【EPARKと契約している店舗は要チェック!】Googleマップの「予約ボタン」が勝手に書き換えられている問題
現在、Googleビジネスプロフィールの予約ボタンのリンク先が、手数料を徴収する外部の予約サービスに勝手に変更されている事件が続出しています。
2026年に入ってから歯科クリニックや薬局を中心に話題となり、SNS上でも「EPARK歯科のボタンが勝手についていた」「EPARKくすりの窓口に予約を横取りされた」という声が相次いでいます。
今回はこの問題の原因と解決策について解説していきます!
Googleビジネスプロフィールの「予約」は2種類ある
①「オンライン予約ツール(予約リンク)」
これは、事業者自身が任意のURLを登録できる機能です。
自社公式サイトの予約ページ、LINE公式アカウントの予約フォーム、Reserva・STORES予約などの自社と契約している予約システムのURLなど、好きなリンクを設定できます。
PCではリンクとして表示され、スマートフォンでは「予約する」ボタンから選択できる形で表示されます。
複数のリンクを登録したうえで「優先リンク」を一つ設定することも可能です。
この機能は、店舗オーナーが自分で登録・変更・削除できるため、コントロールしやすいという特徴があります。
②「Googleで予約(Reserve with Google)」
もう一つが、今回問題となっている「Googleで予約」ボタンです。
これは、Google Actions Center(Googleの予約プラットフォーム)の審査を通過した予約プロバイダ(外部の予約サービス)が設置できるボタンです。Googleと提携している予約サービスが条件を満たすと、対象店舗のビジネスプロフィールに「予約」ボタンを追加できる仕組みになっています。
重要なのは、このボタンはビジネスオーナー(店舗側)が設定するものではなく、外部の予約サービス側が設定するものだという点です。つまり、店舗側が「登録した覚えがない」のに、気づいたらボタンが表示されているという事態が起こります。
なぜ「勝手に」ボタンが付くのか
予約プロバイダとは
Google Actions Centerの審査をクリアした予約サービスは「予約プロバイダ」として認定されます。現在、国内で確認されている主な予約プロバイダには以下のようなサービスがあります。
・ぐるなび
・ヒトサラ
・一休.com
・EPARK(EPARK歯科・EPARKくすりの窓口など)
・エキテン
・ネイルブック
・STORES予約
・HOT PEPPER Beauty
・キレイパスコネクト
・デジスマ診療
・fun now
これらのサービスに自店舗が登録されている場合、そのサービスがGoogleと連携した際に、自動的に「予約」ボタンが設置される可能性があります。
2026年1月のEPARK歯科の事例
2026年1月20日、EPARK歯科(エンパワーヘルスケア株式会社が運営)が「Reserve with Google」との連携を開始したことを公式にリリースしました。対象は、EPARK歯科と掲載契約・台帳契約を結んでいてネット予約が利用可能な歯科医院です。
このタイミングから、多くの歯科クリニックのビジネスプロフィール上にEPARK歯科の予約ボタンが自動で表示されるようになりました。SNSで「了承していないにもかかわらず勝手にやられた」と投稿されることが増え、大きな反響を呼びました。
返信欄を見ると、多くのクリニックが同様の問題にそれまで気がついていなかったことがわかります。
予約ボタンの追加がなぜMEO対策での問題になるのか
「ボタンが増えるだけなら、むしろユーザーの利便性が上がっていいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、MEO対策・経営の観点から見ると予約ボタンが増えることにはリスクもあります。
リスク①:予約手数料が取られる
多くの予約サービスは固定利用料ではなく、予約1件ごとに手数料を徴収する従量課金制を採用しています。手数料の相場はサービスや業種によって異なりますが、数百円〜数千円、あるいは予約額の数パーセントに相当するケースもあります。
これまで自社公式サイトや自前の予約システムを通じて(つまり手数料ゼロで)予約していたユーザーが、気づかないうちに手数料のかかるサービス経由で予約するようになってしまいます。
