「現代刑法学に逆行」 専門家が語る国旗損壊罪の問題点とは?

桜と日の丸=東京都文京区で2026年4月7日、武市公孝撮影
桜と日の丸=東京都文京区で2026年4月7日、武市公孝撮影

 日本国旗を損壊するなどした場合に処罰する日本国国章損壊罪(国旗損壊罪)の創設に向けて、自民党内で議論が進んでいる。自民と日本維新の会の連立与党は今国会で新たな法律の制定を目指しているが、憲法が保障する表現の自由への抵触や法的位置づけなど、法学的に見るとどのような問題があるのか。桃山学院大の江藤隆之教授(刑法)に聞いた。【聞き手・園部仁史】

「使われない法律」つくることに

 ――自民は憲法が定める表現の自由や思想・良心の自由への抵触を避けるため、侮辱などの「目的や意図」を要件から外す方向で検討しています。

 ◆法律の要件から外しても、国旗へのアピール的な行為自体が内心に基づく表現である以上、表現の自由の問題は回避できません。逆に目的規定を外せば、古くなった国旗を捨てる行為まで処罰の対象になりかねず、法律上の処罰範囲が不当に広がるおそれがあります。

 ――保護法益に「自国国旗を大切に思う国民感情」を据える点についてはどう考えますか。

 ◆法律が守るべき国民の感情(感情法益)の保護は現行法にも存在しますが、現代刑法学には法益の明確化・限定化の流れがあります。新設はその流れに逆行します。また、国民感情を守るなら、侮辱目的の行為だけが禁止されるべきであり、侮辱目的を外す議論とは矛盾します。

 ――自己所有の国旗を燃やすなどした場合の適用についてはどうでしょうか。

 ◆自己所有物の損壊まで処罰対象に含めるのは無理があると考えます。例えば、自宅で国旗を…

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