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なぜドコモじゃない? KDDIがマネックス傘下の仮想通貨企業に100億円出資した理由…通信会社のWeb3に正解はあるか

KDDIの決算会見
KDDIは2026年3月期決算の説明会において、傘下のauフィナンシャルホールディングスの株式上場の検討を開始したことを明らかにした。
撮影:小林優多郎
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大手通信事業者の「通信以外のビジネス拡大」のトレンドのなかで、KDDIが競合・NTTドコモと関係の深い暗号資産取引所と「資本提携」するという珍しいタッグが進んでいる。

KDDIは5月12日に開催した2026年3月期決算説明会で、暗号資産取引所を運営するコインチェックとの業務提携、その親会社のCoincheck Groupと資本提携を発表した。

会見でKDDIの松田浩路社長は、新中期経営戦略「Power to Connect 2028」を発表。既存の通信事業を「テレコムコア」領域と定めて安定成長させつつ、金融やエネルギー、デバイスなどの「パーソナルグロース」領域で年平均成長率2桁成長を目指す方針を掲げた。

そのパーソナルグロース領域で、収益の中核を担うのが金融事業だ。KDDIは同じタイミングで、金融事業子会社のauフィナンシャルホールディングス(auFH)の株式上場に向けた検討を開始したことも明らかにしている。

Web3金融への進出と金融子会社・auFHの上場検討は、通信収入の成長鈍化を見据えたKDDIの「脱・通信キャリア」戦略の両輪として位置づけられる。その提携の詳細とKDDI、コインチェックそれぞれの思惑を解説する。

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ドコモと組むマネックス。暗号資産ではKDDIを選んだ

KDDIとコインチェックの関連図
KDDIとコインチェックとの提携を図式化したもの。
出典:マネックスグループ

今回の、KDDIとコインチェックの提携を聞いて「コインチェックは通信会社と組むならNTTドコモではないのか」と考えた人もいるだろう。

KDDIが今回提携したコインチェックとCoincheck Groupは、マネックスグループ傘下で暗号資産事業を担う会社だ。そしてマネックスグループは、2024年1月から証券分野ではNTTドコモと資本業務提携を結び、会計上「マネックス証券」はNTTドコモの連結子会社になっている。

しかし、マネックスグループが暗号資産領域で手を組んだのはNTTドコモの競合であるKDDIだった。

松本大氏
マネックスの創業者で、現在はCoincheck GroupのExecutive Chairpersonも務める松本大氏(2023年9月撮影)。
撮影:小林優多郎

マネックスグループ取締役会議長の松本大氏は5月12日に開いた個人投資家向け決算説明会で、この点について「グローバルビジネスを広く展開する中で、その時々のテーマに最適な相手と仕事をしていくということ。特別な意味はない」と述べ、NTTドコモとの関係性に変化はないとの認識を示した。

KDDI側も同日の自社の会見で「(コインチェックとの提携は、NTTドコモとマネックスが進めている)国内ネット証券の提携とは異なる領域」(KDDI取締役執行役員常務の勝木朋彦氏)という見解を明かしている。

コインチェックの方向性に関するスライド
コインチェックは国内の個人だけではなく機関投資家に対しても暗号資産取引を促そうとしている。
出典:マネックスグループ

コインチェックは個人向け暗号資産取引所としてすでに一定の規模を持っているが、2026年1月にはカナダのデジタル資産運用企業・3iQをグループ傘下に収めるなど、より投資額の大きな機関投資家向けへサービスの開拓を進めている。

ただ、個人向けサービスの規模の維持と、機関投資家向けサービスの開拓。2つのターゲットを追うことは1社だけでは難しく、すでに規模がある個人向けサービスは、他社と提携する「アライアンス戦略」をとっている。

アライアンス戦略のスライド
アライアンス戦略によって、ユーザー規模を拡大させているコインチェック。
出典:マネックスグループ

例えば、コインチェックは2025年8月にメルカリの暗号資産取引サービス「メルコイン」と、2026年4月にクレディセゾンと、それぞれ業務提携を発表している。KDDIとの取り組みもこうした動きの延長線だという認識を、マネックスグループ 社長の清明祐子氏は12日の説明会で明らかにしている。

清明氏は「個人の生活者にデジタルアセットに触れてもらえる環境を整えていく」と説明し、KDDIが持つ3000万人を超える顧客基盤への提供機会拡大が狙いであると説明した。

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Web3に本腰入れるKDDIが乗り越えるべき課題
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