脳梗塞後の回復が持続=薬剤候補開発、マウスで効果―ヒトで実用化目指す・東京科学大
時事通信 / 2026年5月14日 0時4分
脳梗塞で失われた機能がリハビリで部分的に回復する期間が2カ月程度で終わってしまう原因のたんぱく質を発見し、このたんぱく質をできなくする薬剤候補を開発したと、東京科学大難治疾患研究所の七田崇教授らが13日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。マウスへの投与実験で回復を持続させる効果があり、ヒトで実用化を目指す。
七田教授は、この薬剤候補はヒトに合わせて作り直し、毒性が出ないようにした上で効果を高める改良が必要だと説明。「今後10年、20年かけて患者に薬として届くようにする努力を続けたい」と話している。
脳梗塞で血管が詰まり、神経細胞の一部が死滅して手足が動かなくなったり、話せなくなったりしても、2カ月程度はリハビリである程度回復する。これは生き残った神経細胞がネットワークを修復するためで、脳の免疫を担う細胞「ミクログリア」が「IGF1」と呼ばれるたんぱく質などを分泌して修復を助ける。
七田教授や津山淳講師らはマウスの遺伝子操作実験で、脳梗塞から一定期間が経過するとIGF1が作られなくなり、その原因は「ZFP384」という別のたんぱく質だと発見。脳梗塞後に死亡した患者の脳でも同様と確認した。
そこで、ZFP384をできなくする薬剤候補を開発してマウスに投与すると、ミクログリアからIGF1が分泌され続け、脳機能の回復を持続させる効果があった。
この薬剤候補はZFP384を作る遺伝子から生じたメッセンジャーRNAに結合し、分解に導く「アンチセンス核酸(ASO)」と呼ばれるタイプ。ASOは神経難病で実用化され始めている。 [時事通信社]
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