為末大が語る“最高レベルの運動会”ダイヤモンドリーグ
ダイヤモンドリーグについて語る為末さん。昔は五輪、世界陸上を欠場して勝ちにいく選手もいたという
【画像提供:WOWOW】
今シーズンの幕開けとなる5月10日のドーハ(カタール)を前に、01年・05年世界陸上400メートルハードル銅メダリストの為末大さんに、ダイヤモンドリーグの魅力と大会への思いを聞いた。
生活するための賞金を得る大会
オリンピックと世界陸上が『非日常』の大会で、逆にダイヤモンドリーグが『日常』と考えてもらえれば良いと思います。野球で例えると、オリンピックがオールスターであり、ダイヤモンドリーグが通常のリーグ戦ですね。
――日本と世界で、ダイヤモンドリーグへの意識は異なりますか?
日本ではオリンピックや世界陸上の比率がかなり高いのですが、世界的に見ると、それらはもう少し比率が低い。ゴールデンリーグ(ダイヤモンドリーグの前身)の頃には、全試合で勝つと金塊をもらえるボーナスがあったのですが、それを獲得するために世界陸上をパスした選手もいました。そういう感覚の選手もいるほど、世界の選手たちの中ではダイヤモンドリーグにかける比率が大きいです。
――短期間で世界を転戦する難しさはありましたか?
われわれの頃は全部で7〜8試合を戦っていました。初めは慣れなかったのですが、一度ペースをつかめば戦っていけたと思います。逆に試合の間隔が空きすぎると、試合勘が鈍るという感覚です。ただ、定期的な試合のリズムに対して上手に適応する選手がいる一方で、そうでない選手もいて、シーズン中盤くらいから徐々に両者が分かれていくと思います。
――定期的に出場し続ける必要があるのですね。
この試合が日常なので、リーグ戦に出場せずオールスターだけに出場しても、違和感がありますよね。そもそもオリンピックや世界陸上では賞金が出ないという側面もあります。ダイヤモンドリーグは賞金が出るので、生活するための賞金を得ていく大会でもあります。