毎月100件の予約が外部サービス経由になり、1件あたり500円の手数料がかかるとすれば、年間60万円の追加コストが発生することになります。しかも、勝手に追加されてしまうため店舗オーナーはそのコストが発生していることになかなか気づかない可能性もあるのです。
リスク②:顧客データへのアクセスを失う
外部の予約サービス経由で予約が入った場合、顧客の個人情報(氏名・メールアドレス・電話番号など)は外部サービスが保有することになります。
自社の顧客管理システムにデータが蓄積されなくなるため、リピーター促進のためのメールマガジン配信・ポイントプログラムの活用・パーソナライズされたサービス提供といった集客の効果が下がる恐れがあります。
お客様との関係を育てることがリピーター獲得の要であるにもかかわらず、その接点を外部サービスに奪われてしまうリスクがあります。
店舗側が気づきにくい理由
この問題がさらに厄介なのは、店舗オーナー側がなかなか気づけないという点にあります。
理由①:ボタン追加の通知がない
現在のところ、Googleビジネスプロフィールには「予約プロバイダがボタンを設置した」という通知機能がありません。
日常的にプロフィールを管理していても、検索結果上に何が表示されているかをいちいち確認することは少ないため、気づかないまま数ヶ月・数年が経過してしまうケースがあります。
理由②:管理画面から確認できない
Googleビジネスプロフィールの管理画面(オーナー画面)を見ても、外部プロバイダが設置したボタンはオーナー側で設定した項目として表示されません。つまり、管理画面を確認しても「自分で設定した予約リンク」しか見えず、外部ボタンは見つけられません。
理由③:表示の見え方がわかりにくい
ユーザーが実際に検索したときの表示(検索結果・Googleマップ)を定期的にチェックしている事業者は多くありません。
PCやスマートフォンで自店舗名を検索し、GBPのナレッジパネルを確認する習慣がなければ、勝手に追加されたボタンが気づかれないまま長期間放置される事態になりかねません。
今すぐできる確認方法と対処法
自店舗名で検索して確認する
まず、スマートフォンとPCの両方から自店舗名でGoogle検索し、ナレッジパネルを確認してください。特にこの部分をチェックしてください。
・「予約」「オンラインで予約」「予約する」などのボタンが表示されていないか
・表示されている場合、そのリンク先はどのサービスか(ボタンを実際にタップ・クリックして確認する)
・意図していない外部サービスへのリンクになっていないか
飲食・クリニック・薬局・スクール・ビューティー・リラクゼーション系の業種は特に注意が必要です。
意図しないボタンが見つかった場合の対処法
意図しない「Googleで予約」ボタンが見つかった場合、そのボタンを設置した予約サービスに対して直接削除を申し出る必要があります。
どのサービスのボタンかは、ボタンをタップしてリンク先のURLやサービス名を確認することでわかります。依頼先が判明したら、そのサービスのサポート窓口(メール・電話・問い合わせフォームなど)に以下を明記して連絡します。
・店舗名・住所(Googleに登録している正式な情報)
・Google検索上に表示されている予約ボタンの削除を希望すること
・表示確認した日時とURL(スクリーンショットも添付すると効果的)
Googleのローカルビジネスリンクポリシーでは、削除の申し出があった予約プロバイダは5日以内に削除を実行する義務があります。
対応されなかった場合は、ポリシー違反となりますのでGoogleにも問い合わせしてみましょう。
削除に応じてもらえない場合・Googleへの違反報告の仕方
予約サービスへの連絡後も対応がない・返事がない場合は、Googleのサポートに「サードパーティポリシー違反」として報告することができます。Googleビジネスプロフィールヘルプの「Business Profile third party complaint」から申し出が可能です。
過去には、サービス業者への直接連絡では解決せず、Google経由の介入でようやく対処されたケースも報告されています。
削除対応が遅い場合は、サービスへの再連絡とGoogleへの違反報告の両方を並行して進めることをおすすめします。
定期的な監視をする
一度ボタンを削除しても、予約サービス側のシステム変更やGoogle側の仕様変更によって、再びボタンが表示される可能性があります。
