてそれは、限界の時にいきなりできるようになるものじゃない。
  • 普段から自分を見る
  • 自分のサインに気づく
  • 自分の状態を言葉にする
  • 自分を整える問いを持っておく
その積み重ねが、苦しい時の自分を助ける力になる。
自分を助ける力は、気合いより先に、 自分を見失わない力なんだと、今は思っている。

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メタ認知用の問い

しんどい時ほど、答えを急がず、まずはこの問いを自分に向けてみて欲しい。 今の状態に気づく問い
  • 今の自分は、何を感じている?
  • 体はどんな状態?
  • 頭の中は静か? それとも散らかってる?
自分を追い込む流れに気づく問い
  • 今、何をやらなきゃと思っている?
  • 今、自分にどんな言葉をかけている?
  • 今の自分に足りないのは努力? それとも余裕?
現実と感情を分ける問い
  • 今の不安は、事実? それとも想像?
  • 今の思考は、冷静な判断? それとも疲れた頭の反応?
  • 今の自分は、問題を見ている? それとも自分を責めている?
行動を整える問い
  • 今できる一番小さな一歩は何?
  • 今日は進む日? 整える日?
  • 今の自分を守るために、やめた方がいいことは何?
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メンタルチェックシート

最近の自分に、いくつ当てはまるかを見てみて欲しい。 当てはまる数が多いほど、「頑張り方」より先に「状態確認」が必要なサインかもしれない。
心の状態
⬜︎ なんとなく常に焦っている ⬜︎ 小さなことで自分を責めやすい ⬜︎ 落ち込んでも、すぐ無理やり切り替えようとする ⬜︎ 不安が強いのに、「大丈夫」と押し込めている ⬜︎ 前向きになれない自分にイライラする
思考の状態
⬜︎ 同じことを何度も頭の中で繰り返している ⬜︎ 最悪のパターンばかり考えてしまう ⬜︎ 物事を冷静に整理しにくい ⬜︎ 「ちゃんとしなきゃ」が増えている ⬜︎ 判断より先に自己否定が出てくる
行動の状態
⬜︎ やることがあるのに手が止まる ⬜︎ 返信や連絡がしんどい ⬜︎ 休んでいても休まった感じがしない ⬜︎ 何から手をつければいいかわからない ⬜︎ 人の発信や成果を見て、必要以上に落ち込む
体の状態
⬜︎ 朝からもう疲れている感じがある ⬜︎ 眠ってもスッキリしない ⬜︎ 胃や肩、頭などに負担を感じやすい ⬜︎ 呼吸が浅い、または力が入りやすい ⬜︎ 以前より明らかに回復しにくい
目安
  • 0〜4個:大きな崩れは少なそう。普段のセルフチェックを継続
  • 5〜9個:余裕が減り始めているサイン。予定や期待を少し緩めたい時期
  • 10個以上:かなり無理がたまっている可能性あり。前に進むより、整えることを優先したい状態
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
僕自身、大きな不安を抱えながらも、ごきげんに行動を続ける方法をずっと試してきました。 その中で見えてきた「ごきげん行動術」を発信しています。 考えすぎて動けない完璧主義のあなたへ。 「これ、自分も同じだ」と思った方は、ぜひ他の発信も覗いてみてください。 →
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