第65話 6月5日 ラブホテル購入

 6月5日……土曜日。


「本当に物件の権利書が売られてたわ……」


「だから言ったろ」


 土曜日、本来だったら郊外の社の異界に行こうと思っていたが、オナホ職人からオナホにされた人達を貰ってきて、色々予定が狂った。


 本当ならまだ売値が下がりそうだった元かほが働かされていたラブホテルを380万円で裏フリマで購入し、今日はレオンと共に物件の確認をしに行く。


「でもなんでこんなに捨て値なんだ?」


「ここで働いていた人達は催眠術で無理やり働かされていたんだが、その催眠術師が倒されて催眠が解けた瞬間に暴れたり自殺したり……更にそのバックに居たヤクザも抗争で壊滅して悪霊がうじゃうじゃいるヤバい物件になったんだよな」


「おい、それじゃあ俺らもやばいんじゃ」


「あ、俺除霊できるから問題ねーから。それより現金は引き出してきたか?」


「ああ、これで購入だよな」


「それであってるよ」


 レオンが物件を購入し、封筒が送られてきたので、その中に万札を詰めていく。


 380万円ちゃんと入ったのを確認すると再転送されて、物件の権利譲渡関係の書類が送られてきた。


「じゃあレオン偽造した身分証通りに記載しておいてくれ。俺その物件の除霊しておくから……そうだな2時間後目処に来てくれ」


「わ、わかった」


 というわけで俺が先行していわく付きのラブホテルに向かうのだった。








 うちから徒歩20分、駅から10分の繁華街の中にそのホテルがある。


「というか路地裏の異界から徒歩5分かよ。改めて思うとめっちゃ近いな」


 元々売りをしていた物件なだけあって駅に近いし、5階建ての各室にシャワーが付いているし、1部屋の広さも俺のアパートよりも広い。


 それが2階から5階までで合計20部屋、各階は5部屋ずつって感じ。


 1階はキッチンとカウンター、従業員待機所がある感じ。


「周辺の立地も悪くないんだよな」


 繁華街っていうのもあるが、周りには居酒屋も多いし、ふらっと休憩で入れる層にも期待できる。


 駅に近いからレオンが誘っている女性達が帰りの際に寄って仕事をすることもできるだろう。


「俺としては拠点が増えるのは大歓迎だし、路地裏の異界へのアクセスがしやすくなるなら余計良いな」


 欠点は駐車場のスペースが狭いくらいか。


 まぁ駅近で周囲にパーキングも幾つかあるから問題ないだろう。


「さて、ちゃっちゃと除霊していきますか」


 俺はホテルの中に入ると、身の毛がよだった。


「うわ、すっげぇ瘴気……放っておいたら多分異界化してたんじゃねぇかこれ?」


 内部は前にかほを助けた際に下身に来た時に比べてボロボロになっており、色々壊されていた。


「とりあえず、まずは除霊からだな」


 俺は魔法の杖を取り出すと、範囲浄化を行った。


 悪霊達が各所から断末魔が聞こえてくるが、気にせず下から上に向かって範囲浄化を繰り返していく。


 普通の人だと範囲浄化は結構MPを消費するのだが、MP消費無しで連発できる魔法の杖はやっぱりぶっ壊れていると思うの。


 20分程度で悪霊に瘴気が溜まりまくってお化け屋敷になっていたラブホテルの瘴気は祓い終わったが、またボロボロの状態で放置しておくと悪霊がやってきて瘴気が溜まっていくので、復元ペンライトで室内を修復していく。


「ホテルの根幹部分は壊されてないか」


 配電盤とか水道管とかそういうのは壊されてなかったので今も生きているっぽい。


 とりあえず1階から復元ペンライトで修復していき、十数秒も当て続ければ壁の大きな傷だったり血痕だったりも綺麗に修復されていく。


 内側を綺麗に復元すれば、外壁に関しても一緒に綺麗になっていくので、復元ペンライト様々である。


「キッチンも十分なスペースあるけど、リネン室とかもちゃんとあるのな。大型洗濯機と乾燥機が合計10台もあるし……これここで洗濯物一緒に洗えるな。ラッキーコインランドリー代が浮くじゃん」


 1階は他に従業員休憩室や仮眠室、倉庫があり、倉庫にはまだ使えそうな備品が大量に置かれていた。


「シーツとか毛布類にローションやシャンプーとかもまだ使えそうなのが大量にあるな……本当夜逃げみたいな感じで権利放棄したなこりゃ」


 客室を選ぶパネルの機械も復元し、パネルを押せば部屋の鍵が出てくる仕組みだ。


「部屋の鍵スペアも含めて何本か作っておかねーとな」


 そして2階に再び上がり、部屋を1部屋ずつ綺麗に復元していく。


「ザ・ラブホテルって感じか。大きなベッドに透明なガラスで中が見えるシャワールーム、AVが観れるテレビ……まぁ消耗品としてコンドームやピルとかは揃える必要があるけどね」


 ピルに関してはみちるが体に優しいのが作れるし、俺達もお世話になっているので、これは調達が容易。


「業務用コンドームって結構値段するんだよな……まぁここらへんはレオンに必要経費ってことで支払ってもらおう」


 全部屋を綺麗にし終わり、駐車場に飛び出た雑草を軽く草むしりしていたらレオンが到着した。


「いわく付きって割には特に怪しい雰囲気はねーな」


「まぁさっき全部浄化して、内部も綺麗にしておいたから……中に入ってみろよ」


「お邪魔します」


「おいおい、レオン。お前の城だぞ」


「だって俺まだ高校生だぞ。それがホテルを持てるなんて」


 レオンは中を見るとめっちゃテンションが上がって、興奮を隠しきれなくなる。


「すげぇ……これなら誘ってる女性陣も文句ねぇだろ」


「従業員はオナホにされた女性陣を送るわ。売りはあくまで本人の希望で動くようにしてくれ、精神状態を催眠で復元させるが、安定するまでは裏方で仕事させてやってくれ」


「わかった。後は備品系を仕入れる場所か」


「殆ど闇市で揃うと思うぞ。避妊用のピルはこっちが格安で卸してやるから、後は電気ガス水道やネットインフラ系を契約しないとな。裏に通じている業者紹介するから後はレオンが契約纏めてくれ」


「悪いなかいと……ここまでやってもらって」


「なに、レオンに稼いでもらったほうが俺としてもやりやすい。それに信頼できるってなったらここの近くに路地裏の異界があるから、そこでレベリングを行ってもいいし……あくまでレオンとは仲間だと思ってるから……今までは同じパーティーで動いていたけど、これからはクランみたいになるのかな」


 俺はクラン……俺のリーダーのパーティーとレオンがリーダーのパーティーに分けて、活動内容を広げる事を伝えた。


「レオンが安定するまでは俺らビッグハウスが、レオンのケツ持ちをするから、裏で絡まれたりしたら直ぐに伝えてくれ。まぁここらで厄介になりそうなヤクザは壊滅したばっかりだから大丈夫だと思うがな」


「わかった。また何か頼ると思うわ」


「じゃあオナホにされた人達の復元やっておくから必要そうな備品についてリスト纏めたから買ってこいよ」


「おう、サンキューな」


 というわけでオナホにされた人達を復元していくのであった。

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