月に1回程度、自店舗名での検索チェックを習慣化することが重要です。
予約ボタンのメリット
ここまでは予約ボタンのデメリットを説明してきましたが、すべての店舗にとって「外部予約ボタンを削除する」ことが正解とは限りません。
外部の予約サービスが設置するボタンにはメリットもあります。
・「予約する」ボタンがナレッジパネルの目立つ位置に表示されるため、ユーザーの行動コンバージョン率が高まる
・そのサービスをすでに利用しているユーザーは、アカウント情報を入力する手間なく予約できる
・サービスによっては、そのプラットフォームから新規顧客を呼び込む効果もある
特に、すでにその予約サービスとの契約関係があり、手数料も承知のうえで活用しているならば、「Googleで予約」ボタンは追加のコストなしに集客力を高める手段となります。
重要なのは、意図的に選択しているかどうかです。
知らないうちに表示されていて、気づかないうちにコストが発生しているというのが問題の本質であり、「把握したうえで活用する」のであれば有効なMEO施策の一つになりえます。
Googleに求められる改善|業界全体の課題として
今回の問題を受けて、MEO業界や店舗オーナーからは、Googleに対する改善要望の声も上がっています。
予約ボタンを維持するとしても、最低限「予約プロバイダがボタンを追加しました」という通知をオーナーに届けるべきではないかという意見があります。通知だけでなく、オーナーが「承認」か「拒否」を選択できるフローが望ましいのではないでしょうか。
現状、意図しないボタンを止めるには予約サービスへの削除依頼→サービスの対応という手順が必要で、即座に止めることができません。
Googleビジネスプロフィールの管理画面から、オーナーが一時的に外部予約ボタンを停止できる機能があれば、被害を最小化できます。
このような機能的改善が実現するまでの間は、事業者が自衛するしかない状況です。だからこそ、定期的な確認と対応が不可欠となってきます。
一度、店舗名で検索してみてください
Googleマップで自店舗名を検索し、意図しない予約ボタンが表示されていないか確認してください。
特に、歯科クリニック・薬局・美容院・ネイルサロン・整体院・鍼灸院・飲食店など、予約を主な集客手段としているすべての業種では、かなり大きな問題なのではないでしょうか。
Googleビジネスプロフィールに登録していなくても要注意
これは「Googleマップに自店舗を登録していないから大丈夫」といった問題でもありません。
Googleビジネスプロフィールは、店舗オーナーが自ら登録しなくても、Googleが地図データやネット公開情報をもとに自動的にプロフィールを生成することがあるからです。いわゆる「オーナー未申請のプロフィール」です。
問題なのは、オーナー申請をしていなくても、予約プロバイダはそのプロフィールにボタンを設置できてしまう点です。「自分はGoogleに登録していないから関係ない」とは言い切れません。
自店舗名で検索し、Googleマップやナレッジパネルに情報が出ていれば、オーナー申請を行うことを強くおすすめします。申請することで管理権限が得られ、情報の修正や予約リンクの設定など、プロフィールのコントロールが可能になります。
「登録していないから安心」ではなく、「登録していないからこそ危うい」という認識を持っておいてください。
「予約リンク」と「Googleで予約ボタン」、どちらが優先されるのか
結論からいうと、どちらが優先されるかはGoogleのアルゴリズムや端末・地域・検索状況によって異なり、事業者側でコントロールすることは難しいのが現状です。
ただ、一般的な傾向として、「Googleで予約」ボタンは検索結果のナレッジパネル上で視認性の高い位置に表示されることが多く、ユーザーの目に留まりやすい傾向があります。一方、事業者が設定した「予約リンク」はPCでは別途リンクとして表示され、スマートフォンでは「予約する」ボタンの中に折りたたまれて表示されることがあります。
つまり、両方が存在する場合、ユーザーの動線としては外部サービスのボタンのほうが先に目に入るケースが多くなりがちです。「予約リンクを設定しているから大丈夫」と思っていると、実際には外部ボタン経由の予約が増えていた、という状況が起きやすい点に注意が必要です。
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