焦燥するトランプ氏、イランに対する「カードがない」ことを痛感か
先週には、ホルムズ海峡からの船舶退避を支援する「プロジェクト・フリーダム」を発表したが、湾岸諸国が再び攻撃にさらされることを懸念したため、2日後に同作戦を中止した。
その後、先週末にかけてイランの反応を期待させるような発言を繰り返したが、11日にはイランの対案を「ゴミ」だと一蹴した。
シンクタンク「中東研究所」の上級研究員ブライアン・カトゥリス氏は、「トランプ氏のここ1か月の行動は、この紛争を終わらせようと必死な指導者の姿を示しているが、彼は自分の望むものが得られないと、さらなる紛争をちらつかせて脅し続けている」と指摘。
「これは、彼がより良い条件を引き出す方法を知らないことを示している。戦争が始まる前に、もっと良いディール(取引)ができたはずだ」と述べた。
トランプ氏は昨年、中東への介入を繰り返してきた歴代米大統領を批判し、中国を最大の挑戦者と位置づけていた。
だが、カトゥリス氏によれば、トランプ氏は今、その時よりも「はるかに弱い立場で」中国に臨むことになる。
「米軍はわずか1か月半で大量の武器弾薬を消費しており、中国はそれを承知している」とカトゥリス氏は指摘する。
■唯一の道は交渉による合意
トランプ氏と側近らは最近、対イラン軍事作戦の少なくとも攻撃的な側面は終わったと述べた。国内法に基づき、5月1日が作戦継続に議会承認が必要となる期限だからだ。
だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は10日、CBSニュースの番組「60ミニッツ」で放送されたインタビューで、対イラン軍事作戦が終わったとみなされるためには、イランの濃縮ウランが国外に「持ち出される必要がある」として、戦争はまだ終わっていないと主張した。
米アメリカン大学の外交政策専門家、ギャレット・マーティン氏は、トランプ氏が現状を打破する唯一の道は交渉による合意かもしれないと述べた。しかし、それは2015年にバラク・オバマ元大統領が戦争を経ずに締結したイラン核合意よりも緩やかなものになる可能性がある。トランプ氏は当時、オバマ氏によるイラン核合意を「史上最悪の合意」だと激しく非難していた。