5月13日に福井県福井市のセーレン・ドリームスタジアムで行われたプロ野球の巨人-広島戦。巨人軍は前日の12日に福井入りし、阿部監督が2年前に「僕も20年もジャイアンツにいるけど、一番のホテル」と絶賛した、あわら温泉旅館のグランディア芳泉に連泊した。旅館の壁面には客室の照明で「G」などの文字をライトアップして来福を歓迎。チームカラーのオレンジ色のネクタイを締めたスタッフが一行約90人を出迎え、今回も“いつも通り”丁寧に、熱くもてなした。
巨人軍から宿泊の予約が入ったのは、半年前の昨冬ごろ。球団などからメールで連絡を受け、グランディア芳泉の山口高澄常務取締役(38)は「嬉しかった。安全安心で快適に福井での時間を過ごしてほしいと、気が引き締まる思いだった」。年が明けて正式に宿泊が決まった。
当日は、約40人のスタッフが部屋を整えたり、食事を作ったりして、おもてなしの準備をした。ライトアップは両日ともに午後8時から開始。初日の12日がジャイアンツの「G」、翌日は巨人の「巨」の文字を浮かび上がらせた。
両日ともに、夜ご飯は午前0時過ぎから始まった。“福井の味”を中心に、ビュッフェ形式で100種類以上のメニューを所狭しと並べた。巨人の優勝シーンの映像を流したり、オレンジ色の器を取り入れたり…。選手の士気が上がるよう細部にこだわり「選手の皆さんに、すごく素晴らしいと言っていただけた」と山口常務。
焼き鳥好きという阿部監督を思い、福井の焼き鳥名店「秋吉」のメニューを焼き、デザートには選手らの似顔絵をプリントしたマカロンを用意した。
福井で試合が行われた13日、一行が旅館から球場へ向かう際には、地元の小学生と花道を作って見送った。この日夜に行われた広島戦では、1ー2で迎えた延長12回、巨人の坂本勇人選手が劇的な逆転サヨナラ3ランを放った。坂本選手は史上48人目となる通算300本塁打を達成するという、記録にも記憶にも残る一戦となった。
旅館のスタッフたちは、宿の準備をしながらもリアルタイムで選手たちの活躍を見ていたという。「恐縮ですが、女将も役員も、スタッフ全員が、巨人の皆さんと同じチームの一員ぐらいの気持ちでいましたから。すごく嬉しかった」(山口常務)。長丁場の試合を終えた選手たちを出迎え、午前0時過ぎから始まった夜ご飯で再びもてなした。
14日午前10時までには、全員が宿を後にした。一行を見送り終えた山口常務は「決して特別なことをやっているという認識はなく、どのお客様にも同じ気持ちでおもてなししている。その心を少しでも感じてもらえて、皆さまに喜んでいただけたのはうれしいし、ありがたい。ご縁があれば、またぜひ準備させていただきたい」と話した。


















